2011-04-29

これがジャーナリストだ!江川紹子だ!記者会見質疑 応答

新聞テレビといったマスコミが、安心・安全神話をまき散らし真実を伝えようとしない、まるで原子力村の広報室であるかのような現状では、わたしたちが真実にアプローチするための唯一の道はフリーランスの活動に委ねられている。Ustreamによるライブ映像とTwitterがかろうじてわたしたちの知る権利を保障している
記者会見において、切れ味鋭くことの本質に迫っていく江川紹子氏の質問は、はぐらかし名人揃いの回答者たちのごまかしを許さず事実を引出していく。クラブ記者たちの質問がいかに緊張関係のない馴れ合った、レベルの低いものであるかが浮き彫りにされた。江川氏によって緊張感のある質疑応答となった記者会見の模様は以下の通り。
(文字起しは@evoliumさん Togetterまとめは江川( @amneris84 )さん)

<<4月28日 統合本部記者会見>>
1.浜岡原発再開
江川:フリーランスの江川です。何点かあるんですけども、一つは、保安院の方にですね。今日、今流れているニュースで、浜岡原発のほうが、3号機ですか、7月をめどに再開するというニュースが流れております。 
以前、4月の21,22だと思いますが、保安院の検査も入られて、今月中に評価をするということだったんですけど、その評価を待たずにですね、こういう再開についてのプレス発表を行っているということについて、どのようにお考えかということとそれからその評価について、いつどのような形で発表されるのかということをまず教えて下さい。

保安院: 保安院では、今、各発電所について浜岡も含めてですね、緊急の安全対策、大きな津波で、全部の電源それから冷却機能等が消失した…失われてしまった時でも、なんとか冷やせる状態に持ち込むと、こういうことができるかどうか。
   それから、非常用のディーゼル発電機の台数がちゃんと2台、止まっている時でも、あるかどうか。それから電源系統全体が、こないだの東北で落ちたような形にならないかどうかと。この3つのポイントで今、対応してもらっておりまして、
それで、各発電所にお願い…お願い…指導しております。
それで浜岡については、そういうことを一応やったということですので、私どもの検査官が今仰ったように入って確認をしております。ただまだ結論は我々としては出しておりません。
これについては、こういう、この間のような大きな津波が来たことで、これだけの事故が起こっているわけですから、浜岡の関係の方々のご心配はさぞかしと思いますので、良く、皆さんに納得頂けるような評価をしたいと思っておりますので、まだ保安院として結論は出しておりません。
で、これ、いつだすかというのはなかなか難しくて、今そういうこともあるので慎重に考えたいと思っていますので。いずれにせよ評価した時にはきちっと、ちゃんと説明を当然申し上げるようなことになりますし、また地元へも、ちゃんとお話する必要があると思っております。ですから、今のところまだ結論は出てないし、それから、えー、いつということを今申し上げることは難しいという段階です。

江川: 結論が出ていないのにもかかわらず、7月めどに再開をと、こういうプレス発表までしたということは、どうお考えでしょうか。

保安院: ちょっと私もプレス発表をよく自分で見ていないのですけども、いずれにしても、そのことと実際にそういう風になるかどうかということは、話が別ですので、我々としては、もし仮にそういうことをされているとすれば、*
   それは事業者としてのご希望を表明されたということだろうと思いますけれども、それと実際にそうなるかどうかとは別だという風に考えております。

江川: ただ実際に調査があるにもかかわらず、その結論を待たずにですね、こういう何か、都内で開 催した決算会見で、明らかにしたということが報じられていますけども、その保安院の検査の評価も待たずにですよ、こういうことを公表するということについては、問題だとはお考えになりませんか。

保安院: 決算ですか…決算? 決算の…、いずれにせよ結論は今申し上げたようなことなので、そこでどう言うかに関わらず、実際に動かせるかどうかということとは別のことです、ということでありますので。あとはまあその、そういう状況において、決算で発表された内容というのを、決算のことであれば、決算関係の方々がどうとられるか、ということだろうと思います。保安院としては、そこは中部電力は、ちゃんと分かっていると思います。

江川: 「分かっていると思う」というのはどういうことなんでしょうか。

保安院: まだ、保安院の結論は出ていないし、そのことが出た上で、地元にもちゃんと説明して、ご納得頂けるかどうかというプロセスがこれからあるわけですので。そういうことが先にあるということは分かっていると思います。

江川: 特に問題は感じてないということですか。

保安院: 何を問題と思うかですけども、今のようなことが実態ですから、えー、一々会社がどうされたかということについて、こちらが、そこの内容を会社は良く分かっていると思いますから、一々のことについてコメントする必要はないぐらいかな、と思っています。

江川: それから調査しているのは津波だけですか。地震本体で…

保安院: 地震本体もです。もちろんそうです。

2.学校における放射線容量規制について 20mSv/年
江川: 分かりました。(次の質問に移る)
それから連日申し訳ないんですけども、福島の子供の問題なんですが、昨日の段階で確か、どういう方に助言を求めたのかということをお聞きしたら、本間先生と成田先生のお名前が出てこのお二人ということだったんですが。
私、本間先生にお話を伺いましたら、本間先生はこの20ミリという数字を出すことについては、「適切でないという風に申し上げた」という風に言われております。成田先生には確認はできませんでしたけども、そういうこと。あるいは昨日ですか、何かメーカーの方で、 この核戦争防止国際医師会議の方々だと思いますけども、お医者さんがですね、子供たちの許容線量が高すぎるのではないかという指摘をされました。こういったことを受けてですね、この数字について再検討をするということは無いのでしょうか。
あるいは、例えばその校庭の表土を除去すると随分変わるのではないかと、もちろんそういう処理の仕方について色々とまた揉めているようなので、容易ではないと思いますけども、例えば校庭の隅を深く掘ってですね、そこに取りあえず表土を入れておくとかですね、そういう方法も色々あると思うので、そういった助言をですね、なさるおつもりは無いか、予定というかそういう動きは無いのかということをお聞きしたいと思います。

原子力安全委員会(以下、安): はい。「20ミリシーベルト/年」につきましては、そういう枠組みで、文部科学省の方でスタートされて、私どもの方としても、それをよしとしたわけでございますが、この「20ミリシーベルト/年」につきましては、あくまで、それから下げる方向への、まあ出発点として設定しているものでありまして、そのまま、何ら低減努力をせずに放置し続けて良いというものではないと、いうことでございます。こういう時に達成可能な限り、被曝線量を低減させる努力が必要でありまして、もしも校庭等の空間線量率の低下の傾向が見られない学校等があれば、それは文部科学省、また地元、それぞれの学校等で、色々良く状況を把握してアクションを取ると…何らかのアクションを取るということを考えられるかと思っております。
原子力安全委員会としては、原子力災害対策本部に対しまして、学校等にそれぞれ一台程度、線量計を配布しまして、生徒の行動を代表するような教職員に着用させ、被曝状況を確認することを言ってございます。また児童生徒の被曝状況をフォローするために、二週間に一回以上の頻度を目安としてモニタリング結果を報告すること、いうことを求めておりまして、モニタリング等の結果に基づく評価の上、適切に文部科学省の方で対応してもらう、ということを期待致しております。

江川: 表土の件について、本間先生も勧めていらっしゃったけれども、特にそういう動きはないのでしょうか。

文部科学省(以下、文科): 本日、実は大臣の閣議後の会見でも、この手のご質問がありまして、大臣がお答えをしております。今、もともと今回の基準はですね、暫定的基準ということで始めております。これは新学期が始まってですね、

これはここの中でも述べています…さらに一学期間まず見てですね、モニタリングをしながらやって行く、ということなので、その後まだ更に必要な措置があるかどうか、暫定の基準を変えて行くということがあるかどうか、
それはまたモニタリングの結果なんかも見ながら変えて行くということはあるかもしれません。ただ、学校のほうの土壌の問題について、今日大臣が、午前の閣議で申し上げたことを申し上げれば、郡山市の方でこれが行われたということは、もう報道されている通りでございまして、これについては市の独自の判断として行われたものだと思っております。
校庭の表土の除去…土や砂を入れ替えなくとも安全の目安として、毎時3.8マイクロシーベルト未満であれば、平常通りの活動が出来る。3.8マイクロシーベルトを超えたところの校庭での活動については一定の制限、一日の内一時間に収めると、こういうことであれば…なお当然にして、できるだけ安全場所を確保するためには、手洗いやうがいをしたり、あるいは本の時は窓を閉めたり、あるいは屋内に上がる時は泥を落としたり…上がるとか、そういうことに留意すれば、今のままでも活動を行えると、そういう風に私たちは考えております。ただ大事なのはやはり継続的なモニタリング、目に見える線量測定をしっかりやらなければなりません。
もちろん状況の変化というのは、これは原子力発電所の収束を目指しておりますが、そういう意味では一日も早くコントロールされた状況に期待しております、という…同時に学校の先生方にも線量計を持って頂いて、安全の確保に心して行くということも重要でないかということを申し上げておられる、ということがございました。その中で、えー、まあ一方、ちょっとこれはご発言のあった中ではですね、地元との色々なお話とかですね…お話は今回やって行くということの必要性っていうのは言っております。従って、安全の確保ということで……
(以降映像から音声が消え、文字起こしできず)(暫く後の別の質問に移る)

3.原発事故の評価について
江川: 江川です。先程西山さんが、ちょっと仰ったことでですね、「今回のことは、どう考えても想定外の地震に襲われてこういう事態に陥っている」という風に仰いましたけども、未だに今回の出来事というのは、想定外のことが原因だという風に、お考えなんでしょうか。大分色んな指摘が今までも沢山あったこということは既に明らかになっておりますけども、それでもなお今回の事態は想定外のことが原因だと、こういうことですか。

保安院: その想定外のことが起こった時に、どう対応するかを予め考えておくべきかということとは別にしてですね、この地震自体を、あるいはこの大きな津波を予測できたかということについては、私は、国全体の見解ではないと思いますけれども、私自身の見解は、あの、想定外だったという風に思ってます。ただ、あの、その時にそういうものに襲われても、あのー、えー、あのー、その挽回する手立てというのは有るわけですから、そういうことをやっておく必要があったかどうかというのは、これはまた別の判断があると思います。

江川: 別の判断というと、どうですか。今の時点では、西山さん自身は、これはまずかったということなんですか。

 保安院: そうですね、今まさに各発電所にお願いしているようなことを…であっ…ぐらいを、せめてやって頂いておけば良かった、かなという風に思います。
江川: そうすると、それを十分にチェックできなかった保安院の責任というのはどういう風に考えていらっしゃいますか

保安院: それはあの、保安院も一定の責任があると思います。

江川: その「一定の」というのはどういう風にとらえたら良いんでしょうか。その、もの凄く責任を感じていらっしゃるのか、なんか今のお話だと、そうでもないような感じがするのですけども。

保安院: まーあの、それは非常に責任を感じていると言って間違いないと思います。

江川: じゃ、その責任をどういう風に表現をされるのでしょうか、保安院の方たちは。

保安院: まずあのー、今、次の事態を…まずはそうですね、そういう意味じゃ、今まさに細野事務局長にリーダーになっておられて、この事態を収めるところについて、我々も最大限の協力をするというのはまず第一歩ですし、それから、今動いている発電所もありますし、これからまさに、動かそうと思っている発電所、少なくとも電力会社の方としては動かそうと思っている発電所もあるわけですから、そいうことについてどう対応すれば良いかってことも考えて今、手を打っているわけですね。

江川: 今まで、ま、電力会社の言うことをですね、あまりにも鵜呑みにし過ぎていたという反省はあるのでしょうか。

保安院: 我々が電力会社の言うことを鵜呑みにしていたということは、私自身は無いと思っていますけども。

江川: じゃ、そういう面での反省は全くないということですね。

保安院: そこはあのー、えー…

江川: 厳しくチェックできなかったのは何故なんでしょう、じゃあ。

保安院: 我々は今までの知見に基づいては厳しくチェックしていたという風に思っています。

江川: じゃあその、保安院も、ま、認識が甘かったということなんですか。

保安院: それはそういうことがあったと思います。

4.20mSv/年についての本間先生の見解について
江川: 分かりました。(次の質問へ移る)

それからその、細野さんにですね、いらっしゃらなかった間に、いくつかのことが出てきたわけですけども。一つは子供の問題についてですね、昨日、安全委員会の方からお話があった、その○○の委員と二人の専門家の話ということで決めたということで、 実はその専門家の一人がですね、「自分はこれには賛成じゃなかった」ということをはっきり仰っていました。そういうようなことや、あるいは海外で、放射線関係の専門家の方、お医者さんがですね、この引き上げは20ミリというのは高すぎるんじゃないかと、いうような指摘もされているという報道もあります。そういうことを踏まえてですね、色々さっきから伺っているわけですけども、文科省はモニタリングをやって、今学期ですか、一学期様子を見てるような感じでですね、非常に見ていると対応がゆっくりな気がするんですけども、それについて、もう少し対応を急ぐようにですね、働きかけるとか、何らかされるということは考えていらっしゃらないでしょうか

細野: この、年間20ミリシーベルトという、この基準自体はですね、検査本部の方で、決定したと。安全委員会の諮問も受けて…提案も受けて、えー、まあ、えー、決めたということですので、手続きとしては適正な形で行われたものだと思っております。*

ま、ただ現実問題として、通っておられるお子さんや、親御さんがこれだけ不満を持っておられて、郡山のほうでは既にもうアクションも起こしているということですので、昨日も同じことを申し上げましたけれども、そういったことをしっかり踏まえて、政府として対応が必要だと、いう風に思います。で、今日の時点で、これが出来るということをですね、まあすぐには申し上げられませんけれども、政府内でも、色んなそういうことを受け止めてですね、やれることは何かという検討は急ピッチで進んでいるということだけは、申し上げておきたいと思います。

江川: さっき伺っているとですね、安全委員会のほうにモニタリングの結果はまだ受け取っていないと仰るんですね。だからそういうのを見ていると、非常にこの、まどろっこしい感じがするのですけども。もうちょっとですね、そういう対応を、あるいは検討をスピードアップするということを、是非働きかけて頂きたいと思います。

細野: はい、あのー、ええ。まあ、この場所かどうかは別にしてですね、しっかり、対応を、また報告できるのではないかと思っています。(この質疑のやり取りはここまで)
5.その他
江川: あと東京電力さんにですね、今すぐにお答え頂くのは難しいかもしれませんけども、明日でちょうど50日になるわけですよね。で、今回の対応でですね、この事故を抑えるためには色んなものを投入されたり、
海外からも協力してもらったりしていると思うんですけども、大体お金がいくら掛っているのか、あるいは工程表通りにやるためにはいくらぐらい掛かりそうなのか、ということをできれば出して頂きたいな、という風に思いますが。可能でしょうか。

東電: はい、あのー、どういったことがお答えできるかも含めまして、検討させて下さい。(この質疑のやり取りはここまで)
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以上は
@evolium さんによる江川さん質疑まとめです。
丁寧な文字起しで、質疑の雰囲気もよくわかると思い、少し見やすくするためと自分のメモとしても残しておきたく、当ブログに掲載させていただきました。

原子力村ネットワーク - チャート

原子力村 原子力ムラ
Web状(蜘蛛の巣のよう)に張りめぐらされた原子力村ネットワーク

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河野太郎氏ブログ LINK
「トップを副社長で天下りさせていただくと…」
<サマリー>
日本の電力料金は「適正原価」+「適正利潤」の公式で決められる。
このことは電気事業法という法律で定められている。
適正原価は電力会社が計算し、チェックは天下り元の官庁がやる。コスト計算の元数字は私企業の情報だからと秘匿され一般人はもとより国会議員でさえ閲覧することができない。研究費として学界にばらまかれる資金、マスコミへ支払われる莫大な広告費もコストとして電力料金に上乗せされている。

--「ふくいち」の原発事故賠償金さえ悪びれもせず電力料金に上乗せして消費者から回収しようとする人達のことだ。きちんと精査すれば原価がどのようなもので構成されているか、闇から浮かび上がってくるものも多いことだろう。
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(11-05-01 追記)

現代ビジネス 京都大学熊取六人衆 => LINK

原発を所管する経済産業省と文部科学省は、電力会社に許認可を与える代わりに、電力会社や数多ある原発・電力関連の財団法人などに天下りを送り込む。さらに、研究者たちは国の原子力関連委員を務め、官僚たちとともに原子力政策を推進していく。

簡単に言えば、原発ムラとは、潤沢な電力マネーを回し合うことでつながっている産・官・学の運命共同体なのである。テレビに出て、どう見ても安全とは思えない福島第一原発の状況を前に、しきりに「安全です」「人体に影響はありません」などと語る学者から、原子力委員会、原子力安全委員会、経産省外局の原子力安全・保安院、東京電力も、それぞれ立場は異なるものの同根だ。

原発ムラの頂点に立つのが東京大学大学院工学系研究科のOBたち。たとえば、原子力委員会委員長の近藤駿介氏、原子力安全委員会委員長の班目春樹氏は、いずれも同研究科OB。NHKの解説でおなじみの関村直人氏、さらに実質的に日本の原子力政策を決めている資源エネルギー庁原子力部会部会長の田中知氏は、同研究科のOBにして、現在は同研究科教授といった具合だ。

小出:「あまりテレビは見ないんですが、3月12日に枝野(幸男)官房長官が記者会見で『1号機の水位が下がった』と言い、重大な事態だという認識を示した。ところが、その後のNHKで東大の関村教授が出てきて、『原子炉は停止した。冷却されているので安全は確保できる』というようなことをおっしゃった。唖然としましたよ。

炉の冷却ができなくなってから100分くらい経つと水位が低下しはじめ、その後20分位で燃料棒を覆う被覆管が溶けて燃料が顔を出す。やがて炉心溶融に向かうというのはスリーマイルの事故報告書を見るとはっきりと書いてある。研究者なら当然知っているはずなんです。関村さんの話を聞いて、『この段階で何を言っているのか』と思いました。隣のNHKの記者もさすがに怪訝な表情をしているように見えましたね」

共謀の文化-The Nuclear Power Village

Culture of Complicity Tied to Stricken Nuclear Plant

New York Times By NORIMITSU ONISHI and KEN BELSON  Published: April 26, 2011


It’s all about money,” he added.
At Fukushima Daiichi and elsewhere, critics say that safety problems have stemmed from a common source: a watchdog that is a member of  The Nuclear Power Village.
Though it is charged with oversight, the Nuclear and Industrial Safety Agency is part of the Ministry of Trade, Economy and Industry, the bureaucracy charged with promoting the use of nuclear power. Over a long career, officials are often transferred repeatedly between oversight and promotion divisions, blurring the lines between supporting and policing the industry.
監視がその役割であるにもかかわらず原子力安全保安院は経産省の一部門だ。しかもメンバーは推進側と監視側を何度も行き来している。

Revolving Door(回転ドア)
In Japan, the web of connections between the nuclear industry and government officials is now popularly referred to as the “nuclear power village.”
日本においてはこの民間原子力事業者と政府官僚のコネクションネットワークは、「原子力村」と呼ばれるようになっている。
Just as in any Japanese village, the like-minded - nuclear industry officials, bureaucrats, politicians and scientists - have prospered by rewarding one another with construction projects, lucrative positions, and political, financial and regulatory support. 
原子力事業者、官僚、政治家と学界で構成されるムラは建設プロジェクトによって、政治的・金銭的そして規制において有利なポジションを獲得することでお互いが潤うようになっている。

At Tepco, from 1959 to 2010, four former top-ranking ministry officials successively served as vice presidents at the company. When one retired from Tepco, his junior from the ministry took over what is known as the ministry’s “reserved seat” of vice president at the company.
東電はこの50年で4人の政府高官が天下り「指定席の副社長」に就いた。
In the most recent case, a director general of the ministry’s Natural Resources and Energy Agency, Toru Ishida, left the ministry last year and joined Tepco early this year as an adviser. Prime Minister Naoto Kan’s government initially defended the appointment but reversed itself after the Communist Party publicized the extent of amakudari appointments since the 1960s. Mr. Ishida, who would have normally become vice president later this year, was forced to step down last week.
最近では資源エネ庁の石田長官が本年、将来の副社長就任を見据えた顧問に就任した。事故後辞任することになったが。
(英文略)
米国のNRCや研究機関、事業者との間では考えられない関係が原子力村にはある。日本の学界で安全性などで原子力村に批判的意見を述べることは、その経済的なまた研究者としての地位を危険にさらすことになる

Backed by Keidanren - Japan’s biggest business lobby, of which Tepco is one of the biggest members - Mr. Kano served two six-year terms in the upper house of Parliament until 2010. In a move that has raised eyebrows even in a world of cross-fertilizing interests, he has returned to Tepco as an adviser.
経団連の後押しを受けて、東電元副社長加納時男は2010年まで参議院議員を2期務め、東電顧問に戻った。
While in office, Mr. Kano led a campaign to reshape the country’s energy policy by putting nuclear power at its center. He held leadership positions on energy committees that recommended policies long sought by the nuclear industry, like the use of a fuel called mixed oxide, or mox, in fast-breeder reactors. He also opposed the deregulation of the power industry.
加納時男氏は議員活動中、国のエネルギー政策に深く関わり原子力推進の中心メンバーだった。MOX燃料導入についても指導力を発揮し、電力自由化に反対してきた。

Most important, in 2003, on the strength of Mr. Kano’s leadership, Japan adopted a national basic energy plan calling for the growth of nuclear energy as a way to achieve greater energy independence and to reduce Japan’s emission of greenhouses gases. The plan and subsequent versions mentioned only in broad terms the importance of safety at the nation’s nuclear plants despite the 2002 disclosure of cover-ups at Fukushima Daiichi and a 1999 accident at a plant northeast of Tokyo in which high levels of radiation were spewed into the air.
さらに重要なことに2003年-この年は東電が福島及び柏崎で放射能漏れ事故を起こしてデータ改竄が発覚した翌年であるにも関わらず-加納氏の強いリーダーシップの元で国の原子力エネルギーへの傾斜政策が採用された。

Mr. Kano’s legislative activities drew criticism even from some members of his own party.
“He rewrote everything in favor of the power companies,” Mr. Kono said.
What is more, Japan would make the sale of nuclear reactors and technology the central component of a long-term export strategy to energy-hungry developing nations. A new company, the International Nuclear Energy Development of Japan, was created to do just that. Its shareholders were made up of the country’s nine main nuclear plant operators, three manufacturers of nuclear reactors and the government itself.
The nuclear power village was going global with the new company. The government took a 10 percent stake. Tepco took the biggest, with 20 percent, and one of its top executives was named the company’s first president.
さらに日本は原子力発電主要部分及び技術の販売を長期的国家輸出戦略と定めた。電力会社および原子力主要企業3社と国の出資による新たな企業が設立されている。
原子力村はこの新たな企業-政府10%、東電20%の出資と東電からの新社長送り込み-によってグローバル化を図ろうとしている

2011-04-28

「原発あんしんイデオロギー」--原発非常時電源不備

2011/04/26 00:20   【共同通信】 記事から
追加の電源装置、冷却機能に懸念 9社の原発ともんじゅ

東京電力福島第1原発事故を受け、外部電源と非常用発電機の全ての電源が断たれた場合に備え電力9社などが配備した電源車や発電機では容量が小さく、原子炉を冷却する装置を一部しか動かせず原発で原子炉を安定した停止状態にすることはできない

地震後の福島第1原発と同様に、非常用発電機が使えない場合には代替電源がないという状況は改善されていない。

原発を所有する電力10社と、高速増殖炉もんじゅ(福井県)を持つ日本原子力研究開発機構によると、事故後に電源車や可搬式発電機を原発に配備したが、こうした電源で動かせるのは計器類や小規模の注水装置だけで「非常用発電機のバックアップとは言えない(電力関係者)という。

日本原子力発電によると、敦賀原発2号機(116万キロワット、福井県)の安全な冷却には約3500キロワットが必要だが、配備したのは220キロワットと800キロワットの電源車1台ずつ。1825キロワットの電源車3台を手配したが、配備は「来年3月ごろまでに」としている。敦賀1号機では220キロワットを1台配備、800キロワットと1825キロワット1台ずつを手配した。

中部電力は東海地震の震源域にある浜岡原発(静岡県)で、廃炉手続き中の2基を含む5基に追加対策。現在ある非常用発電機に加え、津波の影響を受けないように海抜約14~30メートルの原子炉建屋屋上などに新たにディーゼル発電機計9台を設置したが、容量が小さいため、さらに敷地内の高台にガスタービン発電機3台を配備する。

北海道電力は、泊原発に3200キロワットの電源車1台を配備したが、1~3号機共用で3基の原子炉を安定的な停止状態にするには容量が十分でないため、2年以内をめどに1台追加するという。

ガスタービン発電機の設置などで十分な大容量電源が確保できるのは「2012年度初め」(九州電力)、「2年程度」(北陸電力)と比較的時間がかかる施設と、秋―年内という東北電力東通原発(青森県)、日本原電東海第2原発(茨城県)、関西電力、中国電力、「速やかに」(四国電力、原子力機構)などに分かれている。
---記事引用は以上---- 文章は少し直した。
(こうして引用していると、(自分は棚において)記者の文章力の無さに気付く。)
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-manomasumi-
さて、新聞が追いかけるのはこの程度だ。今日の今日のこと、すなわち、対症療法だけがかれらの興味の行き先だ。そこから、少しだけ深堀りしてみよう。そもそも日本の原電は長時間の電源喪失などに備える必要がないのだ。2002年の原子力安全委員会の規定でそのようになっている。(これが証拠。)だから電力会社はのうのうと、役立たずの電源車を配備し(口先だけかも知れない)本格対策を先延ばしすることが、可能だ。(法的に免責される)
http://www.nsc.go.jp/shinsashishin/pdf/1/si002.pdf p22
いま、原発が爆発し放射線がばらまかれ、命が危機にさらされ、人々は少しだけ原発の危険性に気付き始めた。だけど本当に危険なのは、わたしは思うに、この数行に込められた様々なイデオロギーなのだ。このイデオロギーが原発をこの日本に立地させるポイズンなのだと思う。(「脱原発 草稿」 ブログ内 Link )

脱原発(草稿)

原発は葬り去らねばならない。311福島からそのことぐらいは学べるだろう。原発をなくすことが非現実などという馬鹿げた洗脳から解かれていい頃だ。
しかしながら、現実的では無いということに一定の事実がくっついている。原子力村という巨大な既得権益集団の存在だ。電力会社・経産省・議員・学界・テレビ、新聞業界、それらのあらゆる所に彼らは蔓延っている。枢要部分を制し、人々の思考は既得権益の方へなびいている。既得権益集団は311後のごく当たり前の未来図を引き裂こうと身構えている。これらの集団との闘いは避けることができない。オールニッポンなどという甘えは、敗北への入口だ。

人々の心に根ざした既得権益への指向を断ちきるためには、新しい世界の夢を語らなくてはならない。地図を示さなければならない。なんどもなんども。
既得権益集団にくっついていくことがどれだけ危険であることかを人々に知らせる努力がいる。彼らの情報隠しを暴く努力がいる。

地獄の裂け目が現れたかのような黙示録的な世界を曇りのない目で直視しなければならない。官邸やご用学者がいうような安心や安全はどこにもない。かりそめの安全だったことを、福島の事実を前にして今知らなければ…。

政治性抜きに未来があるなどという、お為ごかしの言論の中にわたしたちはどっぷりとつかっている。脱原発を成し遂げることは、政治的な闘いそのものである。そこには脱原発をはばもうとする敵がいる。イデオロギーがある。当たり前のことだと私は思う。

イデオロギーアレルギーこそ、日本社会に蔓延る古くさく強固なカビの栄養素だ。
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2011-04-27

(GoogleEarthより)すごい立体地図画像

Missiles Into Models
BY DAVID ZAXToday
A Swedish aerospace technology company beats swords into ploughshares, turning missile tech into what some have called "Google Maps on steroids." Nokia just released a product licensing the tech.
http://goo.gl/xGtGT


スエーデンのSAABより独立した航空部門が開発したミサイル誘導技術を応用した立体地図作成ソフトをNokiaが開発。
グーグルやBingとは違い360℃の視点から立体図を見ることができる。
GoogleEarthでは人出によってマニュアルに作成されているがC3では98%自動的化されている。


Last week, Nokia released an upgraded version of it mapping service, Ovi. The upgrade was a milestone for a company called C3 Technologies, a spinoff from Saab, the Swedish aerospace company (no longer associated with the car company). Nokia's application was the first public use of C3's powerful new mapping technology.
Derived from tech that was intended to guide missiles, C3's peacetime use renders 3-D color models of entire cities (like San Francisco, whose map is pictured above)--its buildings, statues, even its trees--to a resolution of 15 centimeters.
"The world is not flat," declared Nokia triumphantly on its blog (leading Thomas Friedman to spit out his cup of coffee and recall all copies of his bestselling book).
"Unlike Google or Bing, all our maps are 360° explorable," the company's Paul Smith told Technology Review, which published a piece on C3 today. The major leg up C3 has over Google or Bing is its process. C3 flies over cities with a trade-secret number of cameras and snaps the minimum amount of photos to be able to infer the shapes of all the buildings. What we do know, according to Technology Review, is that "four cameras look out along the main compass points, at oblique angles to the ground" while other cameras "capture overlapping images from their own carefully determined angles." C3 software infers depth from the 2-D pictures.
This video shows how playing with C3's maps--twirling, panning, zooming--on a tablet could easily make you feel just a little bit like, well, God.

While Google Earth also has some accurate rendering of 3-D buildings, it typically relies on manual labor to do so. C3's process is "98% automated," apparently--necessary since it has declared as its mission "to map the entire world."
And not just the exterior world. C3 also has its eyes on mapping the indoors of buildings. It envisions a variety of applications of its technology, and has expressed a particular interest in augmented reality--provided cell phone GPS, which currently locates users less precisely than C3's renderings, catches up.
FAST COMPANY NOW DAILY
The most popular and talked about stories of the week.
SIGN UP TODAY:

C3, in the meanwhile, has its work cut out for itself. "It's the start of the flying season in North America," Smith said to Technology Review, "and we're going to be very active this year."

2011-04-24

東電・保安院 統合記者会見について(TL纏) 言論圧殺の試み

(1)早野龍五さん 
@hayano さん 4/23 TL ----(引用開始)
(僕は4/21の放送は見なかったのですが)NHK 時論公論 「災害時の情報発信」が,NHK 解説員室ブログに出ていました.http://bit.ly/f3Tic7
posted at 14:19:46
【4/25より福島原発事故対策統合本部の共同記者会見】http://bit.ly/hwPUsI
(メテ?ィアの方々は事前に登録;報道倫理を厳守;職員の指 示に従わない場合等には、退出 ... 随分といかめしい. net中継はできなくなる?)
posted at 15:19:01
(インターネット報道協会会員OKだから,NET中継はOKなのね,多分)【4/25より福島原発事故対策統合本部の共同記者会見】http://bit.ly/hwPUsI
posted at 15:38:16
toofuya とーふや hayanoがリツイート@ @hayano これまで連続して中継してきたところでは実質ニコニコ生放送だけになりかねないです。
http://bit.ly/egsgdm お気に入り リツイート 返信
(マタ ヤッテシマッタ ラシイ 「日本インターネット報道協会」のサイトが落ちた?)
posted at 18:11:23

--------------------@hayanoさん TL引用おわり-----------

(2)NHK科文 
4/24超早朝TL  ------(引用開始)

さて(ガラリ)東電がきょう発表した「福島原子力発電所事故対策統合本部の共同記者会見の実施について」というリリースをめぐり議論が起きています。みなさんはどうお考えですか。かぶんは、会見への参加を認めない場合の説明責任を果たすべきと思います。
http://bit.ly/hUqw0R
posted at 01:34:16
ご意見ありがとうございました。さて東電のリリースを読むと http://bit.ly/hUqw0R 雑誌、ネット、海外メディア、フリーに門戸を開くことは明記されています。報道規制という反発を慮ったのでしょう。明記したからには厳守する義務があり、運用を監視する必要があります。
posted at 02:14:07
ちょっと極端な提起ですが、東京電力の1日2回程度の会見を、老若男女ご職業問わず誰でも出席できるよう、数百人~数千人~?の大ホールで毎回開くべきでしょうか?すみません極端すぎでした
posted at 02:21:02
仮に、記者会見の参加をある程度の人数に絞るとします。選別を誰がするのか。企業側が選別するのが今回の東電などの提起で、参加する記者側が選別するのが、批判の多い記者クラブ方式です。ちなみに日本に比べ開放的とよく言われている海外の記者会見は主催側が選別するのが一般的です。
posted at 02:32:38
小ネタ(大ネタ?)ですが海外でも記者クラブ自体は珍しくありません。例えばジュネーブにも国連記者会があり、定例会見に参加するには加盟が必要です。日本の記者クラブと違うのは、加盟資格を判断するのが記者クラブではなく政府や企業がしているということです。
posted at 02:48:05
多くの論点がありますが、継続的に討論しましょう。マスメディア、フリー、ともに参加して中身の濃い、発展的な記者会見を実現するべきです。きれいごとをいうな?ウ~ン
posted at 02:59:00
ちなみに政府大企業などのいわば権力側が会見を主催し、大本営発表を続けた時代の反省から、会見を記者たちが主催しようという思いもあって設けられた記者クラブ制度が、再び大本営といわれるのは皮肉です。
posted at 03:04:38
海外と日本の記者会の違いは、日本の「閉鎖性」とされます。ちなみにかぶんは記者クラブにほとんど加盟した経験が無いまま記者を長くしてきたもので、だからというわけではありませんが、批判を受けて信頼を失うぐらいであれば記者クラブの門戸を開いてもデメリットは無いと考えます。
posted at 03:15:36
もうひとつ(深夜までおつきあいいただき恐縮です)記者クラブが会見を独占している、というご批判は、一方で、限られたメディアにしか取材に応じない政府や省庁、企業は知る権利を侵害している、という批判にはならないのでしょうか、とも思います。民主政権では開放が進んでいますが。
posted at 03:20:26
もうひとつ(しつこくすみません)会見の全部ネット中継、あるいはアーカイブ化については、かぶんだけでは実現できないもので機会あるごとに提案しているところです。デジタル放送のサブチャンは実現性があるかどうか担当者に聞いてみます。
posted at 03:27:16
ちなみに東電には記者クラブがないので、マスメディア、フリー混在の熱い、時には迷走、の議論が交わされ、記者にとってはいい経験になっていると思います。ニコ動コメントには時々凹みしているようですが。
posted at 03:33:33
缶コーヒーを飲んでいたら、「クラブ記者、コーヒーなんか飲むな!」とコメントされたとか・・・orz
posted at 03:37:08
記者クラブ体制維持論があるとすると、今回の東電等の発表のように、主催者側が会見を仕切る、という動きはそのうち既得権益がおかされかねないとして記者クラブこそ反対しないといけないのでは、とも思います。
posted at 03:38:30
会見での質問が拙い、報道が知りたいことに答えていない、ということは記者クラブがどうという問題ではなく、私たち科学文化部の力量、取材姿勢へのご意見として受け止めます。今後ともぜひ具体的にご批判ご要望をブログにお寄せください。 http://bit.ly/hN3t2d
posted at 03:46:39
3時のおやつをすぎてしまい、みなさんおつきあいいただきまして有り難うございました。ではちょっと失礼しておやつの時間に・・・
posted at 03:48:08
太る前にもうひとつ思ったこと。東電の担当者は全ての会見を記録していますが、官邸のように内容を文字起こししてwebで公開するべきだと思います。ではおつかれさまです・・
posted at 03:53:23
-----------------------NHK科文 TL (引用終わり)
(3)伊藤公紀さん
「保安院・東電会見からIWJなどを締出す」件。早速出ました、日本の民主主義が幼稚な証拠。サンデル氏の「原発は日本の民主主義の試金石」が、政府に向けられたものと言うよりも、日本国民に向けられたものだとすれば、我々が何をすべきか真剣に考える必要がある。
posted at 23:47:58
IWJの件は、日本の民主主義が弱いという証拠が現われているのです。我々は抵抗しなければなりません。@masason @aim_co_ltd
posted at 00:55:47
-----------------------
<その後の経過 4-24 13:30現在>
@hatakezo 福島原発事故対策統合本部の定例会見。事前登録締切は本日正午。「参加可」との連絡がない人→ @uesugitakashi @tanakaryusaku @ogawahiro @syukan_kinyobi @yamebun @hatakezo #fpaj
posted at 13:13:08
@hatakezo 確認中。 RT @konotarogomame: 細野ごうし首相補佐官と話をしました。不安院にならないように、記者会見はフリーのジャーナリストにも開放されます。ただし、これまで全く報道の実績もない人はべつです。上杉さんも自由報道協会もOKです。細野さん、ありがとうございます。
posted at 13:14:39
@uesugitakashi 【要望なう】 細野豪志・東電事故対策統合本部事務局長殿 「共同記者会見」実施に関する要望。 自由報道協会。http://t.co/V4eH0L4 via @fpaj
posted at 14:31:23
-----------------------
@iwakamiyasumi 先ほど、上杉暫定代表と電話で話。現時点で、自由報道協会のメンバーは、フリーもネットも、全員、統合本部の会見に入れることに。我々IWJも、私以外のスタッフを含めて、会見参加が認められた。間違いなく、多くの方々が声を上げてくださったからだと思います。この場を借りて、御礼申し上げます。
posted at 20:51:39

2011-04-23

災害時の情報発信 NHKより

----------------------- (転載)-------------------------
2011年04月21日 (木)
時論公論 「災害時の情報発信」

大きな災害が起きた時、食べ物や水とともに必要とされるのが情報です。情報は、人々の命を守り、不安を解消します。今回の震災と原発事故、人々が必要とする情報、知りたい情報は、きちんと発信されたのでしょうか。
東京電力福島第一原子力発電所の事故では、おびただしい数の発表が行われました。しかし、それを聞いて当惑した人も少なくないでしょう。まず国の原子力安全・保安院の地震翌日の会見をお聞きください。
(原子力安全・保安院の会見3/12)
「ベントという作業を行いました。その結果、14時ころからドライウェルの圧力は急激に減少してまいりました。東京電力のモニタリングする車の計測値は、正門付近で13時40分に4.8マイクロシーベルト/H」
「ベント」「ドライウェル」「モニタリング」「マイクロシーベルト」
難しいカタカナがたくさん出てきます。この会見を一度聞いただけで、その意味するところを正確に理解できた人は果たして何人いたでしょうか。
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この会見の直後、福島第一原発の一号機は水素爆発を起こします。同じ日の午後6時から開かれた会見です。
(原子力安全・保安院の会見3/12)
「今、詳細について確認中です。情報を集めながら対応策を検討してまいりたい」
原発からは放射性物質の流出が続きました。深刻な事態にも関わらず、国の原子力安全・保安院が、住民に対し外出時の注意を呼び掛けたのは、地震の8日後、3月19日になってからのことでした。
▽徒歩よりは車で移動する。▽マスクを着用する。▽肌を出さないよう長袖のものを着る。
▽雨に濡れないようにする。
福島第一原発の半径20キロの圏内では、間もなく4月22日午前零時から立ち入り禁止の「警戒区域」が設定されます。であればなおさら、こうした住民の安全に直接関わる情報は、何をさておいても真っ先に伝えなければならなかったのではないでしょうか。
次に東京電力の対応を見てみます。3月12日の福島第一原発1号機に続いて、3月15日には、今度は2号機で爆発が起きます。その時の東京電力の会見をお聞きください。
(東京電力の会見 3/15)
「4種類、資料をお配りしていますが、圧力抑制室付近で異音が発生するとともに同室の圧力が低下しました。協力企業作業員および当社職員を一時的に同発電所の安全な場所などへ移動開始しました
こちらは、この時、東京電力が配布した資料です。タイトルは「職員の移動について」。
「爆発」、「退避」ではなく「移動」です。
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この時に限らず、東京電力は当初、「事故」という言葉を慎重に避け、「原子力災害対策特別措置法第15条第1項の規定に基づく特定事象」などと言い続けていました。なぜ「緊急事態」「重大事故」と言わなかったのか。深刻な事態と思われたくない、大したことはないと思わせたい。そんな意図があったと勘繰られても仕方ありません。
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ここまで国の原子力安全・保安院、そして東京電力の情報発信について見てきました。
ここで問われるのは、情報を発信する立場にある人が、誰に向かって、何を伝えようとしたのか。震災や原発事故によって被害や影響を受けている人達のことを念頭に置いていたのか。ということです。
今回の震災では、障害者や外国人など「情報弱者」と呼ばれる人達への情報発信でも課題を残しました。菅総理大臣や枝野官房長官の記者会見に手話通訳がつけられるようになったのは、地震の2日後、英語の同時通訳がついたのは5日経ってからのことでした。
地震の後、実に32の国が、東京にある大使館を一時閉鎖して関西などに拠点を移しました。最初の一週間だけで24万人の外国人が日本を離れました。中国、韓国、ロシアなどからは、
原発事故での日本政府の情報提供に不満の声があがりました。
海外に向けた情報発信も、特に初期の段階では十分ではありませんでした。ここでも、ただ外国語で情報を発信すれば良いという問題ではありません。相手が知りたがっている情報を、迅速に判り易く提供するという基本姿勢に欠けていたと言わざるを得ません
一方で、ツイッターなど新しいメディアを駆使して、効果的な情報発信を行った人達もいました
東京大学の早野龍五教授です。物理学者の立場からツイッターを通じて情報発信を続けています。「今現在、原発から風に乗って飛散している放射性物質はほとんどない」といった情報を、日本語と英語で発信し、15万人以上がアクセスしています。
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もうひとつ例を紹介しましょう。
「がんばろう!東北」と書かれたこの画面は、国土交通省東北地方整備局が、震災直後に設置した臨時掲示板です。
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当初、被災した市町村には通信手段がほとんどありませんでした。被災地に入った整備局の職員が持ち込んだ衛星通信設備を使って、市町村からの要望を毎日この掲示板に載せていったのです。
「必要な物資は、白米3万キロ、アルファ米、カップめん10万個...」
これは宮城県の石巻市からの要望、
「今ほしいもの、ソーセージ、ハム、玉子...」
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こちらは福島県の相馬市からの支援要請です。通信事情が悪い中で、被災した市町村からは、こうした切実な要望が続々と寄せられました。被災地から発信された情報を共有することで、物資の補給を円滑に行えるようにしたのです。実はこうした取り組みは、事前のマニュアルや災害対応計画にはありませんでした。東北地方整備局の担当者が現地のニーズを考えて独自に生み出したアイディアです。
新しいメディアや機材を使うだけが情報発信ではありません。こちらは気仙沼小学校に設けられた避難所で、地元の小学生が発行している壁新聞です。その名も「ファイト新聞」。
「夕ごはんにラーメンが出た」「電気、復活」「避難所での過ごし方、第一位はゴロゴロする」
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子供達が取材した記事からは、被災者を励ましたい、元気になってもらいたいという思いがひしひしと伝わってきます。
このように見てきますと、災害時の情報発信とは、どんな手段を使うのかということではなく、伝えたいという意思、情報の受け手に対する想像力があるかないかの問題だということに気付かされます。「命を救いたい」「被災者の役に立ちたい」という思いがあれば、情報はおのずと伝わりますし、逆にそれがなければ、どんな情報も説得力をもちません
「災害時の情報は、命を守るためのもの」この原点を、情報を発信する側も、そして情報を伝える我々メディアの側も、しっかりと肝に据えねばならないと思っています。
投稿者:出石 直 | 投稿時間:23:58
(転載終わり)-----------------------------------
NHK以外のメディア、特に地上波テレビは官邸・東電の情報を垂れ流すばかりかご用学者と一体となって安全神話捏造・広報を行ってきた。分かり易くかみ砕いて真実を伝える努力は見られず、確かな情報を流すべきメディアとして恥ずべき日々を過ごしてきたのではないかと疑っている。(民放は総計10時間も見ていないので確かなことは言えないが…)

(参考)ブログ内記事 リスクコミュニュケーションについて 小山真人教授

2011-04-22

Stop Rokkasyo の詞から (連ねて)ふくいちからの風

-----
でも考えてみよう
使用済み核燃料が
列島の隅々から護送され
六ヶ所村に集まってくるところを

いつも動かしてなきゃならないんだよ
国中の54基の原子炉が
眠ることなく、渇望を満たしているんだ
暖、涼、スピード、美への
そしてその欲求から生まれ出るゴミのすべてが
消えてなくなる魔法の力も世話してくれる

わたしたちは知っている
わたしたちは十分知っているのだ
六ヶ所村という解決法によって起こりうることを
わたしたちは知っている
この大地の
あああ海の
あああ空の
そしてその中に住む者すべての汚染は
取り返しがつかないのだと
少なくとも私たちが想像できるところまで-そして
その彼方まで

今のところはゴーサインらしい、
毒物の王子プルトニュウムへのゴーサインだ
崖っぷちにわたしたちは立っている
すべてはわからないけれど、でも十分、
向こう側になにがあるのかを知りながら

わたしたちは今立っている
起こりうる終末を知りながら

わたしたちは今立っている
その前、に
--SHINGO2--

------------------------(原歌ここまで)--------------------

(つづけて詠う ma
そして わたしたちは今立っている
311のその跡に
なのに わたしたちには何も見えてはいない

ひとびとの姿がきえた街並みに
いぬやねこやうしやぶたやにわとりや
そして津浪でなくなった人々のたましいが
汚染された土や水や空気のなかで
鎮められることもなく
漂っている その姿を
わたしたちのだれ一人
みようとはしない

ふくいちからの風が たえまなく吹く
311のその跡に    


2011-04-18

「SPEEDI」出力図 原子力委員会が無用にしたもの

まずはSPEEDIの出力図の概要を見てみる。

2005年版の出力画面(アウトプット)イメージを以下に掲載する。
単純な当初モデルからブラッシュアップされている。

主な改良点
(1)予測時間幅 33時間~43時間先 (当初:6時間先)
(2)処理時間     12時間      (当初:20時間)

図1
図2
図3(福島第2がモデル)
図4(福島第2がモデル)
このように原発事故が起き、原災法に基づく緊急対策本部(本部長=総理、副本部長=経産相)が立ちあげられると文科省によって第1段階緊急モニタリングが開始されると共にSPEEDIによる放射線被害予測図が作成される。(ことになっている)。
SPEEDIの端末システムは(避難等が実際に行われる)各自治体にも備わっているもので、本来なら同じデータを現地-オフサイトセンター(現地対策本部)-官邸対策本部がリアルに共有し、作戦展開に当たらなくてはならないものであった。
各自治体からは事故直後の避難行動が始った当初から、本部から情報及び指示がなかったと云う声が上がっており、情報の共有・伝達の面でのまずさが見られた。

(アウトプット画面について)
  1. 避難地区が具体的に集落単位にまで詳細に示される。瞬時に世帯数や対象人数まで把握できるようになっている。
  2. 屋内避難地区についても同様であ。
  3. 避難施設収容人数も把握できている。(警視庁、消防庁と連動しているかどうかは分からないが、道路標示も備わっていて、避難経路の指示や立入り制限検討にも役立てることができる。)
  4. (シミュレーションなのに具体的に楢葉町の名が記されていてドキッとする)
SPEEDIの予測で放射線放出の初期値をどのように設定するかについては、ある種の判断が介在せざるを得ない。今回の場合全電源喪失が報告された震災直後から原子炉溶融が予測されていたことが記録から判明しており(LINK)、その予測に基づいてチェルノブイル級の放出量をみこんだ最悪シナリオなどの幾つかのシナリオが用意されて避難地区決定がなされているべきだったと思える。

SPEEDIについては当ブログ別頁の「SPEEDIと米国チームの実測図」LINKも参考にしてください。
 (資料:財団法人原子力安全技術センター資料 LINK
------------------------------------- 
(追記 4-19-0:32)
2回目に公表された積算量試算図 クリックで拡大
2011/04/18 19:43   【共同通信】
放射性物質の拡散を予測する国の「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」で、福島第1原発事故後に2千枚以上の拡散試算図が作成されていたことが18日、分かった。SPEEDIは原発事故時の避難対策などに活用することになっているが、所管する原子力安全委員会が公表したのはわずか2枚だけ。

開発、運用には約128億円の予算が投じられたが“本番”でほとんど使われず、国の情報発信の姿勢や防災計画の実効性が問われそうだ。(引用終わり)
------------------------------

@hayano (財)原子力安全技術センター http://bit.ly/i9ahK0 が,3/16付で「SPEEDIは現在も継続して活用されている」「テレメータからのデータが無くても緊急時には拡散予測可能」とリリースを出していた... http://bit.ly/heVesr
posted at 17:31:20 03-23

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4/7 NISA
4/12 ISRN
米国チームによる空中測定及び地上測定データにより米エネルギー省を通して、計測された情報が一部公開されている。また、フランスの機関IRSNがそれらのデータを用いて年間の推定被曝量を示した地図を公開したりしている。
日本国内で起こった事故であるにも関わらず、米国はじめ他国の方がより詳細で有益な情報を持っており、公開している。原子力安全委員会の無様さには言葉もない。しかし安全委員会だけでなく当事者の東電ほか官邸及び政府諸機関へのマスコミの追究姿勢の甘さもまた噴飯ものだ。このような事情も知らない国民は、…。

2011-04-17

日本の迅速な意思決定課題 ヒラリークリントン国務長官

日本の迅速な意思決定課題=原発予断許さず対応協議
2011年04月16日 【ワシントン時事】東日本大震災の支援で、米軍艦船を使った大規模な救援活動から福島第1原発対処にシフトしたことを踏まえ、被災地支援「トモダチ作戦」の指揮権は15日までに太平洋艦隊司令官から在日米軍司令官に移った。日米は原発の事態が予断を許さないとの認識で一致しており、原子炉冷却対策とともに住民の大規模避難にも対応できるよう協議している。米側が求める日本の迅速な意思決定が課題となる。
クリントン国務長官は17日の訪日の際、ルース駐日大使や派遣中の原子力規制委員会(NRC)チームから福島原発対策の現状や課題について報告を受けるとみられる。
震災直後の米側の立ち上がりは早かった。NRCは震災が起きた3月11日に専門家2人の在日米大使館への派遣を決定。同14日までにNRC職員計11人を日本に送り込んだことからも、早くから福島原発に危機感を抱いていたことが分かる。NRCは「チーム派遣の焦点は日本政府を技術的に支援することにあった」としている。
日米政府筋によると、米政権は全省庁に指示し、支援リストを提示させた。ゲーツ国防長官は「トモダチ作戦」の予算枠を当初の3500万ドルから8000万ドルまで引き上げ、横田基地(東京)や三沢基地(青森県)を集積拠点に、日本側に迅速に提供する態勢を整えた。
しかし、米側が支援リストを提示しても日本側は東京電力や官邸が受け入れを決断するまでに時間がかかり、オバマ政権をいら立たせた。米政府筋は「情報不足に加え、先進国の親密な同盟国であるがゆえ、日本主導の原発対策に配慮しなければならない難しさもあった」と振り返る。
[時事通信社]
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やさしいヒラリー
manomasumi:この記事で、注目しているところは「福島原発対策の現状や課題についての報告を受けると見られる」と云う個所。いままであれだけ出し渋っていた東電が工程表を公開した。クリントンの訪日とシンクロしている。東電や官邸が会見でぐだぐだ述べている言葉はあくまで国内でしか通じない空虚な言葉の羅列で、クリントンには通じるはずもない。クリントン訪日に合わせて報告を上げなければならないルースやNRC、DOEのチームは東電・経産省に思いっきり圧力を加えたはずである。ヒラリーの睨みにすくまない日本のエスタブリッシュメントはいない。
国内で流通する論理はなんと内向きで合理性に欠けるのだろう。そのことにどうして人々は気付かないんだろう。未曾有の事象を前にして、前例を踏襲するばかりで、泥まんじゅうを捏ね上げるような対策では、未来を拓けるはずもないのに。
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「米国は、東電の事故収束への工程表の妥当性を分析する。」昼過ぎに来日し夕刻には離日。滞在5時間、韓国には17時間。日本は軽くなりにけり。RT:東京新聞:日米、原発収拾へ連携確認 日本必ず回復と国務長官 :政治(TOKYO Web): http://bit.ly/gU0yUz via @addthis
posted at 00:20:28 11-04-18

放射線モニタリングを携帯に--システムはとっくの昔に

(バカなことを呟いたときに一斉に)官庁情報は情報の宝庫だと上杉さんや岩上さん畠山さんが呟いてくれたが、それ以後なるほどと思うことばかり。
資料を浅く掘っただけだけれど、環境モニタリングデータを携帯に知らせるのなんて、朝飯前だと云うことが分かる資料を偶然見つけた。
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/kanhou_shishin/kanhou_shishin003/siryo3-5.pdf

主要なところにモニタリングポストをおいて、どこかで集約して放射線情報を流す、アメダスにも似た、でも気象庁よりずっとデザイン的にも美しいサイトなんかいくらでもつくれると思う。ガイガーカウンターを一人一人が持つのも悪くはないが、測定には正確性の問題があるし、こっちの方が優れていると思う。

放射線データへのアクセスが様々な面でもどかしい。Googleみたいにスピーディーに構築してもらいたい。物理クラスターはあまりに遠慮がちだし、社会的責任の分野へ一歩踏み出せないでもいる。

東電提供 T-HAWK映像

意外にみんな見てないのでアップしてみました。

東電提供の画像です。
私は地図と具体的な画像がどうやら好きみたい、と自己認識が1つ増えました。

2011-04-14

東北地震は想定外ではない 東大大学院大学ゲラー教授

Shake-up time for Japanese seismology
Robert J. Geller
Nature (2011) doi:10.1038/nature10105
Published online 13 April 2011
Link:http://diigo.com/0go66  抄訳:manomasumi


1)日本政府は地震予知が信頼できるレベルにはないことを認めるべきだ。
2)人々をミスリードする言葉である「東海地震」は止めるべき。
3)1978「大規模地震対策特別措置法」は廃止すべきだ。

流布されているハザードマップ(確率的地震予測地図)は間違ったパラメーターを使っている。

今まで一般的に理解されている仮説的シナリオによれば最も危険なゾーンは「東海・東南海・南海」とされている。しかし1979年以来実際に大きな災害に見舞われたのは比較的確度が低いとされてきた地点に起こっている。

(今回の311東北沖大地震は、最も確率が低いとされていた県庁所在地を襲っている…以下括弧内は訳者挿入)
これから分かることはハザードマップやその元になった手法は不完全で使えないものだということだ。

もしグローバルな地震学や東北の歴史的記録が考慮されていれば、時間や地震中心やマグニチュウドが特定されないとしても一般的な意味で「311東北地震は」想定内の事柄だった。

「東海地震」は最も危険度が高いとされた1975年から既に30年以上経つがまだ起こっていない。「地震の空白域仮説」は現実のテストによって反証された。キャッチアッププロセスは定期的にも周期的にも起こらないことを今では私たちは分かっている。

マスコミによっても「東海地震」はあたかも現実のもののように取り扱われてきた。このような宣伝によって東海地震は時計の針が<マグニチュード8>に向かって動いているように確実なものであるかのように人々を信じ込ませてきた。

70年代には既に地震前駆現象によって地震予知が可能であるという仮説ブームは死に絶えた
日本では東海地震が予知可能な地震とされているように見えるが、根拠がない。

(有害で無益な気象庁から学界、マスコミを含む地震予知システムがどうして30年以上にわたり維持されてきたのか)
①研究者達が色んな形で共同作業をしている。財政的や同じ学界に属しているとか)②政府の決定は形式的に審議されているが、そのメンバーは官僚の指名で占められている③論理的な批判はマスコミに無視され取り上げられない。④科学的な知識のないレポーターを通じて政府見解が記者クラブ制度によって直接メディアに流される。⑤東海地震予知に法的な拘束力があると主張できること。

今や人々に対しフランクに①地震は予知できるものではないこと②東海予知システムはスクラップすべきこと③大規模地震対策特別措置法」は廃止すべきことを知らせるべき時なのだ。日本の全ての地域が地震のリスクにさらされており現在の地震学では特定地域の地震予知はできない。
Robert J. Geller is in the Department of Earth and Planetary Science, Graduate School of Science, University of Tokyo, Tokyo 113-0033, Japan.著者は東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻教授(初稿では地震学としていたので訂正します)
*その後ご本人の訳でNature アジア版 「日本の地震学 改革の時」が公開されています。ご本人の訳なのでそちらが正しいのは100%ですが、あえて訳は初稿のまま訂正しないで残しておきます。(23:20)

------------------------------------------------------
(ここでも、原子力村と同じ相似形のシステムが現れる。官僚(気象庁)・学界・マスコミ・業界一体の日本的エスタブリッシュメントシステム=既得権益グループ。ここでは地震予知ムラとでも云っておくべきか。防災が重要なだけに特定のムラに食い物にされて歪められるのもまた相似だ)

2011-04-13

INESレベル7について(英語) - 12 April 2011

--------------------------------------- BBC News 
12 April last updated 11:09
In some quarters, Japan's swift decision to establish an exclusion zone, initiate monitoring of people and food, and dispense iodine tablets has received praise - and the volume of advice and warnings issued to the public has been very different from the silence that pertained after Chernobyl, despite criticisms from other quarters over the quality and timing of some of the Japanese advice.
Not spent
Nuclear experts are cautioning, however, that the situation at Fukushima is still very much in play.
Where most attention has centred on reactors 1, 2 and 3, there is also concern about the spent fuel pond in reactor building 4.
In the week following the tsunami, it became clear that the pond was running dry, meaning that fuel rods would have heated up.
This meant likely degradation of their zirconium alloy cladding, the possible release of hydrogen, and - by Tepco's admission - the risk that a nuclear chain reaction could begin.
"The potential for atmospheric release is very large, with 250 tonnes of material sitting in that pond," said Dr Large.
"If you were to have an energetic event you could have a very large release indeed."
The priority is, as it has been all along, to restore adequate coolant to the fuel ponds and the reactors themselves - while hoping that earthquake aftershocks and bad weather do not hamper operations any more.

12 April 2011 Last updated at 11:09 GMT BBC


------------------------------------------------------------ AP News
AP 12 April
Questions and answers: Japan, Chernobyl disasters
Q. So is Japan's crisis as bad as Chernobyl's?
A. Not yet. Chernobyl was a fast-moving crisis. A routine shutdown went awry, causing a reactor to overheat, explode and burn. For 10 days, the reactor spewed high levels of radiation into the air and only cooled after helicopters dropped sand, clay, lead and other materials on it. By contrast, Fukushima crisis has been a slow cascade of problems over a month. Explosions occurred at three of Fukushima's reactors and one may be leaking. But the two plants' reactor designs are different. Unlike Chernobyl's reactors, Fukushima's have pressure vessels of steel six inches (15 centimeters) thick that may have helped contain the damage.

Q. Then why the same severity level rating?
A. The IAEA defines a level-7 accident as one in which a large amount of radiation is released into the atmosphere, likely harming human health and damaging the environment over the long-term. That threshold is set at several tens of thousands of terabecquerels - a unit of radiation - of iodine-131, a radioactive element commonly released in nuclear accidents. Leaks at both plants have exceeded that limit, but the Japanese government says Fukushima's are still one-tenth of those released by Chernobyl. The possibility Fukushima's emissions could surpass Chernobyl's is considered small, but still a risk until Fukushima's cooling systems are restored.
----------------------------------------------------------------

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2011-04-12

レベル7に引上げたことに関する官邸のTweet

Kantei_Saigai
7:33pm via Web 
【福島第一原発】
①事故の暫定的評価が、最悪の「レベル7」と保安院から発表されましたが、これは新たな事態発生を意味しません。今までの解析結果や放射性物質測定値から逆算して事故現場の放出量を推定したもので、レベル7に「なった」のでなく「であることがわかった」のが正確なところです。
②今回の事故発生以来の放射性物質の総放出量は、現時点でチェルノブイリ事故の約10分の1。「チェルノブイリ並みの事故」とは言えません。ただ、国際原子力事故評価尺度ではレベル分けが7段階しかないため、福島も、その10倍のチェルノブイリも同じランクに入ります。
③同じレベル7でもチェルノブイリでは原子炉が爆発し、大規模な火元から多量の放射性物質が拡散。福島では、原子炉自体でなくその外での水素爆発。大規模・継続的な火元は無し。ただ、持続的な放出なので、放出が止まるまで積算量の継続的監視・計画的対応は必要です。
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この期に及んで形式的にチェルノブイリと違うと言い張るこの強弁を聞いていると沸々と怒りがこみ上げてくる。チェルノブイリ級の事故が起きているにもかかわらず、メルトダウンも格納容器破損も水素爆発もなんら被害をもたらすものでないかのように装い「ただちに健康に影響の無いレベルだ」と繰り返し繰り返し、事故レベルをあたかも被害の少なかったスリーマイルより小さいものであると国民を欺き続けるこの政府を許せない。枝野を許せない。管をゆるせない。

2011-04-10

原子力村のたそがれ 原子力から自然エネルギーへ

発電量増加は風力と太陽で担われている
太陽光発電技術や太陽発電パネル生産で日本が先頭を走っているというのは全くの幻想だと云うことに気付いていない人は多い。ここ10数年日本が足踏みしている間に世界のエネルギー供給の様相は変わってしまった。日本では、原子力抜きのエネルギー供給は現実的ではないと思い込んでいる人が大半だが、既にこの考え方は世界では過去のものだ。
太陽光発電のコストは著しく下がっている
発電コストにおいて太陽光発電と原子力発電は2010年時点で等しくなり、逆転した。コスト差はこれから益々広がっていく。世界では持続的に再生可能なエネルギーに重点を置いた代替電力供給の開発が急ピッチで進んでいる。(参考*事故前から最も割高な原発-発電コスト比較-大島堅一・立命館大教授 毎日新聞4/3「国家財政投入資金を考慮に入れた「総単価」を電源別にみると、①原子力10.68円▽②火力9.90円▽③水力7.26円。(一般水力3.98円、揚水53.14円)となる。但し「原子力+揚水」では12.23円。」)

無計画停電でも騒がれているとおり、電力消費は季節変動が大きく8月に訪れる電力消費のピークが乗り切れるか心配されている。        発電力の変動が大きいイメージがある新エネルギーに頼って、そのピークが乗り切れるのか心配にもなる。ところが東電の販売電力量の1/3もの規模があるノースカロライナ州で近年行われた大規模実験によって風力と太陽光による代替発電に頼っても、電力需要ピークを迎える夏の7月や寒い1月でも十分まかなえることが証明されている。

危険な原子力に投じられようとしている税金や資金を新しいエネルギーへの転換に集中的に振り向けることによって日本はもう一度エネルギー産業の先端に立つことも可能なのだ。
失われた20年の中で、政治パワーを持つ財界・学界・政界そして第4の権力マスコミという既得権益グループ=原子力村の利権のために新エネルギーへの転換が抑制され、私たちに約束されていたはずの未来の芽を摘み取られてきたのだ。(緊急エネルギー投資戦略 参考2)
日経の記事に見られるように、日本に技術力はある。無いのは戦略的思考と原子力村を打破する政治力である。
-------------------------Nikkei
日経:代替エネルギー関連の特許、日本が世界の55%を占め圧勝
2010/10/25
WPO(World Intellectual Property Organization)報告書によると、代替エネルギーに関する日本の特許(日本で出願された特許の数)は世界の中で55%を占めている(図1)。太陽光発電に至っては68%にもなっており、代替エネルギーに関する日本での技術開発が盛んなことが特許の面から分析できる。
日本は55%米国20%欧州9%

ところが問題は、これらの技術が「世界の投資に結びついていない」(菅谷氏)ことである。世界のエネルギー関連投資を国別に分析すると日本は世界の20分の1の5%にすぎず、55%も占める特許を生かせているとは言い難い状況だ。
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素直に現実を見つめよう。マスコミによって作られてきた歪んだ思考の枠組みに囚われていては未来が見えない。

そしてついでに、無計画停電の日々に原子力発電の必要性が声高に叫ばれたが、それは根拠のないでたらめであったことを示しておこう。東京電力がデータ改竄、隠蔽したことにより17基全ての原子炉が停止させられた2002年、東京電力は翌年の夏のピークもちゃんと乗り切っている実績がある。政府・東電のウソつき隠蔽体質の証左だ。そしてテレビをはじめマスコミもいつも通りウソの上塗りに励んでいる。
エネルギー白書2004年版
参考
(1)岩波書店「世界」2011年1月号
米・仏・独のエネルギー政策分析から浮かび上がる
               再生可能エネルギーの優位性
- マイケル・シュナイダー 田窪雅文訳 -
(2)311後の原子力エネルギー政策の方向性 飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)(SMC:サイエンス・メディア・センター 2011/04/08)http://smc-japan.org/?p=1657
(3)代替発電方法いろいろ NAVERまとめ

2011-04-09

坂本龍一氏・河野太郎氏への原子力村からの抗議文 

株式会社 講談社 殿
貴社出版物「ロッカショ」に対する抗議文(抄出)
http://www.engy-sqr.com/media_open/others/rokkasho_kougi080303.htm
2008年3月3日

エネルギー戦略研究会(EEE会議)
有志会員 (個人名は末尾に列記)

貴社出版による坂本龍一氏他の「ロッカショ: 2万4000年後の地球へのメッセージ」
「ロッカショ」の内容については以下のように事実誤認を確認し、問題点を提起します。
「ロッカショ」の問題点
I. 坂本龍一氏の発言部分
「2006年3月くらいに見た、グリーンピースのサイトかな。『1日で通常の原発の1年分』という情報を見てしまった。」 P.32

<objection>つまり、自然放射能の1/100以下のものを坂本氏は問題にされていることになる。同氏が本気でそうおっしゃるなら、同氏は自然界では生きて行けないことになろう。

「プルトニウムはまさに核兵器の原料ですから、そちらへいつでも転用できるという懸念です。」P.37 「1年間で8,000キログラムのプルトニウムが生産される予定ですが、日本はすでに国内外に43トンものプルトニウムを保有しています。」P.52

<objection>我国が所有しているプルトニウムは総て発電を目的としたもので、目的の不明確なプルトニウムは所有していない。現在所有している43トンのプルトニウムの大半は英仏に預かってもらっているものであり、日本の施設に受け入れたものは厳格なIAEAの査察下に置かれ、処理されている。

「今、ニューヨークの自宅は100%風力発電なんです。それまではケチケチ電気を使っていたのが、今はジャブジャブ使っています」P.43

<objection>ニューヨークのご自宅は電力会社の電線と完全に遮断されているのですか? 若し、地元電力会社からの電力に頼っているのであれば、ニューヨークの電力会社は主に石炭火力による電力を供給しているのである。ロングアイランドなどにある風力発電から供給されたものと見做す「グリーン電力購入システム」を利用しているのかもしれないが、実際には電気を使えば、使うほど電力会社は石炭を焚き増す必要がある。

「放射能の被害はたいしたことないという人には、だったら三陸の魚を食べてもらおうと思う。六ヶ所のトマトを食べてください、と言いたい。あなたの子供と一緒に」P.44

<objection>非常に挑発的、情緒的な発言である。再処理工場から放出される放射能による住民の放射線量は上述のごとく0.022ミリシーベルト/年に上限を定められており、これは再処理工場近辺の穀物、野菜、魚介類を食べている前提で算出されたものである。また自然放射能による被曝線量(2.4ミリシーベルト)と比べて1/100以下である。過去に「所沢市のほうれん草がダイオキシンに汚染されている」と報道した久米宏氏の番組で放送局は後に謝罪を行ったが、それ以上の風評被害をもたらす内容で地元住民と共に厳しく抗議したい。勿論、我々は喜んで六ヶ所のトマトも三陸の魚も子供と一緒に食べると申し上げる。

II. 掲載資料の部分
(原子力資料情報室の資料をベースにした放射能放出量と一般人の年間摂取限度との比較)P.67

<objection>例えば、「海洋放出の元素として「トリチウム」は一般人の年間摂取限度の3億2,000万倍」という誇張した数字を出している。

<objection>これは年間放出量を1人の個人が全部吸収したと仮定した場合の計算と思われるが、そんなことが起こる可能性はありえない。希釈された海洋水中に含まれるトリチウム濃度が放出前(あるいは周囲)の海水のトリチウム濃度と比較してどうであるか、また自然放射能に比べて、人間に対する影響という意味で有意の差があるかを見るべきであろう。いずれにしても安全審査で設定されている周辺住民に与える線量の上限(0.022ミリシーベルト/年)をはるかに下回る線量にしか寄与しないものであり、それは自然放射能線量の100の1を大幅に下回るものと言えよう。数字を一人歩きさせるための仮定としかいいようがない。

同じく原子力資料情報室の資料として「六ヶ所再処理工場で事故が起ったら」を参照し、「燃料貯蔵プールに3,000トンが貯蔵されている状態で、内蔵する放射能のうちの1%、30トン分の放射能が環境中に放出された場合、半数致死線量の3シーベルトの影響が及ぶ範囲は134.4キロメートル、急性障害を引起す250ミリシーベルトの影響範囲は691.1キロメートル、東京23区にも被害が及びます」とある。P.69(福島原発の核燃料については脚注参照*)

<objection>ここでいう想定は貯蔵プールの臨界爆発事故が起こり燃料が飛散した場合を想定したか、航空機の墜落事故を想定したものか、全くの仮想と思われる。貯蔵プールは、水が漏洩すればより臨界になりにくくなる。また、航空機の墜落に対しても耐えられるよう建物が設計されている。 

(高レベル廃棄物についての記述) P.70

「ガラス固化体1本に含まれる死の灰は広島原爆30発分にも相当するため、側に立っているだけで30秒以内に致死量に達するだけの放射線を浴びてしまうほど、非常に危険なものなのです。」「管理しなくてはならないゴミの容量はむしろ増加するのです。」

<objection>ガラス固化体は十分な放射線防護を施した容器に封入され、十分な遮蔽を施して保管されている。六ヶ所村工場内にある高レベル・ガラス固化体の貯蔵施設では、2mのコンクリート遮蔽が施されており、貯蔵庫の真上に人間が立ってもなんら問題はない。

再処理したためゴミの量が増加するという主張であるが、使用済燃料をそのまま処分するとしたら、ガラス固化する場合に比べて高レベル廃棄物の容量が約5倍になることを認識いただきたい。再処理によって高レベル廃棄物の量は大幅に減るのである。また再処理工程で発生する低レベル廃棄物は仮に容量が増えてもその浅地処分は容易である。

(世界の安全保障を揺るがす再処理工場)

「エルバラダイ事務局長は、最終的にはプルトニウムも高濃縮ウランも、まったく持たないというのが進むべき方向だとコメントしている。」P.72

<objection>全くの誤解。エルバラダイ事務局長は原子力平和利用を推進しており、ウラン濃縮や再処理を地域ごとに進める国際核燃料センターの創設が望ましいと提唱している。

III. 河野太郎議員の発言部分

「当初7,000億円ぐらいで建てることになっていたのに、最終的には2兆1,000億円もかかりました。そういうことを考えると、「大本営発表」は総コスト19兆円ということになっていますが、最終的には60兆円近い金額になるかもしれません。消費税が何%も上ったのと同じくらいの国民負担になります。」 P.77

<objection>再処理の総コスト見通しは11兆円である。運営費を含めて30年間のコストを対象としているものを、それが建設費と同じ割合で膨張するとするのは余りにも暴論と言えよう。また再処理費は税金ではなく、電気代金の一部として受益者が負担することを認識していただきたい。

<objection>さらに、原子力発電コストは再処理費用や廃棄物処理費、廃止炉費用等を全部加算しても他の電源に比較して一番安いことは、石油価格が27.41$/バレルであった平成16年の経済産業省の電気事業分科会コスト検討小委の検討結果で確認されていることを申し添えたい。

「再処理にこんなお金をかけるならば、その何分の一かを自然エネルギーの開発に使ったらどうかという議論に、きっとなると思うのです。何が起きているのか何も知らされず、何の議論もなく、ただコストを黙って負担するのは、ちょっとおかしいですね。」 P.77

<objection>使用済み燃料の再処理コストは電力コストに含まれている。その上で、一番経済的な電力となっている。電気代と税負担とを混同してはならない。自然エネルギーは「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エネルギー法)」で保護されていて、電力会社は市場価格を上回る料金を支払い、風力、太陽光発電による電力を買取っている。再処理と自然エネルギーが投資面でバッテイングするものではない。

「今、使い道のないプルトニウムを作り出すことに多額のお金を掛ける必要はありません。そして、プルトニウムはテロリストにも狙われる可能性があるということも考えなければなりません。」、「しかも、プルサーマルを運転しても、ウラン燃料が1割節約できるだけです。ウラン燃料を節約するために、こんな莫大なお金をかけるならば、ウランそのものをそのお金で買って備蓄しておいたほうが、よっぽど効率的です。」、「日本が保有するプルトニウムが43トンもあって、そのプルトニウムすら使い道がないのに、毎年新しくプルトニウムを8トンずつ作っていくということは、誰が考えても可笑しな話だし、これに19兆円から60兆円近くの負担が国民にのしかかってくるということを知ったら、賛成する人は誰もいないでしょう。」 P.78-80

<objection>将来の化石燃料枯渇に備え、地球温暖化防止の切り札として原子力発電を利用して行くという根本的なところを理解いただく必要があろう。ウラン資源の有効利用のためにも、軽水炉の次には現在国際協力プログラムで開発を進めている高速増殖炉(第4世代原子炉)の導入が強く望まれており、高速増殖炉の運転にはプルトニウムが必要になる。従って、高速増殖炉の開発に合わせプルトニウムを準備していく必要がある(例えば我国で20-30基の高速増殖炉導入を図るには300-450トンのプルトニウムが必要)。 また現在電力会社が進めているMOX燃料利用はこの高速増殖炉の燃料を準備するために不可欠なものである。すなわちMOX燃料は1回燃やすだけでなく、その使用済燃料を貯蔵しておいて、将来再処理すればウラン燃料の約5倍のプルトニウムを回収できる。つまり将来必要な量のプルトニウムを確保するためには、六ヶ所村での再処理とMOX燃料の製造およびその利用がどうしても必要となるのである。プルトニウムを高速増殖炉で再利用することにより原子力発電の経済性が増大し、化石燃料の枯渇に対処できることを十分理解してもらいたい。

再生可能エネルギーに関する産業を盛り立てて、それを次の日本の基幹産業にして、海外に輸出しようと考える方が、僕は日本の将来のためになると思うんですよ。それを、原子力が大事なあまり、自然エネルギーを押さえ込んできたから、むしろヨーロッパの企業が頑張っている状況になっている。」 P.85

<objection>日本は太陽電池では世界一の生産国であり、風力発電機の製造・輸出も盛んである。十分世界をリードしていると言える。

<objection>自然エネルギーは間歇的なエネルギー源であって、例えば日本の自然環境下では風力発電の稼働率は20%以下であり、常にバックアップ発電容量を必要とすること、送配電グリッドに組み込むには電圧、周波数維持の面から限度がある(例:10-20%)ことを認識する必要があろう。将来自然エネルギーで全てを賄いたいというのは1つの夢ではあろうが、エネルギー密度が低いため多大の敷地面積を必要とし、利用には限度があることを認識いただきたい。

「原発が耐用年数に達した順に廃炉にできるよう、天然ガスに少しずつシフトして行く。こうしながら、とにかく全力で再生可能エネルギーに投資して、研究開発をやっていきましょう。」 P.86

<objection>天然ガスも化石燃料であり、石油に続いて生産ピークが来るのは自明である。冒頭で参照したように、シェル石油の社長は2015年にはガスも生産ピークを迎えると予想している。石油・ガスのピーク後はますます化石燃料の価格が上ることが予想され、各国間の獲り合いになって来よう。天然ガス依存はエネルギー安全保障上の対策にはなり得ないのではないか。また上述のように自然エネルギーも電力グリッドの中で収容できる限度があるということを認識してもらう必要があろう。

IV. 多数のアーテイストの発言(P.96-117)

<objection>共通しているのは感情に訴えようとしているところにあるが、これに対する一番的確な説明は、自然にも放射能があるということであり、それによって人類は健康を保ってきたこと、そして原子力発電所および再処理工場による放射能が自然放射能に比べて非常に小さなものであること、世界で450基近い原子炉が運転されているが、チェルノブイル原子力発電所の事故を除いては、周辺住民の放射線被害は報告されていないことなどを知ってもらうことであろう(本書に報告されているラ・アーグ市の例(小児白血病発生率2.8倍)は母集団が小さすぎることによる統計上の誤差範囲と考えられる。同じ資料で隣接地区では0.8倍となっている)。

以上
この抗議文の賛同者
池亀 亮   元東京電力副社長 
伊藤 睦   元東芝原子力事業部長、元東芝プラント社長 
石井 亨   元三菱重工(株)
小川博巳   エネルギーネット代表、元東芝 
小野章昌   元三井物産
金氏 顕   三菱重工業(株)特別顧問、原子力シニアネットワーク代表幹事
金子熊夫   エネルギー戦略研究会会長(EEE会議代表)、元東海大学教授
金子正人   放射線影響協会 顧問
黒川明夫   ISO品質主任審査員
小泉陽大   六ヶ所第一中学校PTA会長
斎藤 修    元放射線影響協会 常務理事
齋藤健彌   元東芝 燃料サイクル部長
齋藤伸三   前原子力委員会委員長代理、元日本原子力研究所理事長
佐藤祥次   元NUPEC特任顧問
柴山哲男   (株)クリハラント、元三菱原子力工業(株)
白山新平   関東学院大学 人間環境学部教授、工学博士 
副島忠邦   (株)国際広報企画 代表取締役
竹内哲夫   前原子力委員、元日本原燃社長、元東京電力副社長
種市治雄   六ヶ所村在住 会社役員
辻 萬亀雄  元兼松株式会社
中神靖雄   三菱重工業(株) 特別顧問
橋本 貢   六ヶ所村在住 会社役員
橋本 竜   六ヶ所村商工会青年部 部長 
林 勉    エネルギー問題に発言する会代表幹事、元日立製作所理事・原子力事業部長
藤井晴雄  元四国電力原子燃料部、元海外電力調査会調査部主管研究員       
益田恭尚  元東芝首席技監  
松岡 強   元(株)エナジス社長
松永一郎  エネルギー問題研究・普及会 代表
三島 毅   日本原燃(株)燃料製造部 部長  
武藤 正   元動燃事業団 
以上30名
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(manomasumi)
(1)原子力村は莫大な資金力で安心・安全幻想を振りまく為に①テレビなどの媒体広告②言論人への間接的資金提供③新聞社幹部・記者などへの接待③大学や学会への研究費提供などに加え、ご丁寧にこのように本や番組、人に対して抗議を行ってきた。
(2)*本文への注:福島第1 炉心内燃料 合計 257トン 1号炉 69t 2号炉 94 3号炉 94t
使用済燃料 合計 468トン(1集合体172kgとして計算…未確認)1~4号炉 
(3)今となっては抗議文がいかに根拠がないか明白だけれど、教授(坂本さん)や河野太郎代議士やCNIC(原子力情報室)の主張がいかがわしいものであるかのように取り扱われてきた。時代に先駆ける少数者の主張は、こうした事態でもない限り多数の人々に受入れられないのはどうしてなんだろうか。