2011-04-07

原子力安全委員会 臨時会議は5分間

原子力事故が起こった時に立ちあげられる原子力緊急災害対策本部(本部長総理)に対して情報提供と技術的助言を行う役割を負っている「原子力安全委員会」は、実際はどのような動きをしたのか公表資料で追いかけてみた

震災直後の午後4時には開催されてた臨時会議は、その後14日、17日と開催されるのだが、3回の会議時間は、各々ぴたりと5分間!配付資料無し!これをなんと表現すればよいのか言葉がない。

菅官邸は、法に規定された組織を動かすことをせず行き当たりばったりに次々と臨時のアドバイザーを指名する。(朝日新聞4/5掲載*1)政治主導とか関係省庁との連絡不足と云ったレベルではない。小学生のサッカーと云えば小学生に叱られるぐらいの組織力の無さ、コントロールの無さである。菅官邸の組織無視の場当り的無政府状態はあらゆる場面で現れている。

さて、原子力安全委員会は、直接東電を規制する役割を担う、一躍有名になった広報官が所属する原子力安全・保安院を監視することになっている。専門家5人と100人もの事務局員を抱えた独立的組織だ。

彼らが保安院から正式な報告を受取ったとのはなんと4月4日だと朝日新聞は云う。

3月25日に開かれた原子力安全委員会の臨時会議には初めて配付資料が示され議事録が添付されている。その会議は昼直前からの26分間開かれたと記されている。

これが菅官邸が動かしている緊急事態における組織運営の実態だ。多臓器不全ならぬ多組織不全とでも云うべきか。
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原子力安全委員会開催記録(公式文書より)
3月11日 第16回臨時会議 http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan016/
議題
(1)平成23年3月11日(金)午後発生の地震について
(2)その他
配付資料
(1)なし
議事概要 午後4時00分開会 午後4時05分閉会  4/1掲載
3月14日 第17回臨時会議 http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan017/
議題
(1)緊急の場合における実用発電用原子炉に関する線量等の告示について
(2)その他
配付資料
(1)なし
議事概要 午後3時30分開会 午後3時35分閉会  4/5掲載
3月17日 第18回臨時会議 http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan018/
議題
(1)緊急の場合における実用発電用原子炉に関する線量等の告示について
(2)その他
配付資料
(1)なし
議事概要 午後6時45分開会 午後6時50分閉会  4/5掲載
緊急の場合における実用発電用原子炉に関する線量等の告示について、原子力安全・保安院より連絡があり、事務局から報告が行われた。
3月25日 第19回臨時会議 http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan019/
議題
(1)緊急時モニタリング及び防護対策に関する助言について
(2)緊急時モニタリングデータに基づく線量評価方法について(提言)
(3)「環境モニタリングの結果」に対する原子力安全委員会による評価結果の公表について
(4)その他
配付資料
(1)緊急時モニタリング及び防護対策に関する助言について
(2)緊急時モニタリングデータに基づく線量評価方法について(提言)
(3)「環境モニタリングの結果」に対する原子力安全委員会による評価結果の公表について
(参考) 原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について
議事概要 午前11時46分開会 午後0時12分閉会  4/5掲載
○班目委員長 それでは、だいまから第19回原子力安全委員会臨時会議を開
催いたします。以下略(重箱の隅をつつく話が綴られているばかり) 資料 
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原災法に規定される原子力安全委員会の役割
(1)緊急事態応急対策の実施に関する技術的事項については、原子力災害対策本部長に対する原子力安全委員会の助言等を明確に位置付ける(第20条第6項)とともに、機動的に対応し得る専門家として同委員会に緊急事態応急対策調査委員を設ける(附則第8条)ことにより一層の体制強化を図ることとしている。

(2)原子力安全委員会による資料や情報の提供などといった都道府県防災会議や市町村防災会議に対する協力を明確化(第28条第1項)しており、これらを通じて日頃から国と地方公共団体との連携が図られるようにした。

<*1>【朝日新聞】姿見えぬ原子力安全委 事故時の助言役、果たせず - 東日本大震災 | Diigo

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