2012-04-30

橋下改革は、新自由主義そのもの

「社会的格差拡大、1%への富の集中、中間所得層の崩壊、非正規雇用拡大・貧困層・失業率の増大」をもたらしている新自由主義経済政策。21世紀最初の十年は新自由主義経済が全世界的に爛熟し、展開している時代だ。

新自由主義経済が目指す、3つの特徴。
①公共領域の縮小    /民営化、私企業の参入
②企業活動の全面自由化 /規制緩和
③社会的支出の大幅削減 /社会保障、福祉費用の削減

竹中=小泉が推進した新自由主義経済政策が、純粋・理想的な形で全面的に展開されているのが橋下改革下の大阪府、市の行政だ。すでに社会的実験が行われた中南米やロシア、中欧、韓国そしてアメリカ社会の歴史を見ると、橋下改革が新自由主義政策の先行事例の引き写しであることが分かる。橋下改革は新しくもなく独自のものでもない。世界的な流れの一環といえる。

例えばアルゼンチンでは、カルロス・メネム大統領の時代の急進的な制度改革において、油田、電話、航空、空港、鉄道、道路、水道、銀行、美術館、劇場、動物園、郵便局や年金制度に至るまで国有企業を片っ端から規模を縮小し、あるいは、かつ、売却した。

橋下改革の中にも地下鉄=鉄道をはじめ同じような項目を幾つも見つけることができる。公共の財産が思いがけない安値で私的企業に売り払われないか、心配するのは杞憂なのだろうか。

大阪での新自由主義改革の実態レポートを以下に引用する。
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橋下「改革」の危険 4年の実態に見る

市長になっても 全世代への負担増

「大阪維新の会は日本の統治機構を変え、決定できる民主主義を実践してい く」。橋下徹大阪市長は維新政治塾の開講式(3月24日)でこうのべ、国政 進出でも「改革者」ポーズをとっています。しかし、その「改革」の果てにあ る日本の姿は、橋下氏が府知事、市長として主導した大阪府・市政の4年余の 実態からみえてきます。

《くらし・福祉総攻撃 障害者団体補助0円》

『知事時代 「大阪府は破産会社」と脅す』

「大阪府は破産会社」「(府職員は)破産会社の従業員」。2008年2 月、府知事に就任した橋下氏はこんな大ウソで府民施策への攻撃を始めまし た。

橋下氏は「夕張市と同じ」としましたが、大阪府が北海道夕張市のような 「財政再生団体」でも、それよりはましな「財政健全化団体」でもないことは 当初から明らかでした。にもかかわらず、橋下氏は、これを最大の宣伝材料に使 い、同年6月には「大阪維新プログラム案(財政再建プログラム案)」を発 表。人件費345億円の削減のみならず、私学助成の大幅削減、高齢者・乳幼 児・障害者・ひとり親の4医療費助成の削減、市町村補助金のカットを打ち出 しました。府民の反対署名は300万人を超えました。

このとき、橋下氏は“障害者施策は削れない”とテレビの前で涙まで流し、 「『障害者・命・治安』に配慮」(「朝日」)と報じた新聞もありました。し かし、実際には障害者8団体の団体補助をゼロにするなど障害者にも冷たいも のでした。

4医療費助成の削減は府民世論で現在も食い止めているものの、10年8月 の「府財政構造改革プラン」でも、府営住宅の当面1万戸削減方針など暮らし にかかわる施策の削減が打ち出されています。

中小企業予算も「大企業に頑張ってもらって海外にも競争力が持てるように なってもらわなければ、中小企業にお金をばらまいても意味がない」(10年 3月)という発想で大幅カット。07年度と10年度を比べると中小企業振興 費が5億円から2億円へ。商業振興費は17億1000万円から3億7000 万円へ実に5分の1に減りました。

府民施策の切り捨てをすすめた結果、橋下府政の3年9カ月で大阪の貧困と 格差はいっそう拡大しました。

07年に5・3%だった大阪の完全失業率は10年で6・9%になり、全国 (3・9%↓5・1%)以上のスピードで上昇。全国の企業倒産件数に占める大阪の割合 も14・6%(2059件)から15・6%(2073件)へ。10年段階の大阪の非 正規雇用労働者比率は全国が34・5%だったのに対して、44・5%に達しまし た。

《住民向け施策 104事業ばっさり》

橋下市長は今、大阪市で「市の行政サービスはぜいたく三昧(ざんまい)の状 況」などといって、3年間で548億円を削減し、104事業もの住民施策の 切り捨てに着手しています。5日に公表した市改革プロジェクトチームの「改 革」試案です。財政を口実にした知事時代と同じ手法です。

最大の特徴は、敬老パスの有料化から学童保育の補助金廃止まですべての世 代に襲いかかることです。

無料の敬老パスは、通院や社会参加の活動、買い物などにお金の心配なく出 かけられ、高齢者の生活を支えてきました。それを半額自己負担にし、どこで も100円で行ける福祉バスの運営補助の大幅削減をうちだしています。地域 振興会が担ってきたお年寄りへの食事サービスや「老人憩の家」事業への補助 金廃止など、地域のコミュニティーをささえてきたきめ細かな事業も切り捨て の対象です。

子育て世代に対しては、市民税非課税世帯からの保育料徴収、市独自の保育 料軽減措置の廃止、約2000人の児童の放課後の生活の場である学童保育の 運営補助廃止なども含まれています。

新婚家賃補助の廃止、障害者が健康維持のために安心してトレーニングやリ ハビリができ、スポーツに親しむ場となっている長居障害者スポーツセンター の廃止など、若い世代や障害者にも大ナタをふるっています。

ある地域振興町会長は、「橋下さんに反対ではなかったがこれでは地域の輪 が壊れてしまう」と怒ります。

《公約破り へっちゃら》

区民センター34も9カ所へ/敬老パス「維持」も有料化へ

「試案」では、市民・区民が利用する公共施設の廃止・統廃合も打ち出して います。

総合生涯学習センター(4カ所)、男女共同参画センター(クレオ大阪、5 カ所)などは全廃です。

区民センターは、34カ所から9カ所へ、屋内プールやスポーツセンターは 24カ所から9カ所へ、子育てプラザは24カ所から18カ所へと一挙に削 減。廃止後の施設は民間への売却などを盛り込んでいます。

これらの前提になっているのが大阪市を廃止する「大阪都構想」。まだ正式 な区割り案も示されていないのに、現在の24区を8〜9の「特別自治区」に 再編することがすでに決まったことかのように位置づけられています。

しかし、橋下・「維新の会」は昨年のダブル選で「大阪市をつぶすことはあ りません」「24区、24色の鮮やかな大阪市に変えます!」「敬老パス制度 を維持します」「大阪都構想は市民の皆様の生活を良くするための手段です」 と公約していました。ビラには「だまされないで下さい!」とまで書かれてい たのですから、これほどの市民だましはありません。

「試案」がもたらすのは「24色の多色豊かな大阪市」(橋下氏)どころ か、福祉バス運営費補助削減なども含め地域コミュニティーつぶしそのもので す。

敬老パスも「維持」(「物事の状態をそのまま保ちつづけること」『大辞 泉』)といいながら、半額負担を強います。これでは民主党の「消費税増税は しない」という公約の裏切りと変わりません。

「敬老パスを週2、3回通院に使っています。選挙で橋下さんに入れたけ ど、高齢者をいじめるなんてがっかり」「年寄りが気軽に出歩けるのも(福 祉)バスのおかげ。公約違反のだまし討ちや」。市民から怒りの声が噴出して います。

《交響楽や文楽補助金カット 「楽団員は営業やれ」》

「音楽技術がすばらしいなら、しっかりと営業(活動を)すべきだ」

橋下市長は17日におこなわれた市政改革PT試案の公開討論で、13年度 に「廃止」とされた市音楽団についてこうのべました。

市音楽団は国内唯一の自治体直営の吹奏楽団。選抜高校野球の入場行進の演 奏指導をしていることで有名です。市民向けイベントに出るだけでなく、市内 の中学・高校のブラスバンド部に演奏指導に出かけ、高い評価を得ています。 それをばっさり廃止し、団員も免職にしようというのが橋下市長の考え。

吹奏楽団だけではありません。世界的な指揮者・故朝比奈隆氏が結成し、半 世紀以上指揮してきた大阪フィルハーモニー交響楽団や人間国宝を抱えた文楽 協会への補助金も25%カット。橋下氏は全額カットを狙っています。

知事時代には、児童文学の「図書館の図書館」として国際的評価を得ていた府 立国際児童文学館を廃止(府立中央図書館へ移転)、府が創設した大阪セン チュリー交響楽団(現・日本センチュリー交響楽団)への補助金廃止などを強 行しました。

歴史や文化があってこそ、住みたいと思える街になるはず。橋下氏の文化切 り捨て政策は、府民・市民への攻撃でもあります。

《《教 育》》

競争あおり管理・統制強める

■学力テスト公表めぐり「クソ教育委員会」発言

橋下氏は教育でも競争をあおり、管理と統制を強めています。

2008年9月、大阪府が全国いっせい学力テストの結果が2年連続低位 だったことをうけ「このざまはなんだ」と激怒。「教育非常事態宣言」を行 い、「ダメ教師は排除する」と述べました。

成績アップに必死にさせるとして市町村教育委員会に学力テスト結果の公表 を要請。府教委や市町村教委が「過度な競争と序列化を招く」との懸念から消 極姿勢を示すと、「クソ教育委員会」「暴走している関東軍」とののしり、開 示・非開示によって「予算に差をつける」と“どう喝”。最終的には一部をのぞい て公表に踏み切りました。都道府県が市町村別に結果を公表したのは全国で初 めてです。

橋下氏は、人格の完成をめざす教育の営みを「教育は訓練」「2万%強制」 とゆがめ、「国際社会はし烈な競争。日本の子どもたちにしっかり競争しても らう」(10年3月、日本共産党の代表質問への答弁)と、競争教育の推進を あらわにしました。

教育予算は橋下氏在任中の3年間で962億円削減し、非正規雇用の教員が 2835人急増し、1万0917人に達しています。

府が独自に配置していた府立高校の350人の非常勤職員の首切りを強行し (09年度)、「開かずの図書館」や実習・実験が減る事態が生まれていま す。「その一方、コンクールなどで成果をあげた学校には1000万円単位で ポンとお金を出し、超エリート校(10校)には特別に予算をつける。お金が ほしかったら『成果』を出せというゆがみをうんでいます」(志摩毅府高教委 員長)

■君が代条例は審議3時間 “守らないとクビだ”

2011年春の府議選で過半数を獲得した橋下氏率いる「大阪維新の会」が 真っ先に行ったのは、憲法に保障された思想・良心の自由を踏みにじる「君が 代」起立強制条例案の提出でした。選挙公約にもなかったものです。審議はわ ずか3時間ほど。主要会派がすべて反対するなか、事実上、「維新」の単独で 採決を強行しました。橋下氏は「議論の余地などまったくない」と、「維新」 の暴挙を当然視しました。

「ルールを守らない、不起立を続ける教員は懲戒免職にする条例をつくる」 という橋下氏の意向をうけて「維新の会」が次に出してきたのが「教育基本条 例案」「職員基本条例案」でした。両条例案は、教育に政治が介入し、厳罰化 で教育の内容と職員を首長が支配・統制するもの。昨秋のダブル選後に就任し た「維新の会」幹事長の松井一郎知事がこの2月府議会に一部修正して提案 し、「維新」、公明、自民の賛成で可決されました。

こうしたなかで今春、“異変”が起こっています。教員採用試験合格者のうち1 3・4%、308人の辞退者がでたのです。ここ5年間では最高です。「毎日」 は、「府議会で3月に『教育行政基本条例』と『府立学校条例』が成立したこと も影響したとみられる」と報じています。橋下流「教育改革」の矛盾が広がっ ています。

■私学助成削減 「いやなら日本から出て行け」

「私学助成を削らないで」と訴える高校生に向かって、進学が公立になるか 私立になるかは本人の自己責任だと突き放し、「それがいやなら、日本から出 て行くしかない」と暴言を吐いた橋下知事(08年10月当時)。08年度は 私学助成の削減、09年度には私立高校生をもつ親に対する授業料軽減措置の 縮小を強行しました。

ところが、民主党政権になって公立高校の授業料無償化が実施されると、一 転、私立高校授業料の無償化に踏み出しました。これは、私立高校生の保護者 に年収に応じた支援補助金を給付することにしたもの。

一方で、私学助成の総額は大きく減ったまま。私立高校無償化も、公私間の 競争促進が狙いだということを橋下氏は隠しません。「学校に切磋琢磨(せっ さたくま)してもらい、生徒が集まらない学校は退場してもらう」という橋下 流競争主義持ち込みの一環です。

橋下氏は、私学への運営補助金を生徒数に応じて出す制度に変更、7対3の 公私の受け入れ比率も弾力化しました。

これを受け、私学無償化2年目の11年度は生徒が私学に流れ、府立高校 (全日制)の4割弱の49校で定員割れとなる事態が発生。3月に制定された 府立学校条例で、3年連続定員割れの府立高校は統廃合の対象とされました。

ある府立高校では生徒集めのために約50の中学校を年3回訪問するなど、 公立私立ともに生徒獲得競争がし烈になっています。

《主な市民サービスカットの内容》

事業名 削減額 実施年度 ○敬老パス事業(3案)見直し (1)JR・私鉄に拡大、50%負担、上限2万円。 (2)市営交通限定、50%負担、上限なし。 (3)市営交通限定、年1千円〜2万円負担、上限なし。

50億円 48億円 14億円

13年度 ○上下水道料金福祉措置廃止 39億6600万円 13年度 ○新婚世帯向け家賃補助新規募集停止(18年度終了) 22億6300万円 12年度 ○国民健康保険料軽減見直し 一般会計からの任意繰入の見直し、市独自の3割軽減廃止、出産一時金の引き 下げ。 20億6700万円 13年度 ○保育料の軽減措置見直し 前年度分の市民税非課税世帯からも保育料を徴収する。保育料を全体として1 億5千万円程度引き上げ 1億5000万円 13年度 ○学童保育事業補助金廃止 3億4600万円 13年度 〇老人憩いの家運営費助成廃止 1億6300万円 13年度 ○コミュニティー系バス運営費補助削減 10億7300万円 13年度 ○大阪フィルハーモニー協会、文楽協会補助金削減 1億6200万円 12年度 ○区民センターの統廃合(34→9カ所) 3億8800万円 14年度 ○男女共同参画センター廃止 4億7600万円 14年度 ○市民交流センター廃止 10億5300万円 14年度 ○屋内プール統廃合(24→9カ所) 12億2300万円 14年度 ○障害者スポーツセンター統廃合(2→1カ所) 3億5100万円 16年度

《《府民財産売り払い》》

《売り飛ばし狙いWTC移転強行》

橋下氏は「世界と勝負できる大阪をつくる」と豪語。「小泉・竹中路線をさ らにもっと推し進めることが今の日本には必要」(10年6月8日)と述べ、 民営化と民間開放など新自由主義的「経済改革」を進めてきました。しかし、 その路線はいま大きな破綻に直面しています。

その象徴が大阪湾ベイエリアにそびえる西日本一の超高層ビル。大阪府咲洲 (さきしま)庁舎(旧WTCビル)。橋下知事(当時)が庁舎の全面移転をか かげて大阪市などから85億円で買い取ったものの、いまや無駄の象徴と化し ています。

府議会では、耐震性や人工島に建つ立地条件から「防災拠点になり得ない」 (日本共産党府議団)として09年3月と10月の2度、移転条例案を否決。 橋下氏との全面対決を恐れる自民、公明、民主3党の一部議員が“寝返り”し、別 提案のビル購入案が可決されました(同9月府議会)。このとき、自民党内の 移転支持議員が「自民党・大阪維新の会」を結成、「大阪維新の会」の前身と なりました。

府の試算では現庁舎(中央区)との併用で今後30年間にかかる府費は約1 200億円。部局の移転費用を含む96億円の返還を橋下氏に求める住民訴訟 が起きています。

咲洲地区を「関西の宝石箱」(橋下氏)といっていたにもかかわらず、第二 庁舎として移転後に同地区に進出した大企業はゼロ。経済団体も来ず、庁舎ビ ルからテナントの撤退も相次ぎ、空室率は52%です。

橋下氏は府職員約2000人の移動を強行。東日本大震災で大阪は震度3 だったにもかかわらず、庁舎は360カ所も破損、エレベーターロープのから まりで5時間にわたり職員が閉じ込められる事態となりました。日本列島を 襲った3日の暴風雨の際も「ふわふわと揺れ」(職員)、エレベーターが6基 停止。職員から不安の声がいっそう強まっています。

もともとWTC移転は大阪城に近い現庁舎の民間売却構想が発端。日本共産 党府議団の調べでは、橋下氏は就任後すぐの3月1日、不動産鑑定士に庁舎と 駐車場などの府庁の敷地の鑑定を依頼。同月末にまとめられた「報告書」には 売却額とともに大口投資家や外資、ファンド、ゼネコンなどの需要が見込める としていました。

「橋下氏は一等地を外資やファンドなどに売り飛ばすつもりだった」(日本 共産党の宮原威府議団長)のです。

橋下氏と「維新の会」はWTC移転の大失敗になんの反省もなく、ダブル選 後に設置した府市統合本部で大阪市の財産の切り売りや民営化をすすめていま す。

浄水場の売却で再開発を狙うが

水道の「経営統合」と称し狙われているのが柴島(くにじま)浄水場の売却です。 市水道局が新大阪の東にもっている約46ヘクタールの土地(甲子園球場の1 2倍)を再開発のために売り飛ばそうというもの。

しかし、採算性は全くありません。売って入るのは約700億円。出ていく のは、施設の撤去に約400億円。配管付け替えの設備投資に約3300億 円。約3000億円のマイナスです。

誰のために、どのような方向で進めているのか。特別顧問や特別参与のメン バーをみれば一目瞭然です。

特別顧問の中心には、大手コンサルティング会社「マッキンゼー」の共同経 営者だった上山信一慶応義塾大教授や堺屋太一元経済企画庁長官など「四天 王」と呼ばれる極端な新自由主義者…。他の特別顧問や特別参与にも財界・大企 業やグローバル資本の“代弁者”が目立ちます。

市営地下鉄は黒字でも民営化

市民の財産である黒字の市営地下鉄も民営化が既定路線に。橋下氏は4月か ら市交通局長に京福電鉄(京都市)前副社長の藤本昌信氏を据え、民営化に導 くよう指示しています。

市営地下鉄の民営化を協議するプロジェクトチームには、4月4日付で特別 参与に委嘱された関西の私鉄5社の幹部ら12人がずらり。南海電鉄の事業戦 略部長をはじめ阪急、阪神、京阪、近鉄と各社の現職の部課長らが名を連ねて います。

これには関西財界からも「経済界が提言していた民営化がやっと実現に近づ いた」(大阪商工会議所の佐藤茂雄会頭)と歓迎されていることが報じられていま す。(「産経」)

各氏の氏名・肩書一覧 野村修也・弁護士(特別顧問の任期は9日まで延長さ れ、現在は退任)、堺屋太一・元経済企画庁長官、上山信一・慶応大学教授、 原英史・政策工房社長(元渡辺喜美行政改革相補佐官)、古賀茂明・元公務員 制度改革推進本部事務局、高橋洋一・嘉悦大教授(元財務官僚、竹中元経財相 補佐官)、北岡伸一・政策研究大学院大学教授(元東大教授、元国連大使)、 石原慎太郎・東京都知事、竹中平蔵・元経済財政政策担当相(元総務相)、藤 本昌信・前京福電鉄副社長

《独裁・恐怖政治》

◆思想調査 一般国民標的に

「市長の業務命令」「正確な回答がなされない場合には処分の対象」―。 「市長 橋下徹」直筆署名入り文書を添付して始まったのが「労使関係に関す る職員のアンケート調査」。2月9日のことでした。

質問は22項目。回答は市役所のコンピューターネットワークを使用しての ものが大半で、順に答えないと次の質問項目に進めない仕掛けを施して質問全 部に答えさせる念の入れようでした。

質問内容は個人の思想信条にかかわるもののオンパレード。▽労組参加の有 無▽特定の政治家を応援する活動(街頭演説を聞くことも含む)への参加の有 無▽自主的参加か誘われてのものか―など。

「誘った人」の名前や「誘われた場所・時間帯」を問う項目もあります。 「誘った人」は「組合以外の者」も対象で、市職員からは「役所に出入りする 民間業者や、近所の人の氏名まで書くのか」といった声があがりました。これ はもう、一般国民を標的にした「思想調査」以外の何物でもありません。

日弁連会長など各界からの批判が相次ぎ、調査責任者の野村修也特別顧問は 4月6日、回収データを未開封のまま廃棄しました。それでもなお、橋下市長 は謝罪を拒否しています。

◆捏造リスト 開き直りの答弁

就任後から一貫して橋下市長は内部告発を奨励し、「目安箱」なる市長直結 の告発文書受付制度まで始めました。(4月12日現在で190通)

こうした“密告”奨励は「捏造(ねつぞう)リスト」騒動を引き起こします。 「大阪維新の会」の杉村幸太郎市議は2月6日、昨年の大阪市長選における市 交通局職員の“選挙関与リスト”を公表、「(リストは)交通局と組合が組織ぐる みで市長選に関与していたことを裏付けるもの」などと労組攻撃に利用しまし た。発表直後の同9日に、「思想調査」が橋下市長によって指示されました。

「捏造リスト」は交通局の嘱託職員(3月27日解職)によって作成された もの。市交通局の調査により3月26日、捏造が確認されました。

ところが橋下市長は同日、「議員が議会で取り上げるのは当然」と杉村市議 をかばい、4月2日の記者会見で議員の責任を質問されると、「それを言うな ら、委員会を全部非公開にしていいのか。そうすれば何も表にはでない」と開 き直りました。

◆公務員攻撃 「顔色うかがえ」

「職員が民意を語ることは許しません」。橋下市長は就任後の初の施政方針 演説(昨年12月28日)でこう言い放ちました。年が明けた年頭会見(1月 4日)には、市長選に関与した職員がいたとして「本当なら身分を失うところ だ。仕事があるだけありがたいと思え」と攻撃をエスカレートさせました。

府につづき、市でも教育・職員基本2条例制定をめざす橋下市長は2条例案 を議会に提出。職員条例案の審議では、「(市役所で)市長の顔色をうかがわ ないで誰の顔色をうかがうのか」と答弁。

2日の市新規職員発令式では、「みなさんは国民に命令する立場に立つんで す」「命令を出すなんて公権力をもったみなさんしかできない」などとのべま した。

公務員を「全体の奉仕者」から国民への「命令者」へ、その「命令者」を 「首長の下僕」にする―公務員攻撃をエスカレートさせる一方で、最悪の公務 員づくりに走っているのです。

◆「君が代」強制 口元をチェック

橋下氏は府市ともに「日の丸・君が代強制条例」を制定し、強制を強めてい ます。

府立和泉高校の卒業式で、橋下市長が府知事時代に年齢制限を大幅に下げて 公募採用した友人の校長が、君が代斉唱時に「口パク」チェック(歌っている 口元の調査)をしたことがニュースになりました。

不起立の教員が出た学校では、校長が保護者に「説明会」を開くまでに。父 母や生徒まで「君が代」が強制される重苦しい雰囲気がつくられています。

「口パク」チェックにとどまらず橋下市長は「君が代」を歌う姿勢まで問題 視するようになっています。

「先生たちは手を前に組んで休めの姿勢でうたっていた。なかには花粉症な のかマスクをした人もいた。これはちがう」(3月24日、維新政治塾開講式 でのあいさつ)

4月2日の発令式でも、橋下市長は「君が代斉唱の時は手は横、気をつけ」 と語りました。

◇ (この特集は、豊田栄光、藤原直、大阪府・小浜明代が担当しました)

jcp.or.jp

橋下「改革」の危険 4年の実態に見る


2012-04-25

「報告と提案」

「報告と提案」

17日(火):週刊朝日(4.24発売)によれば、
銀座で法務省や検察幹部も出席していた懇親会が開かれる。江川紹子さんが「報告と提案」ペーパーを配る。懇親会メンバーは取り合わず、酒席へいざなった。
郷原氏が、うやむやにしようとする人達に対し酒の席でするような話ではないと、諌める。
18日(水):田代検事不起訴 検察リークにより各社報道
23日(月):江川紹子氏 小川法務大臣・笠間検事総長への「要請書」の提出と記者会見

江川紹子さんは、郷原信朗さんが言われている青年将校反乱説と同様の趣旨を呟かれている。小沢裁判、村木裁判のいわば裁判の政治利用に伴う冤罪については、暴走した一部検察が主犯だとされているようだ。(幹部と切り離し、内部から改革をやらせるための戦略かも知れませんが)幹部の罪は暴走を抑えられなかった点に限定され、検察組織全体の問題であるとは見ておられないようだ。
青年将校とはどのあたりを指すのだろうか。将官、佐官クラスの関与、承認は無かったのだろうか。司法行政の歪みを正すのは、本来は国会が主導することが求められるとも思う。現状では国会はそのような機能を果たしておらず、このことが全くの机上の論であることは寂しい限りだが。

23日の記者会見では、当日行われた国会議員による、国会での秘密会による検審疑惑究明の動きとの関連を問われて、「まるで知らなかった」と、森ゆう子議員によるTweetを知らないはずがないと思うが、否定されたのは些細なことだけれど少々違和感を感じた。(郷原氏は江川氏の発言を軽く遮って「知っているが、方向性が違う」と関連性を否定されていた。)

江川紹子さんは閉じられた場で、しかも銀座の日本料理店で行われた懇親会という非公式の場で、(唐突とも受け取られかねない席で)意見書を提出された。司法行政幹部が一考に価すると応えれば、それで良いと考えておられたのだろうか。万が一そうなら、それはインナーサークルのメンバーがする種類のことで、ジャーナリストがするべきことではないだろうと思う。(この提案は当初公開を考えてはおられなかったようで、「要請書」賛同メンバーへの呼びかけが18日以後に行われているように見える。)

田代検事の捏造報告書以外にも、小沢事件検察審査会を強制起訴へと誘導する報告書が五通も存在することが発覚し、検察の暴走が誰の目にも明らかにされつつある時、これまでさまざまな裁判を見続けてきた江川さんが司法への危機感から司法行政幹部に軌道修正を求める姿勢には共感する。
23日の司法行政への要請書の提出と記者会見をきっかけに、歪みが修正される方向に物事が動いていくことを期待したい。

23日(月)に行った記者会見は司法記者クラブで開かれた。クラブ所属記者限定であり、ライブ放送はされず録画のみの公開となった。
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2012-04-20

IWJ岩上氏の小沢一郎氏へのインタビューについて

小沢氏の発言は、その時々の政治状況への発言にしても、基本的で射程の長い情勢判断と構想に裏打ちされている。
視聴者は、例えば日々の枝野氏の発言に揺れる〈マスコミ+メディア〉情報に基づいて超短期的な見方で小沢氏の発言を捉える傾向があり、小沢氏の発言が現状からズレていると感じる場合がある。自分の場合はそうだった。

ー小沢氏発言に触発されたことー
《原発再稼働》
原発再稼働についても小沢氏は、夏の電力過不足や手続き論ではなく、より基本的な、エネルギー問題からとらえる。それは国家が国民を食べさせるために存在するのだという、基本的な考え方を大切にするからだろう。
この小沢氏の考え方を踏まえると、原発が国民の生命を脅かす存在なのかどうか、その危険性の程度はどうか、どのような道筋で脱原発をすすめるのかの議論は成り立つ。経世済民を忘れた経済の論理だけで突き進む再稼働論議は薄っぺらく、危うい。
従来の、原子力は経過的なエネルギー源であるとの見方から一歩踏み込んで、ドイツが目指す10年で脱原発を目処にすると発言した。
《TPP》
世界経済の成長センターである東南アジア、その中心でGDP2位になりこれからも成長をやめない中国。国際経済情勢を踏まえたなかで、米国がTPPに込める意図を理解し、日本はどのように経済外交を進めるべきなのか、そのような視点でTPPについて発言しているように思える。ここでは、経済の主権の問題でもあるのだと言っていることに注目した。
TPPは経済構造協議の延長線上のもので、アメリカのシステムに合わせようとするものであり、交渉力の無い現状では米国国益追求の場になる危険性を指摘している。

《防衛問題》
このインタービューのなかでは、他の政治家からは聞けない防衛問題に関する発言がもっとも興味深い。日本の核兵器保持については明確に否定し、日米同盟のあり方の問題、尖閣問題それぞれに小沢氏的見方が開示されている。
特に北朝鮮についての発言に興味を引かれた。
中国が成長のために導入した市場経済は原理的に経済主体・人間の自由抜きにはありえず、共産党一党独裁体制を許さないと指摘している。市場経済下における急激な成長によって経済格差が拡大し、中国社会の不安定化がもたらされている。権力闘争の激化についても目配りしている。
北朝鮮は中国情勢に左右される。中国の統治機構が内政問題で揺れると北朝鮮への重石がはずれ、抑制が効かなくなるおそれがある。そのときは、北朝鮮の暴発があり得ると警告した。
「北朝鮮が暴発して戦端を開いたらソウルはあっという間だ。今の在韓米軍だけでは北朝鮮軍は押さえられない」
「北朝鮮は日本など見ていない。見ているのは米国だけだ。核兵器とミサイル開発は手放さない。」

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以下は「インタビューまとめ」
IWJ小沢一郎インタビュー  2012.4.18

《原発再稼働》
IWJ岩上安身氏「まず大飯原発再稼働問題。安全性の確立がなされていないまま、また根拠の薄い電力需給の試算での政治判断について」

衆議院議員小沢一郎氏「地元、国民全体が納得のいくような対策・説明がされないままに再稼働を政治的に決めてしまった」
「私は以前から原子力は過渡的なエネルギーと言ってきた。高濃度の廃棄物の処理をどうするのか、という問題があるから。しかし今すぐに全て止めるのは無理があると思っているが、再稼動には念には念を入れ、安全性の確認と電力が本当に足りないかの検証を行う必要がある」

岩上氏「もし今、小沢氏が総理であったら、この安全性の確認、国民への説明をどのようにするのか?また再稼働の手続きをどうするか?」

小沢氏「本当に原発を止めて電力が足りなくなるのかをきちっと検証するべき。また産業用のエネルギーがまかなえるだけの必要最小限の稼働にとどめるべき」
「その間に、新しいエネルギーを検討模索し移行していく。これらのプロセスをすべて国民に時間をかけて問いかけていくべき」

岩上氏「電力不足について。管政権時の国家戦略室の電力が足りているという資料は未だに開示されていない。現在、小沢氏は原発についてどのようなスタンス?」

小沢氏「菅さんの政策には不満だった。国民にしっかり情報を開示して放射能、事故対策をすべきだった。電力需要についてもすべてデータをもって国民に事情を説明すべきだ」
「メルトダウンの認定についても大変遅れた」
「情報を隠すことによってどんどん政府の対応が遅れる」

岩上氏「小沢氏がもし総理になったら情報の公開は徹底されるか?」

小沢氏「日本はあらゆる所で情報が隠蔽されているというのが問題」

岩上氏「民主党はPTを沢山作り、議論しているが非公開。先日もエネルギーPTと事故収束対策PTの合同会議が非公開だった。小沢氏だったら公開する?」

小沢氏「党は政府から出された情報に基づいてやるしかない。正しいことは政府にしか分からない。まずは政府の情報公開こそが必要。党のこともあるが」

岩上氏「仮に段階的廃炉だとして、何年くらいがメドだと考えているか?」

小沢氏「ドイツでは10年。これが大きな参考になる」

《がれき広域処理》
岩上氏「がれきの広域処理と被災地の復興について。広域処理は賛否両論。現地処理はごく一部。阪神大震災の3倍の費用がかかる。なんのために広域処理か?小沢氏の地元の被災地の事情も踏まえて、どう考えるか?」

小沢氏「両論あって良い。処理するのに役所の規制が激しく、役所の許可を待っていたら何ひとつ出来ない。引き受けでも良いが早く決めて欲しい」
「被災地に20兆円という話。しかしそれが地元におりているか疑問がある。知事と相談して国に言おうと思っている」

岩上氏「広域処理は選挙対策という話があるが?」
「被災三県以外の地方議会での議員ので"大変な予算がついた"との発言があった。予算の取り合いという一面もあるのか?業者への見返りは?選挙対策のために今のうちにバラ撒いておくという話も」

小沢氏「20兆円という莫大な金がついているが、役所に握られており使い勝手が悪く、また効率が悪い。仮設のプレハブ建設に中央の大手ゼネコンがとり、大工も連れていくということが。だから寒冷地対策になっていなかったりする」

岩上氏「中央官庁がゼネコンと癒着してるということでは?」

小沢氏「コストが倍くらい高い。この予算で地元の都合でやれ、と言えばいくらでもスピーディに、地元の雇用につながるように使える」

《TPP》
岩上氏「TPPについて。公的医療制度の崩壊など、どうも本質が違うのではないかという話になってきた」
「第一次産業が盛んな東北が被災。そこにつけ込むようにTPPの話が持ち上がっている。主権なく、グローバルな大資本のための条約だとういうことが浮き彫りになってきている。"国民が第一"の小沢氏の意見を。」

小沢氏「私は自由貿易論者で、自由貿易によって日本が利益になるというスタンスに代わりはない。が、自由貿易の裏にアメリカの利益があるというのは違う話」
「TPPと名前を変えてきているが、以前からの構造協議と同じ話。狙いは医療、ゆうちょ。日本のシステムをアメリカのシステムに変えようという話」
「以前、携帯電波の交渉を行った。その時アメリカは日本で使われている電波をアメリカによこせ、と言ってきた」 「私は、何を言ってるんだ!と反対した。アメリカまむちゃくちゃな事を言ってくるが、筋道をたててしっかり反論・主張すればアメリカも何も言えなくなる」

《日米同盟、防衛、北朝鮮》
岩上氏「民主党PTでも激論が交わされた。反対派・慎重派が多い。推進派の根拠は結局日米同盟しかない。日本がアメリカに対して主権を主張するのは4~50年早いという議員も。本質的にはTPPの問題は日米同盟の問題。冷戦が終了し、アメリカ経済も冷え込む現在、対米自立の見通しは?」

小沢氏「今の党内では日米同盟を前提にした、信じられないような意見が出てきている。政治家としての見識を全く持ち合わせていない人の議論だと思う」
「日米関係は(真の)同盟(関係)ではない。アメリカに追随しているだけ。同盟は対等の関係だが、今は主従の関係。都合が悪くなるとすぐに日米同盟を持ち出す。米国のいう通りにしていれば良いと、へんちくりんな考え方をしている政治家が多い。大変危惧している。このままでは日本の自立はありえない」
「自立のためには、日本が同盟国としての責任を果たさなければならない。安全保障を日本が出来る範囲でやれる事がもっとある。それを踏まえてアメリカとしっかり協力していくべき」
「沖縄の基地問題についてもそう。米軍が撤退した時、確かに安全保障上の空白になる恐れがあるのは事実なのだから、そこは日本が自主防衛するべき」

岩上氏「尖閣諸島の緊張が高まっていると喧伝されている。日米同盟ではアメリカは守らないと明記されているが日本に周知されていない。対中国、対北朝鮮を見て、どの程度国防の強化が必要か?」

小沢氏「日本独自の領土だと、中国や世界に対して示せるプレゼンスを持つべき。例えば私は訪中した時、民主党が政権を取ったら尖閣は日本の領土だと明確にすると言った」
小沢氏「相手が中国だろうが何だろうが、言いたい事は言う、守るべきものは守る。いつも、はいはい言っていれば機嫌を取れると思ったら間違いで、主張しないと逆に馬鹿にされる」

岩上氏「巨大な中国の軍備での総力戦は考えなくていい、アメリカの核の傘を前提にするという話になるのか?」

小沢氏「核武装は軍事的にも政治的にも日本に取って良いとは思わない。日本の軍備の増強は誰も望んでいない」

岩上氏「原発の導入時は原子力の平和利用と言いながら、主権国家となった時に核武装するという考えもあったはず。現代においても、将来の核武装を考えて原発を維持すべきという意見もあるが?」

小沢氏「その理屈は賛成できない。すでに何百発分のウランとプルトニウムを持っているが、小型化、兵器化するコスト、政治的なマイナスを鑑みると、まったく現実的とは思えない」

岩上氏「先日、北朝鮮のミサイル打ち上げ失敗の裏で、原発再稼働騒ぎがあったが、北朝鮮の核開発については?」

小沢氏「北(朝鮮)は日本なんか見ていない、アメリカのみ。だから核武装・ミサイル開発というカードは絶対に手放さない。しかし最近中国が格差などで不安定になってきている。これが北朝鮮にも影響」
「中国が善くも悪くも北朝鮮を支え、おさえてきた。しかし中国が国内問題でそれどころじゃなくなった時に、北朝鮮の内部は暴発する可能性がある。戦後の朝鮮動乱と同じ」
「北朝鮮が暴発した時、今の在韓米軍だけではおさえられない」
「北朝鮮が暴発して戦端を開いたらソウルはあっという間だ」

岩上氏「第二次朝鮮戦争が起こったら、日本は何をすべきか?傍観すべき?参戦すべき?」
小沢氏「国連でしょ。国連軍で対処する時、日本も参加するべきでしょう。」

《消費税増税》
岩上氏「消費税増税について。なぜ消費税増税をすべきではないのか、というのは今まで小沢氏はさんざん説いてきた。政界再編の引き金にも成りかねないと思うが、どこまで増税反対を貫くのか?」

小沢氏「どのような状況になろうとも、国民の負担だけになる、という現状の増税策ではいけないというスタンスに変わりはない」
「『改革なくして増税なし』『経済再生なくして増税なし』『社会保障の一体改革なくして増税なし』」
「5%は10〜12兆円の大増税です。増税すべきでない。」
「しかし、今回は採決までいかないと思う。現在は(マスコミの)意図的操作の世論調査でも6割が反対、実際は7割〜8割の反対。国民が大多数反対するものは強行できない。増税を掲げて選挙なんてやろうものならほとんどが落ちる」

《選挙、代表選、裁判》
岩上氏「他メディアの取材で"総選挙は秋頃ではないか"と答えている。代表選に小沢氏自身が立つことも含めて、総選挙と代表選の見通しは?」
小沢氏「野田内閣の支持率が20%を切る状況になったら民主党内がもたない。九月までに党代表選が行われれば、政権交代の初心を持っている人を代表に選び、次期衆院選に臨むべきだ」

岩上氏「小沢グループ、新政研に140名ほど参加しているが、もし連携結べるとしたら、党内外含めてどこか?」
「消費税、TPP、原発、どこを基軸としてて連携を結ぶのか?」

小沢氏「消費税、TPP、原発の個々の政策が争点ではない。官僚任せの政治を根本から政治主導で変えて行く、その理念を共有すること」

岩上氏「最後に。政治主導をやろうとする政治家はひどい目に合うこともある。26日の陸山会事件判決に向けて。捜査報告書を捏造していた田代検事が立件見送りとされた。判決そのものと、不当捜査、検察のあり方について」

小沢氏「判決前なので具体的なことは差し控えるが、これは、裁判長が『組織的違法なもの』と言った。裁判所が適切な判断をしてくれると信じている」

岩上氏「自民党の政権下で始まった権力闘争が、民主党にも引き継がれているのか。この1年、どのように見てきたのか」
小沢氏「新体制を構築しようとする時に、旧体制から攻撃を受けるというのは良くある事。その意味で私が犠牲になった、というかターゲットになった」

岩上氏「小沢氏本人が代表選に立つということはあるのか?」

小沢氏「民主党が政権についたことで一つの仕事はやり遂げたかと思ったが…。」
「それが天命ならどんな役割でもする。日本に民主主義が 定着するように最後のご奉公をしたい。」

岩上氏「平民宰相"原 敬"氏の肖像を掲げているが、どこに惹かれているのか?」

小沢氏「彼が健在だったら、その後の昭和史は起きなかったと思っている。それだけ僕は彼を評価、尊敬している」

以上 まとめ おわり