2011-04-10

原子力村のたそがれ 原子力から自然エネルギーへ

発電量増加は風力と太陽で担われている
太陽光発電技術や太陽発電パネル生産で日本が先頭を走っているというのは全くの幻想だと云うことに気付いていない人は多い。ここ10数年日本が足踏みしている間に世界のエネルギー供給の様相は変わってしまった。日本では、原子力抜きのエネルギー供給は現実的ではないと思い込んでいる人が大半だが、既にこの考え方は世界では過去のものだ。
太陽光発電のコストは著しく下がっている
発電コストにおいて太陽光発電と原子力発電は2010年時点で等しくなり、逆転した。コスト差はこれから益々広がっていく。世界では持続的に再生可能なエネルギーに重点を置いた代替電力供給の開発が急ピッチで進んでいる。(参考*事故前から最も割高な原発-発電コスト比較-大島堅一・立命館大教授 毎日新聞4/3「国家財政投入資金を考慮に入れた「総単価」を電源別にみると、①原子力10.68円▽②火力9.90円▽③水力7.26円。(一般水力3.98円、揚水53.14円)となる。但し「原子力+揚水」では12.23円。」)

無計画停電でも騒がれているとおり、電力消費は季節変動が大きく8月に訪れる電力消費のピークが乗り切れるか心配されている。        発電力の変動が大きいイメージがある新エネルギーに頼って、そのピークが乗り切れるのか心配にもなる。ところが東電の販売電力量の1/3もの規模があるノースカロライナ州で近年行われた大規模実験によって風力と太陽光による代替発電に頼っても、電力需要ピークを迎える夏の7月や寒い1月でも十分まかなえることが証明されている。

危険な原子力に投じられようとしている税金や資金を新しいエネルギーへの転換に集中的に振り向けることによって日本はもう一度エネルギー産業の先端に立つことも可能なのだ。
失われた20年の中で、政治パワーを持つ財界・学界・政界そして第4の権力マスコミという既得権益グループ=原子力村の利権のために新エネルギーへの転換が抑制され、私たちに約束されていたはずの未来の芽を摘み取られてきたのだ。(緊急エネルギー投資戦略 参考2)
日経の記事に見られるように、日本に技術力はある。無いのは戦略的思考と原子力村を打破する政治力である。
-------------------------Nikkei
日経:代替エネルギー関連の特許、日本が世界の55%を占め圧勝
2010/10/25
WPO(World Intellectual Property Organization)報告書によると、代替エネルギーに関する日本の特許(日本で出願された特許の数)は世界の中で55%を占めている(図1)。太陽光発電に至っては68%にもなっており、代替エネルギーに関する日本での技術開発が盛んなことが特許の面から分析できる。
日本は55%米国20%欧州9%

ところが問題は、これらの技術が「世界の投資に結びついていない」(菅谷氏)ことである。世界のエネルギー関連投資を国別に分析すると日本は世界の20分の1の5%にすぎず、55%も占める特許を生かせているとは言い難い状況だ。
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素直に現実を見つめよう。マスコミによって作られてきた歪んだ思考の枠組みに囚われていては未来が見えない。

そしてついでに、無計画停電の日々に原子力発電の必要性が声高に叫ばれたが、それは根拠のないでたらめであったことを示しておこう。東京電力がデータ改竄、隠蔽したことにより17基全ての原子炉が停止させられた2002年、東京電力は翌年の夏のピークもちゃんと乗り切っている実績がある。政府・東電のウソつき隠蔽体質の証左だ。そしてテレビをはじめマスコミもいつも通りウソの上塗りに励んでいる。
エネルギー白書2004年版
参考
(1)岩波書店「世界」2011年1月号
米・仏・独のエネルギー政策分析から浮かび上がる
               再生可能エネルギーの優位性
- マイケル・シュナイダー 田窪雅文訳 -
(2)311後の原子力エネルギー政策の方向性 飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)(SMC:サイエンス・メディア・センター 2011/04/08)http://smc-japan.org/?p=1657
(3)代替発電方法いろいろ NAVERまとめ

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