40年前彼の地を訪れた。名の通り浄土ヶ浜は静かな佇まいを見せ、海猫ばかりが騒がしく飛び交っていた。二両編成の列車に乗りその日宿泊する田老へと向かった。
この辺りはリアス式海岸で、断崖に間近にせまる海が美しい。
田老は人口の少ないとても静かな漁師町だった。目立っていたのは仰ぎ見るような防潮堤だった。聞くと何度も津波に襲われてその対策だという。なんと大げさなと思ったが、崖に記された津波の記録は遙か仰ぎ見るところに記されてあった。
その田老も宮古の浄土ヶ浜も、壊滅したという。
恐れていたが、今頃そのことを知って、泪が止まらない。
ただ、旅の思い出がある私でさえそうなのだ。
そこに生活する人々は、縁のある人達の思いはいかばかりのものかと、知る。
今はただ 合掌 南無阿弥陀仏
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