2011-07-14

Twitterと世論

Twitterと云うツールは面白い。これまでマスコミ政治部は好きなように世論を作り上げ、政局と政策を歪めてきたがTwitterの出現によって世論誘導が自由に行えなくなってきた。Twitterにはマスコミが好む著名人もどんどん呟いていて、これまでのように電話取材と称するマスコミによる編集=つまみ食いを許さない。マスコミ受けする口ざわりのいい発言を流れのままに、実は脈絡なく行ってきたいわゆる評論家達は、Twitter上では、少しまともな著名人や一般の人の呟きに簡単に論破されてしまっている。TL上の世論はちょっぴりまともで、自分でチョイスしたTLはマスコミにより偏向された論調の影響を受けにくい。

著名人達のTwitter上の発言をマスコミは無視できなくなっている。これまでは新聞に書かれないものやテレビに映されないものは事実として人々の目には届かなかったが、編集により削り取ってきた不都合な事実がTL上には流れていて、人々にとって重要な事実がようやく少しずつ可視化されてきた。
言論上では力関係の微妙な変化が起きていて、マスコミはTwitterで流れる呟きをフォローするようになってきた。


Twitterの言論の流れは、大規模なデモと同じくらいマスコミ世論をも動かす力を持ち始めたのではないかと期待とともに感じている。

2011-05-30

台風2号とびわ湖

台風2号は未明に温帯低気圧に変わったが、ここびわ湖では未明から風の勢いは激しくなっている。
私の記憶でもここ10年で最も激しい風が吹き、波頭を砕き波飛沫が白煙となって時折湖上を覆っている。午前5時現在で水位が40cmとなり、ちょうどまる24時間で20cmも水位が上がった。まだこれから水位も上がると思われるので水位の方も記録的なものになるかも知れない。

岬の先が波に洗われその姿を変えた。2・3日前に建設機械で何か工事をしていたが、機械力とは比べものにならない力が自然にはある。

2011-05-19

東電が公表した連続画像を合成してみた

  • ふくいちに津波が襲う
  • サプレッションチェンバーのサージタンクがねじ切れそうになるほどの津波の威力
  • 2ヶ月も経ってから明らかになった津波直後の連続的画像

(2)堤防を越えた津波は(3)急場しのぎのように高さを増設された堤防をパキパキと破壊していく。
(6)引き波の力でサージタンクがねじ切れそうになっている。

サプレッションチェンバーにはこれほどの大きなタンクが必要なくらい、緊急時には大量の水が必要だということが、ようやくイメージできた。

また、原子力発電所のシステムがとにかく巨大だということが、イメージできた。敦賀の原発に何度か小型ヨットで近づいて海から眺めていた自分には原発が背景の景色にとけ込んでこんなに大きいとは思えなかったのだ。

ただ、その巨大さを知ることとは逆に、「核技術」と云う言葉で自分が持っていた精緻で難解な科学技術の塊というイメージからは遠ざかっていく。巨大システムと云うより、その巨大さは物理的な大きさだけで、核技術より古く伝統的なテクノロージーであると思われている自動車に比べ、(エレクトロニクス化された現代の自動車より)特にその制御系や情報化においてずっと古くさいもののようだ。センサーにしても弁の駆動系にしても、自動化もされていないし、コントロールのための情報化が数世代前のものだ。

例えてみればちゃちなリモートコントロールボックスで操作される鉄人28号のイメージがピッタリくる。

2011-05-16

1号機メルトダウンは3月12日早朝 東電発表

枝野長官や東京電力は、フリーランス記者達が当初から指摘していたにもかかわらずこれまでメルトダウンについて認めようとせず「燃料損傷の可能性」などとごまかしてきたが、5月15日の東電記者会見において地震の翌日3月12日の早朝(6:50)にはほとんど全ての燃料が溶融し圧力容器の下部に落ちてしまうメルトダウンを起こしていたと発表した。
左図:3/12-15:36    右図:3/14-11:01
従来燃料棒の半分は水面下にあるとしていたが(-1700mm)、この発表によると地震後(東電はどうしても『津波後』にこだわるが)時をおかずに水位が急激に低下し、燃料棒が水面上に露出すると共に炉心温度も急上昇した。
今まで東電が言ってきたイメージとは違い、炉心温度が被覆管(ジルコニュウム)が溶け出す1100℃から燃料ペレット融解温度2800℃まであっという間に駆け上がり、震災当日20:00には燃料溶融が始っていたことになる。




クリックで拡大
もし東電や官邸がこのデータや状況を本当に隠していたのではなく、判っていなかったとしたら…。しかも余人には容易に想定できたこの事態を想定外としていたら…。いやいや、当事者が知らなかったことなど、専門家としての能力や当日の資料(当ブログ記事LINK …これは2号機の例だが)からしてもありえない。
とすると、データ解析及び事前想定の一番確度の高いストーリーを国民に知らせなかった官邸の罪は重い。漸次的避難区域の拡大や炉心への海水注入のおくれなどを、原発事故対応が的外れあるいは少なくとも後手にまわった要因だろう。

今からでは初期の放射線汚染を取り返すことができないが、日本としての最高能力を発揮できるだけの対策司令部の再構築を急いでほしい。

東電資料 LINK

世論の風向き

風知草:「原発に頼らぬ幸福=山田孝男」
毎日新聞 5月16日

浜岡原発停止の電撃発表に怒った日本経団連会長が「首相の思考過程はブラックボックスだ」と毒づいた。では聞こう。原発推進を探る専門家集団の思考過程は透明と言えるか。

毎日新聞は「モンゴルに核処分場計画」を特報した(9日朝刊)。米エネルギー省と日本の経済産業省が組み、モンゴルに使用済み核燃料などの国際的な貯蔵・処分施設をつくるという極秘計画を暴いた。

この構想は原発ビジネスと経産省が入れ込み、外務省は乗らず、しかも露見した。バレた以上は立ち消えということらしいが、ああそうですかと聞き流すわけにはいかない。このような専門家の思いつきと、浜岡を止めた首相の思いつきは、どちらが罪深いだろうか。

用地提供の見返りとして、モンゴルは原発をつくるはずだった。日米の技術支援で。このしくみ、過去半世紀の日本国内の原発立地と似ている。福島県の双葉町が、電源3法交付金と引き換えに原発を引き受けた構図とそっくりである。

当初こそ双葉町は開発特需で潤った。農林漁業がすたれて建設業が伸びたが、原発始動から38年後の09年、財政悪化で「早期健全化団体」に指定され、町長は無給。揚げ句に原発震災で土地をまるごと失い、町民は四散、流浪している。

原発も、使用済み燃料の処分場はなおさら、制御が難しい高レベル放射性廃棄物を抱えている。モンゴルの原発建設予定地は無人の荒野ではない。数十年後、草原の村に「××、土下座しろ」と悲憤する住民の罵声が響く恐れはないか。

いかな「原子力村」エリートであろうと、3・11を見てなお、それに想像がおよばないということはありえまい。

俗に言う原子力村とは、経産省、特殊法人、電力会社、原子炉メーカーなどにいる、主として東大工学部原子力工学科卒のエリートの総称だ。

反原発急進派に言わせれば原発利権をむさぼる悪党一味だが、そういう悪口を並べても、原子力エリートはギャフンとは言わない。自前のエネルギーを確保して国の独立を守り、安定的電力供給で国内総生産(GDP)を押し上げ、経済大国の発展を支えてきたという強烈な自負があるからである。

この視点に立てば、「モンゴル核処分場計画」も思いつきではなく、国策の追求ということになる。が、3・11を経たいま、原発ルネサンス便乗の「経済大国再び」路線の国策は問い直さなければなるまい。

浜岡原発の全原子炉が止まったが、核燃料の冷却は今後とも続けなければならない。危険は去っていない。福島は好転するどころか、日々、悪材料が噴き出している。原発は怖いと思い知った素人の過剰反応とは言わせない。それでも安心と言いつのる専門家の過信こそ不思議と言わねばならない。

なるほど、経済大国路線の転換は容易ではない。問題が大き過ぎる。なまじの節電や半端な代替エネルギーでは実現できない。だが、放射性物質による環境汚染を免れるためには、変わるしかない。原発に頼らない幸福を探すしかない。

「絵空事」と原子力エリートは笑うだろうか。ならば「それでも原発」の説得的な説明を聞こう。専門家は「脱原発」「反原発」勢力を愚民視する悪癖をあらため、大衆的な議論の場に身をさらすべきだ。もはや民衆の理解と共感のない国策こそ絵空事である。(毎日新聞 LINK
-----------------------------------------
山田孝男氏は飯田哲也氏によれば「もともと原発にまったくご関心のなかった大物政治記者」ということだ。大物らしくちょっと時代がかった気もするが、ごく当たり前のことを述べている。世論はせめてこの水準であってほしい。

2011-05-11

米国DOE及び文科相による航空機モニタリング結果 5月6日公表分

左図は空間線量率 シーベルト 右下図(小)はセシウム蓄積量 ベクレル
米国DOE及び文科相による航空機モニタリング結果
左図   地表面から1m高さの空間線量率 μSv/hr
右下図  セシウムCs-134+Cs137の蓄積量  Bq/㎡
(文科省 PDF LINK
Cs-134半減期は約2年、Cs-137では約30年です。
4/6~29日の調査を4月29日現在の値に換算。

1.黄色以上が3.8μSv/hr=20mSv/yr超級で飯館村はほぼ全域がこれに入る
2.-1 薄水色のエリアは白血病労災認定される放射線管理区域内線量相当。1.0μSv/hr=5.2mSv/yr=1.3mSv/3month
2.-2 米国が設けた避難地域:80kmエリア内の危険性が裏付けされている。
3.オレンジ部分は19μSv/hr=100mSv/yr超級の山下教授さえ認める高汚染地域。20kmを超え、一部は30km圏外へと伸びている。

放射線管理区域相当の汚染区域で、一般の労働者をなんの防護策なしに働かせることができるのだろうか?例えば学校の先生を(男性であっても)働かせることはできないはず。ましてや女性教師を働かせることはできない。
とすると、教師は学校で教えることはできないのに、本来大人の教師よりさらに厳格に保護されるべき児童は、校庭で自由に学び・遊ぶことを奨励されるといったとんでもない矛盾に満ちた基準が、文科相によって制定されている。数千人の児童を健康被害→いのちの危険にさらす文科相を法令違反でただちに逮捕すべきである。…といったシュールな現実世界にわたしたちは住んでいる。

2011-05-03

ビンラディン攻撃ミッション時のシチュエーションルーム

 May 1, 2011 Situation Room
↑クリックで拡大↓
the mission against Osama bin Laden
画像を思い切り拡大すると見えてくるもの。(オリジナルサイズはとても高精細)
  1. ’Osama’と’Obama’のスペルはよく似ている。ドイツ政府の誰かが早とちりしたのは故のないことではない。
  2. 案外古くさいHP社製のノートブックパソコン。安物のLANコード。
  3. クリントン:①執務中のネックレスは記者会見で見る太いものと違い、細いものを着用②ボールペンはプラスティックの実用的なものを使っている。よく似たものを他のスタッフも使っていたようなので、ホワイトハウスオリジナルか?(肌がしわくちゃでまるで老婆みたい、なんてことは見なかったことにしておこう)
  4. オバマ大統領:奥歯を噛みしめこめかみに青筋。ノッチに似ている
  5. 幽霊:デミ・ムーア似の若い娘はゴーストなのか下のリストに名前が載っていない
  6. クールビズ:大統領・副大統領ほか4名はノーネクタイ。五月に入ったからと言って、彼の地ではことさらクールビズとは言っていないだろう。
  7. 飲み物:コカコーラが二本。80%空のミネラルウォーターあり。汎用-紙カップはホワイトハウスオリジナルロゴ入り。珈琲とおぼしき紙カップのブランド名は詳らかではない。(Amuro Coke Ad LINK)
  8. オペレーション実施時から続いた会議は長時間に及んだ模様。(クリントンが何回トイレに行ったかは教えてあげない)
  9. トリポリ時間は02:03
  10. (クリントン長官は手で口を覆いオバマ大統領にも緊張感が…。Osama's Bodyでも見ているのだろうか…ここマジメ部分)
  11. 肥満は一人しかいない(クリントンの下半身肥満は黙っておこう)
それにしてもこの情報公開の姿勢。メッセージ送出の巧みさ。
画像LINK
Pic top
President Barack Obama and Vice President Joe Biden, along with members of the national security team, receive an update on the mission against Osama bin Laden in the Situation Room of the White House, May 1, 2011. Seated, from left, are: Brigadier General Marshall B. “Brad” Webb, Assistant Commanding General, Joint Special Operations Command; Deputy National Security Advisor Denis McDonough; Secretary of State Hillary Rodham Clinton; and Secretary of Defense Robert Gates. Standing, from left, are: Admiral Mike Mullen, Chairman of the Joint Chiefs of Staff; National Security Advisor Tom Donilon; Chief of Staff Bill Daley; Tony Binken, National Security Advisor to the Vice President; Audrey Tomason Director for Counterterrorism; John Brennan, Assistant to the President for Homeland Security and Counterterrorism; and Director of National Intelligence James Clapper. Please note: a classified document seen in this photograph has been obscured. (Official White House Photo by Pete Souza)

Pic bottom
President Barack Obama talks with members of the national security team at the conclusion of one in a series of meetings discussing the mission against Osama bin Laden, in the Situation Room of the White House, May 1, 2011. Gen. James Cartwright, Vice Chairman of the Joint Chiefs of Staff, is seen on the screen. (Official White House Photo by Pete Souza)



エネルギッシュなオバマ執務室

-大統領とスタッフのディスカッションの様子-
官邸のホームページを見るとそのデザインセンスにいつもがっかりする。
民主党のそれはもっとすごい。
ホワイトハウスとの差は歴然としている。
さて、
ビンラディン暗殺時のセキュリティルームでの安全保障チームの主要閣僚の様子を撮した画像があったので、それを見たついでにオーバルルーム(ホワイトハウス・大統領執務室)の画像を辿ってみた。


これは今年度の予算成立へ向けた大統領記者会見スピーチ準備のために大統領とスタッフがディスカッションしているところだ。リラックスした中に緊張感があり、集中している様が見て取れる。いかにも生産的な会議が行われているようだ。
翻って日本の官邸で首相や官房長官を囲んでこのようなエネルギーが溢れた会議が行われているとだれか想像できるだろうか?

若いメンバーの時だけではない。副大統領も一緒のこのディスカッションの様子はどうだろう。会議机に向かってしゃちほこばっているわけでもなく、誰もメモなぞ録っていないし、日本ではおなじみの厚い資料が配られているわけでもない。どこかに発言を録音してきちっと記録を残しておく工夫はしてあると思うが…。
(大統領の好みなのかテーブルの中央にはよくリンゴがおかれている。)
サマリーが数週間も待たされる日本では考えられないだろうが、同日中ののサマリー作成は常識だろう。四時間にも及ぶ統合本部記者会見の非効率性をみて愕然とする。首相補佐官が出席する会見があのざまだ。補佐官にはもっと効率的に物事を運んでもらいたいし、記者たちのぐたぐたかげんにもうんざりする。

2011-05-02

フィヨルド 絶壁上のテラス

ノルウェー フィヨルドの観光地:プレーケストーレン(Preikestolen:演説台の意)
海から垂直に600mの断崖が立ち上がっている。
わたしなら決して足を踏み入れないテーブルの上は防護柵も手すりもない。年齢制限さえなさそうだ。25mx25mのテラスの上は日本には無い常識が支配している。
ちょっとちょっと こどもたち!
うーん まんだむ

ふくいち3号機の大爆発は即発臨界か-和訳付動画


(和文字幕付 字幕無しが選べます)

こんばんは。フェアウインズのアーニー・ガンダーソンです。
さまざまなトピックについて、たくさんのメールをフェアウインズにいただいてます。
あるトピックが、たくさんの質問や懸念を生み、とても思慮深い内容も寄せられています。そのトピックとは、3号機で何が起こったのか?なぜ1号機その他と違うあのような爆発が起こったのか? ということです。
本日は、3号機についてこれまでに分かっている確かなことと、破壊の原因と考えられるいくつかのセオリーをお話したいと思います。
はじめに、3号機の爆発は1号機よりずっと劇的でした。
技術的な用語で、detonation とdeflagration があります。
それらは、両方とも爆発の事象を表わす言葉ですが、
deflagrationは衝撃波が音速であり、detonationは衝撃波が音速を超えるものです。
detonationは、deflagrationよりずっと破壊的です。
これらの用語はより技術的に見えますが、まさにこの二つの差が1号機と3号機で起きたことの違いといえます。
1号機からの噴煙を見てください。煙が建屋から離れていく動きは、3号機のものに比べてとてもゆっくりです。
ここでいくつか指摘したいと思います。これは、3号機についていくつかの明確に判明している点をもとに、なぜこのようなことが起きたかという理由を推測したいと思います。
3号機の爆発は、1号機に比べてはるかに大きなものです。
そして、私たちがベクトルと呼んでいる爆発のエネルギーの方向は1号機と違い、すごい勢いで真上に伸びています。
3号機の上向きのベクトルは、1号機のベクトルには無いものです。あとでお話しいたますが、これがとても重要な手がかりになります。
次に、3号機では明らかに爆発がありました。建屋の南側、つまり右側を見てください。
黒い煙が立ち昇る前に、明るい黄色の閃光が見えます。これも重要な手がかりのひとつなので、後ほど説明しましょう。
その他のこととしては、プラントから2マイルも離れたところから多数の燃料棒の破片が見つかっています。
以前にもお話しした4号機に目を向けるなら、4号機の使用済み燃料プールは水がなく、燃料棒は露出していますが、
燃料集合体は損傷を受けていない。
ということは、2,3マイル吹き飛ばされた燃料棒の破片は4号機の使用済み燃料プールからではなく、
3号機からと見た方がいいでしょう。
また、とても細かな粒子のウランがハワイと西海岸で検出されました。同じくパウダー状のプルトニウムも検出され、
アメリシウムは、ここ、ニューイングランドでも検出されています。
これらの物質は超ウラン元素と呼ばれ、ウランよりも重い。そして、その核種の検出は、フクシマの燃料棒が揮発したことを意味します。
爆発後の3号機の写真を見ると、建屋の大部分、特に南側が無くなっていることが分かります。
しかし赤外線写真を見ると同じ場所に高温部分の熱源が確認できる。
このデータが示していることは、3号機の格納容器・原子炉は損傷を受けてないということでしょう。
そこで謎が残ります。原子炉に損傷は無いのに、建屋は吹き飛んでいる。なぜでしょう?
50x50x50フィートの使用済み燃料プール容器内の{水}は空の状態だったと私は思っています。
そこにガスが溜まり上向きに爆発した。プール上部はもともと吹き抜けており、側面は防御するバリアとして働くので、その構造が上方への爆風を起こした。
さらに、説明を付け加えましょう。
私が言わんとしているのは、プールは上に向けられた銃口のようなもので、上に向けて狙い発射した。
ビデオを見ると、多量の破片が落ちてくるのが見えます。それらは、燃料棒を含む燃料集合体で、プルトニウムやウランの破片でしょう。
プルトニウム、ウランは2,3マイル離れたところからも検出されているのが納得できます。
その他としては、噴煙の黒さでしょう。その黒さは、ウランやプルトニウムが揮発したことを意味します。
それらはごく細かな粒子となり、太平洋を越えて、ハワイ・西海岸や、ここニューイングランドにまでも到達したのです。
何が上昇のエネルギーをもたらしたか?
それはただの水素反応だったと仮定すると、水素が酸素と結合して水を作る化学反応{水素爆発のこと}です。その化学反応が起きた時はdeflagrationで衝撃波が音速で伝わります。これが1号機で起きたことです。
劇的ではありますが、爆発的ではない。
何が3号機の爆発を引き起こしたか?
明らかに3号機は爆発であり、その二つの理由があります。一つは、噴煙が上方に立ち昇っている大きさ。二つ目は、赤い閃光が建屋の側面で光ったこと。
deflagrationは、あのような閃光は伴いませんが、detonationは閃光を伴います。
何がdetonationを引き起こしたのか?
水素・酸素の化学反応{水素爆発}だけではdetonationは起こりません。それ以外の何かがなくてはならないのです。
なぜかというのはまだ明らかにされていませんが、
適切であろう理由は、
①水素・酸素の化学反応が始まり{水素爆発が起こり}、
②それによって燃料棒が激しく動いて変形するような衝撃波が生じた。
③使用済み燃料プールでの燃料棒が変形し{集約したことで}即発臨界による核反応を引き起こした。
④その核反応が、プールから燃料棒・燃料棒集合体などを吹き飛ばし、噴煙を噴き上げる爆発のエネルギーと、3号機での劇的な場面を作り出した。
この仮説を確かめるには、噴煙に含まれる核種の同位体を調べることです。現在、米軍機がサンプルを採集していますから、ラボで分析中でしょう。
2つのキセノン(Xe)の同位体ですが、比率によりますけれども、それによって、使用済み燃料プールで即発臨界を起こしたかどうかが分かります。
証拠は、まさにそこにありますが、まだ私たちの手には入っていない。おそらく、政府は持っていると思います。
ありがとうございました。
さらなる情報がありましたら、お知らせいたします。

LINK=>
http://www.universalsubtitles.org/ja/videos/2TnNJkefdfyZ/ja/72595/

------------------ 

即発臨界 そくはつりんかい ATOMICA LINK 
 引き続く世代の中性子数の比が1、すなわち核分裂による中性子の誕生数が、吸収または漏れによる中性子の死亡数に等しいならば、その系は臨界であって連鎖反応の維持が可能である。核分裂による中性子の99%強は実質的に瞬時に放出される即発中性子である。小さな割合であるが、核分裂生成物の崩壊により遅れて発生する遅発中性子も存在する。未臨界にある体系に例えば核分裂性物質の追加により反応度を徐々に増加すると、最初に遅発中性子の数も入れて臨界(遅発臨界)となり、さらには即発中性子のみで臨界となる。この状態(即発臨界)では、即発中性子の再生のみで連鎖反応が維持され、急激な出力上昇が観測される。
おなじくATOMICAより 即発中性子と遅発中性子について LINK

2011-05-01

痛快 Itokenstein 大いに怒る 菅・高木に単位はやれん

発言者 伊東乾氏 東京大学准教授:作曲=指揮・情報詩学研究室

-------------------------------
@yukokimura1002 んなことないですし、そもそもフリーの頃に比べれば最近の僕は両翼とも捥がれたようなもので、国立大学教員になった時期に作曲も演奏も注文がほぼ皆無になって、再びゼロから一つ一つ積み重ね直している途中に過ぎません・・・思うに任せぬものです。
posted at 00:38:42
以前も記しましたが核兵器の全廃という大シナリオの中で高濃縮核燃料をどう社会経済にプラスに還元するかの文脈の中、平和利用としての原発が構想された当初の動機は決して過去のものではなく、現在も今後も放射性物質がおかしな方向に流れず人類にプラスに働く方途を求める必要に変化はないと思います
posted at 00:42:26
現在の危険なシステムをそのまま回し続ける事に大きく疑問がありますがオバマがプラハ宣言で述べた延長、ある種の勢力が大量破壊兵器として経済価値を失った濃縮核燃料を濫用するような方向には絶対に持ってゆくべきではなく、人類がどう事態と直面するか、大げさでなく本質から考える要ありと思います
posted at 00:45:33
福島県内の学校校庭の汚染土の保管場として東電福島第一原発敷地内が名乗りを上げたとの報。えてしてあるべき当然の申し出と思う。 一方「可能性の一つとしてありうる」云々という細野補佐官の言葉には、何を抜かすか、と呆れる。本当にこんなのしか居なかったら、日本は困ることになる。
@fvjmac @marizooooo 一まずは地方公共団体の判断で、国の愚策をものともせず進めているようで頼もしい限りと思いますが、本質的には出所の明白な公害ですから、後々東電に請求など出して然るべきと思います。というより地方税で賄うべきものかとも改めて思いました。企業の責任。
posted at 02:02:17
現在の政府の混乱した放射線見解、科学的な判断もさりながら、まず内閣法制局的意味で既存の放射線諸法規と照らして最低限の整合性が取れない判断の濫発は、まともな政府機能として疑問を持たざるを得ない。閣僚以前に政策調整の小姓をやっている筈の補佐官が完全に無能なのでしょう。万死に値します。
posted at 02:11:04
小佐古氏の憤懣やるかたない辞任の大きな一因は既存の放射線関連法規の1の1も体に入っていないド素人が政策調整のつもりか場当たり的にいい加減なその場しのぎを決定事項にしてしまう無軌道の明確な弾劾と思います。国や子どもの未来が大事、下らぬ担当者なら首相含め全て降ろしてしまうべきでしょう
posted at 02:16:31
私は出来るだけ現実的な目の前に合理的判断を下したい考えですがこの所の20mSv/yrを巡る文科相の低見識、小佐古教授の内閣参与辞任、その後の首相・文科相の救いがたい国会答弁と福島の学校汚染土などで垣間見える補佐官の無能ぶりなど見、この人たちでは無理ではないかと思うようになりました
posted at 02:21:47
震災&事故以来、目立たぬ所で政策の役にも立つよう自分なりに努力もしていますが、トップに来る者や実質的な調整者の基本的な能力に欠陥がありすぎては、救えるものも救えなくなります。まだ有為の人材はいると僕は思っていますが、現在の政府の体制が適材適所とは、逆立ちしても言えなくなり残念です
posted at 02:24:26
@rocks_31 具体的に考えると例えばICRPの幅を持たせた数値など対象区域の人口密度と勘案して適切に絞込みが可能なものと理解します。住民が極端に少なければ低線量でも推定ガン死亡者の期待値は低く留まります。逆に人口密集地ではリスクは高まります。ただ数値を引くだけは最低の驢鈍で
posted at 02:28:06
@kmitsunaga 素はどちらかというとかなり色の強い表現をするので、日頃努力して冷静に判断するようにしている訳ですが、判断能力のない者が道具を理解せず誤った使い方をするのを見て、出来の悪い学生の答案と同様のものを感じています。本件、首相も文科相も単位を出せない水準です。
posted at 02:30:28
国にとっても、また被災地の子どもたちの大切な未来にとっても、もっとも重要な判断を下そうというとき、こんなお粗末な頭と胆力の連中に未来を決められてたまるものか!というのが、小佐古氏の憤りの真意と思うし、僕もこの点については完全に同じ気持ち。馬鹿に決裁権を与えて心中したいと誰が思うか
posted at 02:32:33
保守合同以来原発を推進してきた自民党政権下でなく今の状況を迎えている事に一定の意味があると思っています。薬害エイズ時の厚相だった菅氏が宰相も一定プラスに考えようとしてきました。が、具体的な数値や諸法規の整合性などまつりごとを束ねる「ここだけは」というポイントが疎か。これはいけない
posted at 02:40:34
@rocks_31 政治的判断の実効的最終段階に、科学技術の本質的考え方と、判断の胆力と、双方を備えた人材が必須不可欠です。国内に誰がいるのか、定かに確信が持てませんが、ドイツのメルケル首相、アメリカのチューエネルギー長官など理系のトッププロで政策判断者という人を見るだに・・・
posted at 02:53:21
今回は、かなり失望しています。情けない国会答弁を見て*「ああ豎子、ともに謀るに足らず」という鴻門の会での范増の言葉を思わず想起しました。 ありゃ*馬鹿です、ハッキリ言った方がいいのでハッキリいいますが。
posted at 02:55:25
@Yukfra 大いに出来る事があると思います。例えばツイッターで繋がっている代議士も与野党に沢山いますよね?菅政権内でも20mSv/Yr関連などマズったと思っている人は存在しますがタイミングがない。機会を与えてやるのは大事ですし学校の表土など国を無視して作業は進んでいる訳ですし
posted at 02:58:02
@Yukfra 王様は裸だ、と指摘し続けることから先を見つけてゆくしかありません。事実すでに国の方針ながら小佐古辞任後あの数値を信用する地元の人は殆どいなくなってしまったではないですか。小ざかしい手続き論に拘泥して民衆から愛想をつかされるのは愚かな判断者と早く気づくべきでしょう。
posted at 02:59:47
10年ほど前に内閣府のプロジェクトで政策案を沢山書いた事がありました(「動け!日本」)で根拠をもった力ある政策をほぼ悉く握りつぶされた経験があります。腹芸による調整が優先したためでした。責任は官僚側にもあれば当時の自民党側にもあります。民主党政権、改まる事を期待したので殊更に残念
posted at 03:02:42
限られた経験ですが自分なりに大学人として施策に関わった事も少しはあり、小佐古さんの辞任の弁や周辺の報道、辞任後の答弁など見て、大方のやり取りの察しがついてしまい、ここに命を預けられるかと訊かれたら、これではたまらんとしか答えようがなくなってしまいました。真偽の基準なき学級会の様相
@lila_luz 冗談じゃない、というか人事が冗談のような高木文相は「3.8μSv/hを越える場所でも時間を区切れば・・・」うんぬんと抜かしました。ここで指摘するようになったのはここからでした。
posted at 03:38:04
@rocks_31 仰るとおり、菅氏は珍しい理系宰相だったはずですが、世代柄なのか大学でろくな基礎を身に着け損ねた様子で残念です。博士号を持つメルケル、ノーベル賞受賞者のチューさんなどと比較することも憚られますが、これに代替する人材と考えると・・・何とかならんのでしょうか
posted at 03:48:01
まず最低限3月11日以前の段階の日本国内での放射線関連法規の数値基準の徹底的な再検討からやり直さなければ、国民に信頼される国の基準値も参考値もありえないでしょう。雇用者がその条件で未成年者を就労させたら刑事処分を食らう様な環境で国が義務教育など呆れるを通り越して言葉がありません。
posted at 03:48:24
@lila_luz 素で怒って言っているのではないのですよ、愚かな形式的な判断未満に、きちんと目を向けて欲しいといっているのをお分かりいただけると嬉しいです。
posted at 03:50:56
おかしなものにはおかしいと決然と言う必要がある、そうでないと、これは明確に公害ですから、影響がはっきり出る、それに正しく憤りをもって、けじめをつけて対処するべきだと思うのです。
posted at 03:52:36
@plgquantz8171 ご指摘の通り、政治家が政策も内容も勉強せず、ジャーナリズムも政局まわりの雀にしかならなければ、このような堕落はもとより、とも思います。それにしても、どうしてここまで酷いのか・・・本当に残念です。
posted at 03:55:18
いえ @lila_luz さんのツイートで、ああそのように誤解されるとマイナスだなと冷水を浴びる意識を持ちました。僕は本業で台の上で本気を入れていろいろな感情を発しながら、同時に冷静に聴くという仕事をします。憤りにウソはありません。しかし訳解らずメディア上で当たったりもしません
posted at 04:07:13
以前他の方が「空き菅」などと書かれるのを、あまり良くないのではとお話した事もあった。けれど今回は直面してしまい、冷静に指摘せざるをえない。首相は市民運動型なのか原理に確信を持つイニシアティヴが見えない。文科相は工場労組叩き上げでまさに調整型と見え共通するのは確固たる知的判断の不在
posted at 04:08:06
「専門家」と同じ仕事を全て判断者に求めたりしない。でも「専門家」から上がって来る内容を自分自身の確信と繋げ確固たる信念として理解、実行する能力が為政者には必要と考える。その意味で福島の線量に関する首相と文相の判断は科学に照らしても法制度に照らしても「豎子ともに謀るに足らず」と思う
posted at 04:12:08
僕が「憤り」を明確に示す文言を書くのにも一貫した理由があります。天災や機器の事故の前での喜怒哀楽は全て問題解決と無関係で徹底して冷徹であるべき。しかし先日来の福島の学校・保育所の線量は既存法規とすら矛盾する人為による過ちですから人間に対して明確にアピールしなければ改まりません。
posted at 05:57:51
官僚が上げてくる文書や数値は各々それらしい根拠を持って作文される筈、それらに統一的な審級を与えるのは宰相あるいは補佐官レベルのエキスパートであるべき。その真の意味での調整能力が現在欠如して見えます。今からでも遅くないと国の放射線基準全体の整合性から慎重な再検討を求めねばなりません
posted at 06:04:04
「電離放射線傷害防止規則 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S47/S47F04101000041.html 第3条1項、実行線量三月間一・三ミリシーベルト(年間5.2ミリシーベルト)を越える恐れのある区域」が放射線管理区域の定義。学校が管理区域相当
posted at 13:38:49
ちなみに年少者労働基準規則 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S29/S29F04101000013.html 第八条第三十五号「ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務」に「満十八歳に満たない者を就かせてはならない」環境に相当。
posted at 13:45:11
政府は福島から大量移住など社会経済崩壊を阻止するのが眼目、これは明らかで従来と別の試算で数値を捻り出したと見る。ここで考えねばならぬのは安全と正義だ。安全はもとより今20mSv/yr以下の被曝量で係争中の労災などあったらどうなるのか?認否どちらの判決でも大問題。正義が完全に不在。
---- (13:00以後のTweetを追加記入)
posted at 15:48:50
この状態だから法治国家として整合性の取れた全体像を早急に取りまとめる必要があったのに短兵急な数値を設定してしまった。一大愚策。先ほど労働基準法や施行細則など関連法規の夥しい定めに目を通したが、文科相の「安全」という国会答弁はこれらすべてを一言で否定する暴論で所轄官庁の長の器に非ず
posted at 15:52:53
ミスリードと思うのは労基法などに通じない医師に線量と健康被害の不確かな見通しを答申させる事。僕は原子力工学のかなりの部分が法規の勉強で占められているのを物理の目で批判的に見ていたが正直今回はそれを恥じた。社会のルールとして安全や補償を定める国法を政府が軽んじてよい道理はないと理解
posted at 15:56:08
@maisels まあ、推進してきた旧与党が野党席にいる訳でもありますが、事実上空転で意味をなしていない気がします。残念ですが、これでは低劣な衆愚議会といわざるを得ません。罵詈雑言ではなく、確かな基礎に基づかず、現行法や判例との整合性もない場当たり的な施策の必然の結末と思います。
posted at 16:07:41
--- 以下 5/2 ---
学校の汚染土の処理が一つのヒントを与えていると思います。国のルールが狂っても現地のリスクは変わりません。条例その他自治体が独自の判断で本当に住民を守るべく、県内あるいは他都道府県との連携の中で実効的な対策を打ち出しつつ、国政にも問うべき疑義を問うのが現実的かと思います。
posted at 16:10:54
小佐古さんの指摘、一番問題と思うのは政府が現行法規や係争中の可能性のある労災その他具体的な被曝案件と矛盾するものを基準としてしまい、更に「安全」などと口走ったのは明らかに勇み足。今まで長年厳密にチェックしてきた放射線管理区域は一体どうなるのか等、行政としての無責任は最悪と思います
posted at 14:20:31
一個人として報道を見、データや法規をチェックして思う範囲の事なので正確を期して専門家にも意見を伺っています。東大内でも余りに無軌道、と憤る教官は少なくなく、何らかの声明を出そうか、という話も漏れ伝わってきました。普通大学は文科省のやる事には静かですが限度を越えて目に余るとの意見大
posted at 14:24:12


------------------------------------------

発言者 伊東乾氏プロフィール 東京大学准教授:作曲=指揮・情報詩学研究室
博士(学術)(東京大学)
1965年 東京生まれ
1992年 東京大学大学院 理学系研究科 物理学専攻 修士課程修了
1995年 東京大学大学院 理学系研究科 物理学専攻 博士課程単位取得退学
1999年 東京大学大学院 総合文化研究科 超域文化科学専攻 博士課程修了
1999年 NTTコミュニケ−ション科学基礎研究所 客員研究員、慶応義塾大学 兼任講師
2000年 東京大学大学院 情報学環 助教授
2007年 東京大学大学院 情報学環 准教授
----------------------------------------
伊東乾の常識源流訪  日経ビジネスOnLine
これから「放射線」の話をしよう。=> LINK
----------------------------------------

** 豎子、ともに謀るに足らず **

現代語では「あんたとはやっとれんわ!」となる。豎子とは若僧(青二才)といった意味。項羽の軍師であった范増が、再三の諫言を聞き入れぬ項羽に、愛想を尽かしてついにもらした言葉である。
** 馬鹿(鹿を謂いて馬となす) **
秦の始皇帝没後、二世皇帝の時代、宦官の趙高の故事からきている。クーデターを画策していた趙高は、部下の忠誠心を試した。皇帝に献上した「鹿」を「馬」と言ったのである。あるものは趙高にへつらって「馬」と賛同し、あるものは「鹿」だと言い張った。趙高は「鹿」といった者をウラから暗殺したのである。これが、現在の「馬鹿」の語源とも言われているが、どこから現在のような意味になったか定かではない。

2011-04-29

これがジャーナリストだ!江川紹子だ!記者会見質疑 応答

新聞テレビといったマスコミが、安心・安全神話をまき散らし真実を伝えようとしない、まるで原子力村の広報室であるかのような現状では、わたしたちが真実にアプローチするための唯一の道はフリーランスの活動に委ねられている。Ustreamによるライブ映像とTwitterがかろうじてわたしたちの知る権利を保障している
記者会見において、切れ味鋭くことの本質に迫っていく江川紹子氏の質問は、はぐらかし名人揃いの回答者たちのごまかしを許さず事実を引出していく。クラブ記者たちの質問がいかに緊張関係のない馴れ合った、レベルの低いものであるかが浮き彫りにされた。江川氏によって緊張感のある質疑応答となった記者会見の模様は以下の通り。
(文字起しは@evoliumさん Togetterまとめは江川( @amneris84 )さん)

<<4月28日 統合本部記者会見>>
1.浜岡原発再開
江川:フリーランスの江川です。何点かあるんですけども、一つは、保安院の方にですね。今日、今流れているニュースで、浜岡原発のほうが、3号機ですか、7月をめどに再開するというニュースが流れております。 
以前、4月の21,22だと思いますが、保安院の検査も入られて、今月中に評価をするということだったんですけど、その評価を待たずにですね、こういう再開についてのプレス発表を行っているということについて、どのようにお考えかということとそれからその評価について、いつどのような形で発表されるのかということをまず教えて下さい。

保安院: 保安院では、今、各発電所について浜岡も含めてですね、緊急の安全対策、大きな津波で、全部の電源それから冷却機能等が消失した…失われてしまった時でも、なんとか冷やせる状態に持ち込むと、こういうことができるかどうか。
   それから、非常用のディーゼル発電機の台数がちゃんと2台、止まっている時でも、あるかどうか。それから電源系統全体が、こないだの東北で落ちたような形にならないかどうかと。この3つのポイントで今、対応してもらっておりまして、
それで、各発電所にお願い…お願い…指導しております。
それで浜岡については、そういうことを一応やったということですので、私どもの検査官が今仰ったように入って確認をしております。ただまだ結論は我々としては出しておりません。
これについては、こういう、この間のような大きな津波が来たことで、これだけの事故が起こっているわけですから、浜岡の関係の方々のご心配はさぞかしと思いますので、良く、皆さんに納得頂けるような評価をしたいと思っておりますので、まだ保安院として結論は出しておりません。
で、これ、いつだすかというのはなかなか難しくて、今そういうこともあるので慎重に考えたいと思っていますので。いずれにせよ評価した時にはきちっと、ちゃんと説明を当然申し上げるようなことになりますし、また地元へも、ちゃんとお話する必要があると思っております。ですから、今のところまだ結論は出てないし、それから、えー、いつということを今申し上げることは難しいという段階です。

江川: 結論が出ていないのにもかかわらず、7月めどに再開をと、こういうプレス発表までしたということは、どうお考えでしょうか。

保安院: ちょっと私もプレス発表をよく自分で見ていないのですけども、いずれにしても、そのことと実際にそういう風になるかどうかということは、話が別ですので、我々としては、もし仮にそういうことをされているとすれば、*
   それは事業者としてのご希望を表明されたということだろうと思いますけれども、それと実際にそうなるかどうかとは別だという風に考えております。

江川: ただ実際に調査があるにもかかわらず、その結論を待たずにですね、こういう何か、都内で開 催した決算会見で、明らかにしたということが報じられていますけども、その保安院の検査の評価も待たずにですよ、こういうことを公表するということについては、問題だとはお考えになりませんか。

保安院: 決算ですか…決算? 決算の…、いずれにせよ結論は今申し上げたようなことなので、そこでどう言うかに関わらず、実際に動かせるかどうかということとは別のことです、ということでありますので。あとはまあその、そういう状況において、決算で発表された内容というのを、決算のことであれば、決算関係の方々がどうとられるか、ということだろうと思います。保安院としては、そこは中部電力は、ちゃんと分かっていると思います。

江川: 「分かっていると思う」というのはどういうことなんでしょうか。

保安院: まだ、保安院の結論は出ていないし、そのことが出た上で、地元にもちゃんと説明して、ご納得頂けるかどうかというプロセスがこれからあるわけですので。そういうことが先にあるということは分かっていると思います。

江川: 特に問題は感じてないということですか。

保安院: 何を問題と思うかですけども、今のようなことが実態ですから、えー、一々会社がどうされたかということについて、こちらが、そこの内容を会社は良く分かっていると思いますから、一々のことについてコメントする必要はないぐらいかな、と思っています。

江川: それから調査しているのは津波だけですか。地震本体で…

保安院: 地震本体もです。もちろんそうです。

2.学校における放射線容量規制について 20mSv/年
江川: 分かりました。(次の質問に移る)
それから連日申し訳ないんですけども、福島の子供の問題なんですが、昨日の段階で確か、どういう方に助言を求めたのかということをお聞きしたら、本間先生と成田先生のお名前が出てこのお二人ということだったんですが。
私、本間先生にお話を伺いましたら、本間先生はこの20ミリという数字を出すことについては、「適切でないという風に申し上げた」という風に言われております。成田先生には確認はできませんでしたけども、そういうこと。あるいは昨日ですか、何かメーカーの方で、 この核戦争防止国際医師会議の方々だと思いますけども、お医者さんがですね、子供たちの許容線量が高すぎるのではないかという指摘をされました。こういったことを受けてですね、この数字について再検討をするということは無いのでしょうか。
あるいは、例えばその校庭の表土を除去すると随分変わるのではないかと、もちろんそういう処理の仕方について色々とまた揉めているようなので、容易ではないと思いますけども、例えば校庭の隅を深く掘ってですね、そこに取りあえず表土を入れておくとかですね、そういう方法も色々あると思うので、そういった助言をですね、なさるおつもりは無いか、予定というかそういう動きは無いのかということをお聞きしたいと思います。

原子力安全委員会(以下、安): はい。「20ミリシーベルト/年」につきましては、そういう枠組みで、文部科学省の方でスタートされて、私どもの方としても、それをよしとしたわけでございますが、この「20ミリシーベルト/年」につきましては、あくまで、それから下げる方向への、まあ出発点として設定しているものでありまして、そのまま、何ら低減努力をせずに放置し続けて良いというものではないと、いうことでございます。こういう時に達成可能な限り、被曝線量を低減させる努力が必要でありまして、もしも校庭等の空間線量率の低下の傾向が見られない学校等があれば、それは文部科学省、また地元、それぞれの学校等で、色々良く状況を把握してアクションを取ると…何らかのアクションを取るということを考えられるかと思っております。
原子力安全委員会としては、原子力災害対策本部に対しまして、学校等にそれぞれ一台程度、線量計を配布しまして、生徒の行動を代表するような教職員に着用させ、被曝状況を確認することを言ってございます。また児童生徒の被曝状況をフォローするために、二週間に一回以上の頻度を目安としてモニタリング結果を報告すること、いうことを求めておりまして、モニタリング等の結果に基づく評価の上、適切に文部科学省の方で対応してもらう、ということを期待致しております。

江川: 表土の件について、本間先生も勧めていらっしゃったけれども、特にそういう動きはないのでしょうか。

文部科学省(以下、文科): 本日、実は大臣の閣議後の会見でも、この手のご質問がありまして、大臣がお答えをしております。今、もともと今回の基準はですね、暫定的基準ということで始めております。これは新学期が始まってですね、

これはここの中でも述べています…さらに一学期間まず見てですね、モニタリングをしながらやって行く、ということなので、その後まだ更に必要な措置があるかどうか、暫定の基準を変えて行くということがあるかどうか、
それはまたモニタリングの結果なんかも見ながら変えて行くということはあるかもしれません。ただ、学校のほうの土壌の問題について、今日大臣が、午前の閣議で申し上げたことを申し上げれば、郡山市の方でこれが行われたということは、もう報道されている通りでございまして、これについては市の独自の判断として行われたものだと思っております。
校庭の表土の除去…土や砂を入れ替えなくとも安全の目安として、毎時3.8マイクロシーベルト未満であれば、平常通りの活動が出来る。3.8マイクロシーベルトを超えたところの校庭での活動については一定の制限、一日の内一時間に収めると、こういうことであれば…なお当然にして、できるだけ安全場所を確保するためには、手洗いやうがいをしたり、あるいは本の時は窓を閉めたり、あるいは屋内に上がる時は泥を落としたり…上がるとか、そういうことに留意すれば、今のままでも活動を行えると、そういう風に私たちは考えております。ただ大事なのはやはり継続的なモニタリング、目に見える線量測定をしっかりやらなければなりません。
もちろん状況の変化というのは、これは原子力発電所の収束を目指しておりますが、そういう意味では一日も早くコントロールされた状況に期待しております、という…同時に学校の先生方にも線量計を持って頂いて、安全の確保に心して行くということも重要でないかということを申し上げておられる、ということがございました。その中で、えー、まあ一方、ちょっとこれはご発言のあった中ではですね、地元との色々なお話とかですね…お話は今回やって行くということの必要性っていうのは言っております。従って、安全の確保ということで……
(以降映像から音声が消え、文字起こしできず)(暫く後の別の質問に移る)

3.原発事故の評価について
江川: 江川です。先程西山さんが、ちょっと仰ったことでですね、「今回のことは、どう考えても想定外の地震に襲われてこういう事態に陥っている」という風に仰いましたけども、未だに今回の出来事というのは、想定外のことが原因だという風に、お考えなんでしょうか。大分色んな指摘が今までも沢山あったこということは既に明らかになっておりますけども、それでもなお今回の事態は想定外のことが原因だと、こういうことですか。

保安院: その想定外のことが起こった時に、どう対応するかを予め考えておくべきかということとは別にしてですね、この地震自体を、あるいはこの大きな津波を予測できたかということについては、私は、国全体の見解ではないと思いますけれども、私自身の見解は、あの、想定外だったという風に思ってます。ただ、あの、その時にそういうものに襲われても、あのー、えー、あのー、その挽回する手立てというのは有るわけですから、そういうことをやっておく必要があったかどうかというのは、これはまた別の判断があると思います。

江川: 別の判断というと、どうですか。今の時点では、西山さん自身は、これはまずかったということなんですか。

 保安院: そうですね、今まさに各発電所にお願いしているようなことを…であっ…ぐらいを、せめてやって頂いておけば良かった、かなという風に思います。
江川: そうすると、それを十分にチェックできなかった保安院の責任というのはどういう風に考えていらっしゃいますか

保安院: それはあの、保安院も一定の責任があると思います。

江川: その「一定の」というのはどういう風にとらえたら良いんでしょうか。その、もの凄く責任を感じていらっしゃるのか、なんか今のお話だと、そうでもないような感じがするのですけども。

保安院: まーあの、それは非常に責任を感じていると言って間違いないと思います。

江川: じゃ、その責任をどういう風に表現をされるのでしょうか、保安院の方たちは。

保安院: まずあのー、今、次の事態を…まずはそうですね、そういう意味じゃ、今まさに細野事務局長にリーダーになっておられて、この事態を収めるところについて、我々も最大限の協力をするというのはまず第一歩ですし、それから、今動いている発電所もありますし、これからまさに、動かそうと思っている発電所、少なくとも電力会社の方としては動かそうと思っている発電所もあるわけですから、そいうことについてどう対応すれば良いかってことも考えて今、手を打っているわけですね。

江川: 今まで、ま、電力会社の言うことをですね、あまりにも鵜呑みにし過ぎていたという反省はあるのでしょうか。

保安院: 我々が電力会社の言うことを鵜呑みにしていたということは、私自身は無いと思っていますけども。

江川: じゃ、そういう面での反省は全くないということですね。

保安院: そこはあのー、えー…

江川: 厳しくチェックできなかったのは何故なんでしょう、じゃあ。

保安院: 我々は今までの知見に基づいては厳しくチェックしていたという風に思っています。

江川: じゃあその、保安院も、ま、認識が甘かったということなんですか。

保安院: それはそういうことがあったと思います。

4.20mSv/年についての本間先生の見解について
江川: 分かりました。(次の質問へ移る)

それからその、細野さんにですね、いらっしゃらなかった間に、いくつかのことが出てきたわけですけども。一つは子供の問題についてですね、昨日、安全委員会の方からお話があった、その○○の委員と二人の専門家の話ということで決めたということで、 実はその専門家の一人がですね、「自分はこれには賛成じゃなかった」ということをはっきり仰っていました。そういうようなことや、あるいは海外で、放射線関係の専門家の方、お医者さんがですね、この引き上げは20ミリというのは高すぎるんじゃないかと、いうような指摘もされているという報道もあります。そういうことを踏まえてですね、色々さっきから伺っているわけですけども、文科省はモニタリングをやって、今学期ですか、一学期様子を見てるような感じでですね、非常に見ていると対応がゆっくりな気がするんですけども、それについて、もう少し対応を急ぐようにですね、働きかけるとか、何らかされるということは考えていらっしゃらないでしょうか

細野: この、年間20ミリシーベルトという、この基準自体はですね、検査本部の方で、決定したと。安全委員会の諮問も受けて…提案も受けて、えー、まあ、えー、決めたということですので、手続きとしては適正な形で行われたものだと思っております。*

ま、ただ現実問題として、通っておられるお子さんや、親御さんがこれだけ不満を持っておられて、郡山のほうでは既にもうアクションも起こしているということですので、昨日も同じことを申し上げましたけれども、そういったことをしっかり踏まえて、政府として対応が必要だと、いう風に思います。で、今日の時点で、これが出来るということをですね、まあすぐには申し上げられませんけれども、政府内でも、色んなそういうことを受け止めてですね、やれることは何かという検討は急ピッチで進んでいるということだけは、申し上げておきたいと思います。

江川: さっき伺っているとですね、安全委員会のほうにモニタリングの結果はまだ受け取っていないと仰るんですね。だからそういうのを見ていると、非常にこの、まどろっこしい感じがするのですけども。もうちょっとですね、そういう対応を、あるいは検討をスピードアップするということを、是非働きかけて頂きたいと思います。

細野: はい、あのー、ええ。まあ、この場所かどうかは別にしてですね、しっかり、対応を、また報告できるのではないかと思っています。(この質疑のやり取りはここまで)
5.その他
江川: あと東京電力さんにですね、今すぐにお答え頂くのは難しいかもしれませんけども、明日でちょうど50日になるわけですよね。で、今回の対応でですね、この事故を抑えるためには色んなものを投入されたり、
海外からも協力してもらったりしていると思うんですけども、大体お金がいくら掛っているのか、あるいは工程表通りにやるためにはいくらぐらい掛かりそうなのか、ということをできれば出して頂きたいな、という風に思いますが。可能でしょうか。

東電: はい、あのー、どういったことがお答えできるかも含めまして、検討させて下さい。(この質疑のやり取りはここまで)
----------------------------
以上は
@evolium さんによる江川さん質疑まとめです。
丁寧な文字起しで、質疑の雰囲気もよくわかると思い、少し見やすくするためと自分のメモとしても残しておきたく、当ブログに掲載させていただきました。

原子力村ネットワーク - チャート

原子力村 原子力ムラ
Web状(蜘蛛の巣のよう)に張りめぐらされた原子力村ネットワーク

-------------------------------------------
河野太郎氏ブログ LINK
「トップを副社長で天下りさせていただくと…」
<サマリー>
日本の電力料金は「適正原価」+「適正利潤」の公式で決められる。
このことは電気事業法という法律で定められている。
適正原価は電力会社が計算し、チェックは天下り元の官庁がやる。コスト計算の元数字は私企業の情報だからと秘匿され一般人はもとより国会議員でさえ閲覧することができない。研究費として学界にばらまかれる資金、マスコミへ支払われる莫大な広告費もコストとして電力料金に上乗せされている。

--「ふくいち」の原発事故賠償金さえ悪びれもせず電力料金に上乗せして消費者から回収しようとする人達のことだ。きちんと精査すれば原価がどのようなもので構成されているか、闇から浮かび上がってくるものも多いことだろう。
---------------------------------
(11-05-01 追記)

現代ビジネス 京都大学熊取六人衆 => LINK

原発を所管する経済産業省と文部科学省は、電力会社に許認可を与える代わりに、電力会社や数多ある原発・電力関連の財団法人などに天下りを送り込む。さらに、研究者たちは国の原子力関連委員を務め、官僚たちとともに原子力政策を推進していく。

簡単に言えば、原発ムラとは、潤沢な電力マネーを回し合うことでつながっている産・官・学の運命共同体なのである。テレビに出て、どう見ても安全とは思えない福島第一原発の状況を前に、しきりに「安全です」「人体に影響はありません」などと語る学者から、原子力委員会、原子力安全委員会、経産省外局の原子力安全・保安院、東京電力も、それぞれ立場は異なるものの同根だ。

原発ムラの頂点に立つのが東京大学大学院工学系研究科のOBたち。たとえば、原子力委員会委員長の近藤駿介氏、原子力安全委員会委員長の班目春樹氏は、いずれも同研究科OB。NHKの解説でおなじみの関村直人氏、さらに実質的に日本の原子力政策を決めている資源エネルギー庁原子力部会部会長の田中知氏は、同研究科のOBにして、現在は同研究科教授といった具合だ。

小出:「あまりテレビは見ないんですが、3月12日に枝野(幸男)官房長官が記者会見で『1号機の水位が下がった』と言い、重大な事態だという認識を示した。ところが、その後のNHKで東大の関村教授が出てきて、『原子炉は停止した。冷却されているので安全は確保できる』というようなことをおっしゃった。唖然としましたよ。

炉の冷却ができなくなってから100分くらい経つと水位が低下しはじめ、その後20分位で燃料棒を覆う被覆管が溶けて燃料が顔を出す。やがて炉心溶融に向かうというのはスリーマイルの事故報告書を見るとはっきりと書いてある。研究者なら当然知っているはずなんです。関村さんの話を聞いて、『この段階で何を言っているのか』と思いました。隣のNHKの記者もさすがに怪訝な表情をしているように見えましたね」

共謀の文化-The Nuclear Power Village

Culture of Complicity Tied to Stricken Nuclear Plant

New York Times By NORIMITSU ONISHI and KEN BELSON  Published: April 26, 2011


It’s all about money,” he added.
At Fukushima Daiichi and elsewhere, critics say that safety problems have stemmed from a common source: a watchdog that is a member of  The Nuclear Power Village.
Though it is charged with oversight, the Nuclear and Industrial Safety Agency is part of the Ministry of Trade, Economy and Industry, the bureaucracy charged with promoting the use of nuclear power. Over a long career, officials are often transferred repeatedly between oversight and promotion divisions, blurring the lines between supporting and policing the industry.
監視がその役割であるにもかかわらず原子力安全保安院は経産省の一部門だ。しかもメンバーは推進側と監視側を何度も行き来している。

Revolving Door(回転ドア)
In Japan, the web of connections between the nuclear industry and government officials is now popularly referred to as the “nuclear power village.”
日本においてはこの民間原子力事業者と政府官僚のコネクションネットワークは、「原子力村」と呼ばれるようになっている。
Just as in any Japanese village, the like-minded - nuclear industry officials, bureaucrats, politicians and scientists - have prospered by rewarding one another with construction projects, lucrative positions, and political, financial and regulatory support. 
原子力事業者、官僚、政治家と学界で構成されるムラは建設プロジェクトによって、政治的・金銭的そして規制において有利なポジションを獲得することでお互いが潤うようになっている。

At Tepco, from 1959 to 2010, four former top-ranking ministry officials successively served as vice presidents at the company. When one retired from Tepco, his junior from the ministry took over what is known as the ministry’s “reserved seat” of vice president at the company.
東電はこの50年で4人の政府高官が天下り「指定席の副社長」に就いた。
In the most recent case, a director general of the ministry’s Natural Resources and Energy Agency, Toru Ishida, left the ministry last year and joined Tepco early this year as an adviser. Prime Minister Naoto Kan’s government initially defended the appointment but reversed itself after the Communist Party publicized the extent of amakudari appointments since the 1960s. Mr. Ishida, who would have normally become vice president later this year, was forced to step down last week.
最近では資源エネ庁の石田長官が本年、将来の副社長就任を見据えた顧問に就任した。事故後辞任することになったが。
(英文略)
米国のNRCや研究機関、事業者との間では考えられない関係が原子力村にはある。日本の学界で安全性などで原子力村に批判的意見を述べることは、その経済的なまた研究者としての地位を危険にさらすことになる

Backed by Keidanren - Japan’s biggest business lobby, of which Tepco is one of the biggest members - Mr. Kano served two six-year terms in the upper house of Parliament until 2010. In a move that has raised eyebrows even in a world of cross-fertilizing interests, he has returned to Tepco as an adviser.
経団連の後押しを受けて、東電元副社長加納時男は2010年まで参議院議員を2期務め、東電顧問に戻った。
While in office, Mr. Kano led a campaign to reshape the country’s energy policy by putting nuclear power at its center. He held leadership positions on energy committees that recommended policies long sought by the nuclear industry, like the use of a fuel called mixed oxide, or mox, in fast-breeder reactors. He also opposed the deregulation of the power industry.
加納時男氏は議員活動中、国のエネルギー政策に深く関わり原子力推進の中心メンバーだった。MOX燃料導入についても指導力を発揮し、電力自由化に反対してきた。

Most important, in 2003, on the strength of Mr. Kano’s leadership, Japan adopted a national basic energy plan calling for the growth of nuclear energy as a way to achieve greater energy independence and to reduce Japan’s emission of greenhouses gases. The plan and subsequent versions mentioned only in broad terms the importance of safety at the nation’s nuclear plants despite the 2002 disclosure of cover-ups at Fukushima Daiichi and a 1999 accident at a plant northeast of Tokyo in which high levels of radiation were spewed into the air.
さらに重要なことに2003年-この年は東電が福島及び柏崎で放射能漏れ事故を起こしてデータ改竄が発覚した翌年であるにも関わらず-加納氏の強いリーダーシップの元で国の原子力エネルギーへの傾斜政策が採用された。

Mr. Kano’s legislative activities drew criticism even from some members of his own party.
“He rewrote everything in favor of the power companies,” Mr. Kono said.
What is more, Japan would make the sale of nuclear reactors and technology the central component of a long-term export strategy to energy-hungry developing nations. A new company, the International Nuclear Energy Development of Japan, was created to do just that. Its shareholders were made up of the country’s nine main nuclear plant operators, three manufacturers of nuclear reactors and the government itself.
The nuclear power village was going global with the new company. The government took a 10 percent stake. Tepco took the biggest, with 20 percent, and one of its top executives was named the company’s first president.
さらに日本は原子力発電主要部分及び技術の販売を長期的国家輸出戦略と定めた。電力会社および原子力主要企業3社と国の出資による新たな企業が設立されている。
原子力村はこの新たな企業-政府10%、東電20%の出資と東電からの新社長送り込み-によってグローバル化を図ろうとしている

2011-04-28

「原発あんしんイデオロギー」--原発非常時電源不備

2011/04/26 00:20   【共同通信】 記事から
追加の電源装置、冷却機能に懸念 9社の原発ともんじゅ

東京電力福島第1原発事故を受け、外部電源と非常用発電機の全ての電源が断たれた場合に備え電力9社などが配備した電源車や発電機では容量が小さく、原子炉を冷却する装置を一部しか動かせず原発で原子炉を安定した停止状態にすることはできない

地震後の福島第1原発と同様に、非常用発電機が使えない場合には代替電源がないという状況は改善されていない。

原発を所有する電力10社と、高速増殖炉もんじゅ(福井県)を持つ日本原子力研究開発機構によると、事故後に電源車や可搬式発電機を原発に配備したが、こうした電源で動かせるのは計器類や小規模の注水装置だけで「非常用発電機のバックアップとは言えない(電力関係者)という。

日本原子力発電によると、敦賀原発2号機(116万キロワット、福井県)の安全な冷却には約3500キロワットが必要だが、配備したのは220キロワットと800キロワットの電源車1台ずつ。1825キロワットの電源車3台を手配したが、配備は「来年3月ごろまでに」としている。敦賀1号機では220キロワットを1台配備、800キロワットと1825キロワット1台ずつを手配した。

中部電力は東海地震の震源域にある浜岡原発(静岡県)で、廃炉手続き中の2基を含む5基に追加対策。現在ある非常用発電機に加え、津波の影響を受けないように海抜約14~30メートルの原子炉建屋屋上などに新たにディーゼル発電機計9台を設置したが、容量が小さいため、さらに敷地内の高台にガスタービン発電機3台を配備する。

北海道電力は、泊原発に3200キロワットの電源車1台を配備したが、1~3号機共用で3基の原子炉を安定的な停止状態にするには容量が十分でないため、2年以内をめどに1台追加するという。

ガスタービン発電機の設置などで十分な大容量電源が確保できるのは「2012年度初め」(九州電力)、「2年程度」(北陸電力)と比較的時間がかかる施設と、秋―年内という東北電力東通原発(青森県)、日本原電東海第2原発(茨城県)、関西電力、中国電力、「速やかに」(四国電力、原子力機構)などに分かれている。
---記事引用は以上---- 文章は少し直した。
(こうして引用していると、(自分は棚において)記者の文章力の無さに気付く。)
--------------------------------------
-manomasumi-
さて、新聞が追いかけるのはこの程度だ。今日の今日のこと、すなわち、対症療法だけがかれらの興味の行き先だ。そこから、少しだけ深堀りしてみよう。そもそも日本の原電は長時間の電源喪失などに備える必要がないのだ。2002年の原子力安全委員会の規定でそのようになっている。(これが証拠。)だから電力会社はのうのうと、役立たずの電源車を配備し(口先だけかも知れない)本格対策を先延ばしすることが、可能だ。(法的に免責される)
http://www.nsc.go.jp/shinsashishin/pdf/1/si002.pdf p22
いま、原発が爆発し放射線がばらまかれ、命が危機にさらされ、人々は少しだけ原発の危険性に気付き始めた。だけど本当に危険なのは、わたしは思うに、この数行に込められた様々なイデオロギーなのだ。このイデオロギーが原発をこの日本に立地させるポイズンなのだと思う。(「脱原発 草稿」 ブログ内 Link )

脱原発(草稿)

原発は葬り去らねばならない。311福島からそのことぐらいは学べるだろう。原発をなくすことが非現実などという馬鹿げた洗脳から解かれていい頃だ。
しかしながら、現実的では無いということに一定の事実がくっついている。原子力村という巨大な既得権益集団の存在だ。電力会社・経産省・議員・学界・テレビ、新聞業界、それらのあらゆる所に彼らは蔓延っている。枢要部分を制し、人々の思考は既得権益の方へなびいている。既得権益集団は311後のごく当たり前の未来図を引き裂こうと身構えている。これらの集団との闘いは避けることができない。オールニッポンなどという甘えは、敗北への入口だ。

人々の心に根ざした既得権益への指向を断ちきるためには、新しい世界の夢を語らなくてはならない。地図を示さなければならない。なんどもなんども。
既得権益集団にくっついていくことがどれだけ危険であることかを人々に知らせる努力がいる。彼らの情報隠しを暴く努力がいる。

地獄の裂け目が現れたかのような黙示録的な世界を曇りのない目で直視しなければならない。官邸やご用学者がいうような安心や安全はどこにもない。かりそめの安全だったことを、福島の事実を前にして今知らなければ…。

政治性抜きに未来があるなどという、お為ごかしの言論の中にわたしたちはどっぷりとつかっている。脱原発を成し遂げることは、政治的な闘いそのものである。そこには脱原発をはばもうとする敵がいる。イデオロギーがある。当たり前のことだと私は思う。

イデオロギーアレルギーこそ、日本社会に蔓延る古くさく強固なカビの栄養素だ。
--------------------

2011-04-27

(GoogleEarthより)すごい立体地図画像

Missiles Into Models
BY DAVID ZAXToday
A Swedish aerospace technology company beats swords into ploughshares, turning missile tech into what some have called "Google Maps on steroids." Nokia just released a product licensing the tech.
http://goo.gl/xGtGT


スエーデンのSAABより独立した航空部門が開発したミサイル誘導技術を応用した立体地図作成ソフトをNokiaが開発。
グーグルやBingとは違い360℃の視点から立体図を見ることができる。
GoogleEarthでは人出によってマニュアルに作成されているがC3では98%自動的化されている。


Last week, Nokia released an upgraded version of it mapping service, Ovi. The upgrade was a milestone for a company called C3 Technologies, a spinoff from Saab, the Swedish aerospace company (no longer associated with the car company). Nokia's application was the first public use of C3's powerful new mapping technology.
Derived from tech that was intended to guide missiles, C3's peacetime use renders 3-D color models of entire cities (like San Francisco, whose map is pictured above)--its buildings, statues, even its trees--to a resolution of 15 centimeters.
"The world is not flat," declared Nokia triumphantly on its blog (leading Thomas Friedman to spit out his cup of coffee and recall all copies of his bestselling book).
"Unlike Google or Bing, all our maps are 360° explorable," the company's Paul Smith told Technology Review, which published a piece on C3 today. The major leg up C3 has over Google or Bing is its process. C3 flies over cities with a trade-secret number of cameras and snaps the minimum amount of photos to be able to infer the shapes of all the buildings. What we do know, according to Technology Review, is that "four cameras look out along the main compass points, at oblique angles to the ground" while other cameras "capture overlapping images from their own carefully determined angles." C3 software infers depth from the 2-D pictures.
This video shows how playing with C3's maps--twirling, panning, zooming--on a tablet could easily make you feel just a little bit like, well, God.

While Google Earth also has some accurate rendering of 3-D buildings, it typically relies on manual labor to do so. C3's process is "98% automated," apparently--necessary since it has declared as its mission "to map the entire world."
And not just the exterior world. C3 also has its eyes on mapping the indoors of buildings. It envisions a variety of applications of its technology, and has expressed a particular interest in augmented reality--provided cell phone GPS, which currently locates users less precisely than C3's renderings, catches up.
FAST COMPANY NOW DAILY
The most popular and talked about stories of the week.
SIGN UP TODAY:

C3, in the meanwhile, has its work cut out for itself. "It's the start of the flying season in North America," Smith said to Technology Review, "and we're going to be very active this year."

2011-04-24

東電・保安院 統合記者会見について(TL纏) 言論圧殺の試み

(1)早野龍五さん 
@hayano さん 4/23 TL ----(引用開始)
(僕は4/21の放送は見なかったのですが)NHK 時論公論 「災害時の情報発信」が,NHK 解説員室ブログに出ていました.http://bit.ly/f3Tic7
posted at 14:19:46
【4/25より福島原発事故対策統合本部の共同記者会見】http://bit.ly/hwPUsI
(メテ?ィアの方々は事前に登録;報道倫理を厳守;職員の指 示に従わない場合等には、退出 ... 随分といかめしい. net中継はできなくなる?)
posted at 15:19:01
(インターネット報道協会会員OKだから,NET中継はOKなのね,多分)【4/25より福島原発事故対策統合本部の共同記者会見】http://bit.ly/hwPUsI
posted at 15:38:16
toofuya とーふや hayanoがリツイート@ @hayano これまで連続して中継してきたところでは実質ニコニコ生放送だけになりかねないです。
http://bit.ly/egsgdm お気に入り リツイート 返信
(マタ ヤッテシマッタ ラシイ 「日本インターネット報道協会」のサイトが落ちた?)
posted at 18:11:23

--------------------@hayanoさん TL引用おわり-----------

(2)NHK科文 
4/24超早朝TL  ------(引用開始)

さて(ガラリ)東電がきょう発表した「福島原子力発電所事故対策統合本部の共同記者会見の実施について」というリリースをめぐり議論が起きています。みなさんはどうお考えですか。かぶんは、会見への参加を認めない場合の説明責任を果たすべきと思います。
http://bit.ly/hUqw0R
posted at 01:34:16
ご意見ありがとうございました。さて東電のリリースを読むと http://bit.ly/hUqw0R 雑誌、ネット、海外メディア、フリーに門戸を開くことは明記されています。報道規制という反発を慮ったのでしょう。明記したからには厳守する義務があり、運用を監視する必要があります。
posted at 02:14:07
ちょっと極端な提起ですが、東京電力の1日2回程度の会見を、老若男女ご職業問わず誰でも出席できるよう、数百人~数千人~?の大ホールで毎回開くべきでしょうか?すみません極端すぎでした
posted at 02:21:02
仮に、記者会見の参加をある程度の人数に絞るとします。選別を誰がするのか。企業側が選別するのが今回の東電などの提起で、参加する記者側が選別するのが、批判の多い記者クラブ方式です。ちなみに日本に比べ開放的とよく言われている海外の記者会見は主催側が選別するのが一般的です。
posted at 02:32:38
小ネタ(大ネタ?)ですが海外でも記者クラブ自体は珍しくありません。例えばジュネーブにも国連記者会があり、定例会見に参加するには加盟が必要です。日本の記者クラブと違うのは、加盟資格を判断するのが記者クラブではなく政府や企業がしているということです。
posted at 02:48:05
多くの論点がありますが、継続的に討論しましょう。マスメディア、フリー、ともに参加して中身の濃い、発展的な記者会見を実現するべきです。きれいごとをいうな?ウ~ン
posted at 02:59:00
ちなみに政府大企業などのいわば権力側が会見を主催し、大本営発表を続けた時代の反省から、会見を記者たちが主催しようという思いもあって設けられた記者クラブ制度が、再び大本営といわれるのは皮肉です。
posted at 03:04:38
海外と日本の記者会の違いは、日本の「閉鎖性」とされます。ちなみにかぶんは記者クラブにほとんど加盟した経験が無いまま記者を長くしてきたもので、だからというわけではありませんが、批判を受けて信頼を失うぐらいであれば記者クラブの門戸を開いてもデメリットは無いと考えます。
posted at 03:15:36
もうひとつ(深夜までおつきあいいただき恐縮です)記者クラブが会見を独占している、というご批判は、一方で、限られたメディアにしか取材に応じない政府や省庁、企業は知る権利を侵害している、という批判にはならないのでしょうか、とも思います。民主政権では開放が進んでいますが。
posted at 03:20:26
もうひとつ(しつこくすみません)会見の全部ネット中継、あるいはアーカイブ化については、かぶんだけでは実現できないもので機会あるごとに提案しているところです。デジタル放送のサブチャンは実現性があるかどうか担当者に聞いてみます。
posted at 03:27:16
ちなみに東電には記者クラブがないので、マスメディア、フリー混在の熱い、時には迷走、の議論が交わされ、記者にとってはいい経験になっていると思います。ニコ動コメントには時々凹みしているようですが。
posted at 03:33:33
缶コーヒーを飲んでいたら、「クラブ記者、コーヒーなんか飲むな!」とコメントされたとか・・・orz
posted at 03:37:08
記者クラブ体制維持論があるとすると、今回の東電等の発表のように、主催者側が会見を仕切る、という動きはそのうち既得権益がおかされかねないとして記者クラブこそ反対しないといけないのでは、とも思います。
posted at 03:38:30
会見での質問が拙い、報道が知りたいことに答えていない、ということは記者クラブがどうという問題ではなく、私たち科学文化部の力量、取材姿勢へのご意見として受け止めます。今後ともぜひ具体的にご批判ご要望をブログにお寄せください。 http://bit.ly/hN3t2d
posted at 03:46:39
3時のおやつをすぎてしまい、みなさんおつきあいいただきまして有り難うございました。ではちょっと失礼しておやつの時間に・・・
posted at 03:48:08
太る前にもうひとつ思ったこと。東電の担当者は全ての会見を記録していますが、官邸のように内容を文字起こししてwebで公開するべきだと思います。ではおつかれさまです・・
posted at 03:53:23
-----------------------NHK科文 TL (引用終わり)
(3)伊藤公紀さん
「保安院・東電会見からIWJなどを締出す」件。早速出ました、日本の民主主義が幼稚な証拠。サンデル氏の「原発は日本の民主主義の試金石」が、政府に向けられたものと言うよりも、日本国民に向けられたものだとすれば、我々が何をすべきか真剣に考える必要がある。
posted at 23:47:58
IWJの件は、日本の民主主義が弱いという証拠が現われているのです。我々は抵抗しなければなりません。@masason @aim_co_ltd
posted at 00:55:47
-----------------------
<その後の経過 4-24 13:30現在>
@hatakezo 福島原発事故対策統合本部の定例会見。事前登録締切は本日正午。「参加可」との連絡がない人→ @uesugitakashi @tanakaryusaku @ogawahiro @syukan_kinyobi @yamebun @hatakezo #fpaj
posted at 13:13:08
@hatakezo 確認中。 RT @konotarogomame: 細野ごうし首相補佐官と話をしました。不安院にならないように、記者会見はフリーのジャーナリストにも開放されます。ただし、これまで全く報道の実績もない人はべつです。上杉さんも自由報道協会もOKです。細野さん、ありがとうございます。
posted at 13:14:39
@uesugitakashi 【要望なう】 細野豪志・東電事故対策統合本部事務局長殿 「共同記者会見」実施に関する要望。 自由報道協会。http://t.co/V4eH0L4 via @fpaj
posted at 14:31:23
-----------------------
@iwakamiyasumi 先ほど、上杉暫定代表と電話で話。現時点で、自由報道協会のメンバーは、フリーもネットも、全員、統合本部の会見に入れることに。我々IWJも、私以外のスタッフを含めて、会見参加が認められた。間違いなく、多くの方々が声を上げてくださったからだと思います。この場を借りて、御礼申し上げます。
posted at 20:51:39

2011-04-23

災害時の情報発信 NHKより

----------------------- (転載)-------------------------
2011年04月21日 (木)
時論公論 「災害時の情報発信」

大きな災害が起きた時、食べ物や水とともに必要とされるのが情報です。情報は、人々の命を守り、不安を解消します。今回の震災と原発事故、人々が必要とする情報、知りたい情報は、きちんと発信されたのでしょうか。
東京電力福島第一原子力発電所の事故では、おびただしい数の発表が行われました。しかし、それを聞いて当惑した人も少なくないでしょう。まず国の原子力安全・保安院の地震翌日の会見をお聞きください。
(原子力安全・保安院の会見3/12)
「ベントという作業を行いました。その結果、14時ころからドライウェルの圧力は急激に減少してまいりました。東京電力のモニタリングする車の計測値は、正門付近で13時40分に4.8マイクロシーベルト/H」
「ベント」「ドライウェル」「モニタリング」「マイクロシーベルト」
難しいカタカナがたくさん出てきます。この会見を一度聞いただけで、その意味するところを正確に理解できた人は果たして何人いたでしょうか。
j110421_01_1.jpg
この会見の直後、福島第一原発の一号機は水素爆発を起こします。同じ日の午後6時から開かれた会見です。
(原子力安全・保安院の会見3/12)
「今、詳細について確認中です。情報を集めながら対応策を検討してまいりたい」
原発からは放射性物質の流出が続きました。深刻な事態にも関わらず、国の原子力安全・保安院が、住民に対し外出時の注意を呼び掛けたのは、地震の8日後、3月19日になってからのことでした。
▽徒歩よりは車で移動する。▽マスクを着用する。▽肌を出さないよう長袖のものを着る。
▽雨に濡れないようにする。
福島第一原発の半径20キロの圏内では、間もなく4月22日午前零時から立ち入り禁止の「警戒区域」が設定されます。であればなおさら、こうした住民の安全に直接関わる情報は、何をさておいても真っ先に伝えなければならなかったのではないでしょうか。
次に東京電力の対応を見てみます。3月12日の福島第一原発1号機に続いて、3月15日には、今度は2号機で爆発が起きます。その時の東京電力の会見をお聞きください。
(東京電力の会見 3/15)
「4種類、資料をお配りしていますが、圧力抑制室付近で異音が発生するとともに同室の圧力が低下しました。協力企業作業員および当社職員を一時的に同発電所の安全な場所などへ移動開始しました
こちらは、この時、東京電力が配布した資料です。タイトルは「職員の移動について」。
「爆発」、「退避」ではなく「移動」です。
j110421_02.jpg
この時に限らず、東京電力は当初、「事故」という言葉を慎重に避け、「原子力災害対策特別措置法第15条第1項の規定に基づく特定事象」などと言い続けていました。なぜ「緊急事態」「重大事故」と言わなかったのか。深刻な事態と思われたくない、大したことはないと思わせたい。そんな意図があったと勘繰られても仕方ありません。
j110421_03.jpg
ここまで国の原子力安全・保安院、そして東京電力の情報発信について見てきました。
ここで問われるのは、情報を発信する立場にある人が、誰に向かって、何を伝えようとしたのか。震災や原発事故によって被害や影響を受けている人達のことを念頭に置いていたのか。ということです。
今回の震災では、障害者や外国人など「情報弱者」と呼ばれる人達への情報発信でも課題を残しました。菅総理大臣や枝野官房長官の記者会見に手話通訳がつけられるようになったのは、地震の2日後、英語の同時通訳がついたのは5日経ってからのことでした。
地震の後、実に32の国が、東京にある大使館を一時閉鎖して関西などに拠点を移しました。最初の一週間だけで24万人の外国人が日本を離れました。中国、韓国、ロシアなどからは、
原発事故での日本政府の情報提供に不満の声があがりました。
海外に向けた情報発信も、特に初期の段階では十分ではありませんでした。ここでも、ただ外国語で情報を発信すれば良いという問題ではありません。相手が知りたがっている情報を、迅速に判り易く提供するという基本姿勢に欠けていたと言わざるを得ません
一方で、ツイッターなど新しいメディアを駆使して、効果的な情報発信を行った人達もいました
東京大学の早野龍五教授です。物理学者の立場からツイッターを通じて情報発信を続けています。「今現在、原発から風に乗って飛散している放射性物質はほとんどない」といった情報を、日本語と英語で発信し、15万人以上がアクセスしています。
j110421_05.jpg
もうひとつ例を紹介しましょう。
「がんばろう!東北」と書かれたこの画面は、国土交通省東北地方整備局が、震災直後に設置した臨時掲示板です。
j110421_06_0.jpg
当初、被災した市町村には通信手段がほとんどありませんでした。被災地に入った整備局の職員が持ち込んだ衛星通信設備を使って、市町村からの要望を毎日この掲示板に載せていったのです。
「必要な物資は、白米3万キロ、アルファ米、カップめん10万個...」
これは宮城県の石巻市からの要望、
「今ほしいもの、ソーセージ、ハム、玉子...」
j110421_06_1.jpg
こちらは福島県の相馬市からの支援要請です。通信事情が悪い中で、被災した市町村からは、こうした切実な要望が続々と寄せられました。被災地から発信された情報を共有することで、物資の補給を円滑に行えるようにしたのです。実はこうした取り組みは、事前のマニュアルや災害対応計画にはありませんでした。東北地方整備局の担当者が現地のニーズを考えて独自に生み出したアイディアです。
新しいメディアや機材を使うだけが情報発信ではありません。こちらは気仙沼小学校に設けられた避難所で、地元の小学生が発行している壁新聞です。その名も「ファイト新聞」。
「夕ごはんにラーメンが出た」「電気、復活」「避難所での過ごし方、第一位はゴロゴロする」
j110421_07.jpg
子供達が取材した記事からは、被災者を励ましたい、元気になってもらいたいという思いがひしひしと伝わってきます。
このように見てきますと、災害時の情報発信とは、どんな手段を使うのかということではなく、伝えたいという意思、情報の受け手に対する想像力があるかないかの問題だということに気付かされます。「命を救いたい」「被災者の役に立ちたい」という思いがあれば、情報はおのずと伝わりますし、逆にそれがなければ、どんな情報も説得力をもちません
「災害時の情報は、命を守るためのもの」この原点を、情報を発信する側も、そして情報を伝える我々メディアの側も、しっかりと肝に据えねばならないと思っています。
投稿者:出石 直 | 投稿時間:23:58
(転載終わり)-----------------------------------
NHK以外のメディア、特に地上波テレビは官邸・東電の情報を垂れ流すばかりかご用学者と一体となって安全神話捏造・広報を行ってきた。分かり易くかみ砕いて真実を伝える努力は見られず、確かな情報を流すべきメディアとして恥ずべき日々を過ごしてきたのではないかと疑っている。(民放は総計10時間も見ていないので確かなことは言えないが…)

(参考)ブログ内記事 リスクコミュニュケーションについて 小山真人教授

2011-04-22

Stop Rokkasyo の詞から (連ねて)ふくいちからの風

-----
でも考えてみよう
使用済み核燃料が
列島の隅々から護送され
六ヶ所村に集まってくるところを

いつも動かしてなきゃならないんだよ
国中の54基の原子炉が
眠ることなく、渇望を満たしているんだ
暖、涼、スピード、美への
そしてその欲求から生まれ出るゴミのすべてが
消えてなくなる魔法の力も世話してくれる

わたしたちは知っている
わたしたちは十分知っているのだ
六ヶ所村という解決法によって起こりうることを
わたしたちは知っている
この大地の
あああ海の
あああ空の
そしてその中に住む者すべての汚染は
取り返しがつかないのだと
少なくとも私たちが想像できるところまで-そして
その彼方まで

今のところはゴーサインらしい、
毒物の王子プルトニュウムへのゴーサインだ
崖っぷちにわたしたちは立っている
すべてはわからないけれど、でも十分、
向こう側になにがあるのかを知りながら

わたしたちは今立っている
起こりうる終末を知りながら

わたしたちは今立っている
その前、に
--SHINGO2--

------------------------(原歌ここまで)--------------------

(つづけて詠う ma
そして わたしたちは今立っている
311のその跡に
なのに わたしたちには何も見えてはいない

ひとびとの姿がきえた街並みに
いぬやねこやうしやぶたやにわとりや
そして津浪でなくなった人々のたましいが
汚染された土や水や空気のなかで
鎮められることもなく
漂っている その姿を
わたしたちのだれ一人
みようとはしない

ふくいちからの風が たえまなく吹く
311のその跡に